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15 大変なことになりそうな予感

 夕方にはまだ早い時間に街に戻ってきて、そのままギルドに直行する。


 珍しく入り口にフォルスさんの姿が無かったので、カウンターのお局様に頼んで呼び出してもらった。


「なんだリョウタ、もう戻ってきたのか!」


 すぐに俺はフォルスさんに耳打ちする。


「誰もいないところで話がしたいんですが・・・例の件です」


 その言葉で『ついて来い』と言われて、二階の応接室に案内された。


 

 ソファーに座ってフォルスさんに促されるままに俺は森であった事を話し始めた。


「それでこれがその魔石なんですが、これで何をしようとしていたかわかりますか?」


 フォルスさんは魔石を手に取って見ていたが、すぐにテーブルに戻す。


「俺は力技のほうが得意だからな、こういう物の鑑定はクービーに任せるに限る。呼んでくるから待っていろ」


 そう言って応接室を出て行った。フォルスさん、力技が得意って・・・・・・見ればわかります。


 しばらくすると、フォルスさんと一緒にチク・・・違ったギルドマスターが部屋に入ってきた。


 俺の向かいのソファーに腰を下ろして、クービーさんが魔石を手に取る。


 おっ! 今日の下着の色はピンクですか!!


 何でこの人はこんなに隙が多いんだろう? 200歳超えるとそんなことはどうでもよくなるのだろうか?? でもいつも可愛い色の下着穿いているし・・・謎だ?! 



「魔族の魔法は特殊だからもっと正確に解析しないと断言できないけど、これは魔物を誘導する術式が組み込まれているようね」


 クービーさんが指した所を見ると魔法陣が描かれている。さっきは夢中で気がつかなかったな。


「これを森に埋めようとしていたということは・・・・・・この街に魔物を誘導してそれに合わせて魔族の連中も侵攻しようという魂胆かしら」


 冷静に分析している場合じゃあないでしょう! 大事ですよ!!


「確かにやつらがやりそうな事だな。今から対策を立てて間に合うか?」


 フォルスさんも落ち着いているな。やっぱり修羅場を潜った回数がものを言うのかな?


「森に埋めた魔石はこれだけではないでしょうから、探してみるけど全部見つけるのは無理ね」


 ということは、魔物が大挙してこの街にやって来る事を前提に対策を考えろって事なのか?


「レイドを宣言して方がいい」


 レイドって・・・・・・これはもしかして俺の責任か?


「あのー、もしかして俺が魔王の分体を倒したせいでこんな事になったんですか?」


 恐る恐る聞いてみた。


「お前のせいじゃない、遅かれ早かれ起こることだ。もしこの件に関して何か責任を感じているんだったら、街を守るために戦え」


 フォルスさんの言うことはシンプルでわかりやすい。俺もグダグダ考えていないで真剣に街を守る覚悟を決めよう。


 何しろこの街にはアンジェラさんや子供達がいるんだ、あの笑顔を絶対に守る!!


「フォルスさん、俺も戦いますよ! 絶対にみんなを守って見せます!!」


 俺の言葉を聞いてフォルスさんはニヤリとした。


「そうだ、その心意気を忘れなければいいんだ! お前も準備をしておけ」


 俺はそのあと森で倒した魔族を二人に引き渡してから、一階に降りた。




 準備か・・・・・・一体何を準備しておけばいいのかな?


 あっ、そうだ! ステータスを見てみよう。最近全然見ていなかったけど、どうなっているのかな?


 ギルドカードを取り出して魔力を流してみる。


「ブッ!!」


 その数字を見て俺は思わず吹き出した。


『レベル63』


 ついこの間50を越えたばかりなのになんで? あれから魔族を2体倒しているけど、あいつらそんな強力な魔族だったのか?


 あと色んな数字が並んでいるけど、魔力だけが他よりも一桁多いな。これは魔法がいっぱい使えるって事でいいのか?


 それから、スキルは・・・・・・なんだこりゃ?!


 俺のスキルの欄に『屁属性魔法』とデカデカと書いてあるのはわかっていたが、その下に小さく『最後っ屁』『握りっ屁』と書いてある。


 『握りっ屁』はおそらくさっき森の中で手から出した異臭のことだよな。あの魔族は体が麻痺していたみたいだけど、そんな効果があるのかな。


 これはもう一度試してみよう。もしそうだったら意外と使えるかもしれないぞ。何より命の危険が無い。


 それから『最後っ屁』っていうのは絶対にあれのことだよな。これはよほどのことが無ければ使えない、本当の最後の切り札だな・・・・・・あんな切り札、嫌だ!


 他にはスキルは無いかな・・・・・・あった! 


 剣術のスキルに追加があるぞ。


 なになに『眼くらまし』『変わり身の術』・・・・・・これって剣術なんですか? なんか忍者的な方向に行っているような気がしますけど。


 日本にいた頃通っていた道場で『お前の剣はせこい!』とか『小手先の技だけはうまい』って言われた事を思い出した。


 どうやら俺は正々堂々と正面から剣で立ち向かうよりも、色々と織り交ぜて戦うほうが合っているんだな。



 さて、どうしよう。魔物の侵攻に対する準備をするといっても・・・・・・そうか! 使えるスキルを増やそう!!


 特に一度に大量の魔物を倒せるようなスキルがいいだろう。宿に帰ってじっくりと考えてみよう。




 俺は宿のベッドで寝転んで、新たなスキルのことを考えている。


 一体何が最も効果を発揮するか・・・・・・残された時間は少ないから習得できる数には限りがある。


 まずは、フラガラッハを使いこなせるようにしないとな。あの剣は魔族相手に一度しか振るっていないから、まだ手に馴染んでいない。


 それから、広い範囲を攻撃出来る魔法か・・・うーん???


 どれがいいのかやっぱり試してみないとわからないな。明日街の外に出て色々やってみよう!



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