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赤いワンピース女

作者: 花雨

会話のとき誰が誰かわかりにくいですが物語にそこまで影響はでないとおもいます。

 ギラギラとした太陽の光が降り注ぎ現在の気温は35度という猛暑日だ。

 普段からあまり外にでていない俺の肌には強い日差しはヒリヒリとした痛みさえ感じる。

 そんな中、体のいたるところから特に鼻の下から吹き出る汗を我慢しながら自転車を漕いでいる。

 国道線を横断するための信号待ちともなると運が悪いと二、三分は待たされる。 

 

「あっちぃ~」


 すぐ斜め後ろに小学生低学年の子供をつれた母親とスマートフォンをいじっている女子高生がいるがついくちにでてしまうのは仕方がない。

 暑いから暑いといったところで別段涼しくなるわけもなく、暑いといわないからといって涼しくなるわけでもない。

 そんなどうでもいいことを考えていると信号が変わる。


 横断歩道を渡りきると目の前にファミリーレストランが見える、あぁ涼しそう。

 それから右に曲がりしばらくして左にまがり住宅街をぬける近道をつかいいつもの待ち合わせ場所へと向かう。

 今日は高校時代からの友人数名であつまってこの暑い中クーラーを全開でつけキムチ鍋をするのだ。

 地球温暖化対策委員会もびっくりの所業である。


「おーっすお待たせ。」


「おっせえよ祐二。」


「わりぃわりぃ。」


 俺がつく頃にはもう皆来ていたようで当然皆にアイスをおごるはめに。

 集合時間がアバウトすぎる俺達にもうけられた『一番遅い奴がアイスおごるよルール』である。


「じゃあ俺ピノな。」


「爽。」


「ハーゲンダッツ。」


「おいおい最後のおかしいだろ。」


 ハーゲンダッツとかお高くて学生のお財布にはなにかと厳しいのだ。


「あれそういやまさは?」


「あーあいつ今日はこれないって。」


「あーまじか。」


「まっとりあえず買出しはすませといたから早速むかおうぜ。」


「だな。」


 高校を卒業と同時に免許をとった博隆ひろたか、通称ヒロの車に乗り込む。


「てか、まだ鍋には早くないか?」


「わかってるって」


 半笑いで言うヒロ。

 

「でも今日はちゃんとたべとけよ? 最後の晩餐かもしれん……なーんてな!ははっ。」


「おまっまじであれいくのか?」


「おう!いくぜ!!」


 あれとは、 知恵袋でそう質問すると数々のベストアンサーが生まれるだろう。

 今だが今回はワーストアンサーとでもいうかいわいる夏の風物詩『肝試し』である。

 所詮は若気の至りである。




「あーーーーーーうまかった!!」


「全開のクーラーにキムチ鍋って最高だよな」


「おまえらな」


「まぁ硬いこというなって」


 確かにこのクソ暑い日に涼しい部屋で辛い料理を食べるって背徳感があってたまらん。

 

「なぁほんとにいくのか?」


「おっなんだ祐二びびってんのか??」


「そーじゃないけどさ、なんかまずいことになったりしねぇか?」


「だいじょうぶだって」


「はぁ、まったく。 やばくなったらすぐにげろよ」


「わーってますよ。」


 深夜の25時をまわった頃、 俺達が乗る四人乗りの白の軽自動車は目的地にたどりついた。

 そこは地元では有名なトンネルの心霊スポットで、 今ではこうしてお遊び半分で近づく若者しかいない。


「ついたな。」


「雰囲気あんなぁー。早速入ろうぜ。」


 こうして俺達はトンネルにはいっていく。

 異変が起きたのは丁度トンネルの半分ぐらいまでいったところだ。

 急にラジオの調子がわるくなったのだ。


「おいおい、こわくなってきたねぇ」


「あれだろ、トンネルの丁度まんなかあたりだし電波がわるっ……えっ」


「ん?どうした?」


「いま人いなかった?」


「いやもう一時半だぜ?流石にいないだろ」


「お、おいサイドミラーみてみろ」


「う、うそだろ」


 サイドミラーには真っ赤なワンピースを着た髪の長い女が後ろから追いかけてきている。

 現在の車の速度は80キロを超えている。


「お、おい!もっとスピードあげろよ!!!!!!」


「わかってるって!!!」


 そこから先のことはよく覚えていない。 というか逃げるのに無我夢中だった。

 俺達はトンネルを抜けて遠回りになるがトンネルを使わない道を使いヒロの家まで戻った。

 

「あとで各自それぞれお寺でもなんでもいっとけよ。」


「あぁ」


 皆あんなものを見たせいか顔が真っ青だ。




 それから数日後のことだった。

 俺達四人のチャットグループが更新された。


ヒロ「なぁ、あの日のこと覚えてるだろ?」


タカ「あぁどうかしたか?」


ヒロ「あの日からずっとあの赤い女がついてくるんだよ」


宮坂「まじかよ、おまえお払いいかなかったのか?」


ヒロ「あぁ大丈夫だとおもってたんだけどさ……」


祐二「バカ、いまからでも遅くない行け」


ヒロ「今日はもうこんな時間だし……だれか今日とめてくれないか? 1人だと怖くて」


タカ「すまん……今日は無理だ」


宮坂「おれも、ごめん」


祐二「おれんちでいいなら早く来い」


ヒロ「ごめん祐二助かる」



 ピーンポーン


「やっと来たか。」


 ヒロが俺の家に来るといってから30分近く経過していた。


「おせぇよ」


 俺はそういいながらドアを開ける。

 そこには顔を真っ青にしたヒロ。


「ん、どうした?」


「な、なんでお前がここにいるんだよ!!!!!!!」


「はっえっおい。」


 ヒロは俺の後方を見ながらそう叫ぶと同時に走り去っていった。

 俺の家には俺1人しかいないはずだが……。



最後のオチがわかりづらいという方は感想のほうで質問していただけると幸いです。

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