1.5
「それにしても、バカもいたもんですねぇ人質になりに来るとは」
「若いし、奴隷労働力としてまだ売れるだろうな」
「女のほうは美人だし高く売れるな」
「金をもらって、女を売って二度おいしい商売だ」
「「「「はっはっはっはっっ!!!」」」」
バカそうな笑い声が聞こえる。
ここは、どこだ。
堅い地面のと手足を縛るロープの感触で目が覚める。
頭が痛い、物理的な痛みだ。殴られたのだろうか?
目の前には小型機関で熱を出し暖を取りながら肉を貪り食う4人の男。
見た目の印象は粗暴、野蛮。
暴力になじみの薄い自分でもわかる、彼らはそういった世界の住人だ。
横に人の気配を感じて、目を向ける
ブランテだった。
「起きた?」
小声で彼女は聞いてくる。
自分は無言でうなずく。
「じゃあ、どうやって逃げよっか?」
いきなり彼女は強気な提案をした。
自分たちは小声で話し合った。
奴らは酒でも入っているのか、こちらには気付かなかった。
彼女は、服飾の仕事の帰りに捕まってしまったらしい。
暗闇の道を歩いてたら、後ろから羽交い締めにされ、意識を失ったそうだ。
彼女が言うには彼ら四人で全員らしい。
ずっと見ていたが彼らしかいなかったという。
そして自分は取引が夜明けに始まることを伝えた。
彼らは自分たちを返すつもりはなさそうだ。
そして、たぶんここは洞窟の中。
ここで自分たちが出した結論は、取引のとき
彼らの人数は減るはずだ、その時にここを出る。
自分たちは足と手にロープを巻かれているが、古いもののようで床の凹凸にこすりつけているうちに手の部分は外せそうだった。
あとは足の部分を外せばいい。
そして彼らは見たところ武器に飛び道具のものを持っていない。
剣が数本あるだけだ。
何より彼らは酔っぱらって油断している。
ここに自分たちはかけることにした。
彼らは飲めよ、食えよのドンチャン騒ぎをしている。
自分たちの計画が成功すると、微塵も疑っていない。
いいぞ、油断しろ、慢心しろ、
それだけ、自分たちが逃げ出せる確率が上がるのだから。