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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

アナザー&フューチャー・ストーリー

罪悪=始まり

作者: クロノ
掲載日:2013/01/09

「こないで!!」

一人の少女が、泣き崩れながら叫んだ。

多くの死体が生み出した血の沼の真ん中で。

この状況を目にしたのは約、10分前のことだ。


・・・


「なんでしょうか、グレイ様」

神たちが住む、神界・ゴッドエデンに、私が呼び出された。

「うむ。今すぐに、魔王サタンが住む、城に行ってくれないか?」

「なぜでしょう?」

「人間たちが・・・魔王サタンと創造神を殺した」

「なんですと?!」

なんてことか!

私は人間など、腹黒い生き物だと思ったが、もっと腹黒い生き物なんだな!!

「うむ。だから、その魔王サタンと創造神の子供たちを守ってほしい」

「わかりました」

「だが」

「だが・・・?」

「おぬしだけでは心配だ。焔の神も同行するように」

「わかりました」

私は、クルリとグレイ様に背を向け、ヘブンズドアを起動させる。

「クロノ・・・」

「はい?」

「必ず、生きて帰って来い」

「わかってますよ。グレイ様」

ギギギッ・・・

ヘブンズドアが開き、そこにつながるほうに、私は歩み始めた。


・・・


そして、この有様だ。

魔王サタンと創造神の子供の長女、カロン・J・ブルーフレアがもう、人間兵を全員殺してしまった。

パシャ・・・

私は、一歩前に出た。

「こないで!!また・・・人、殺しちゃうよ・・・!」

「大丈夫だ。私は時の神。お前が殺そうとしても、私が時を止めて、お前を助ける」

「ナラ・・・」

「・・・?」

少女は、何か変わった。

少女の瞳は、血のような真紅に変わり、私を見つめた。

「ワタシヲトメテミロ!!トキノカミ!!」

ヒュン・・・

少女は消えた。

まさか、加速アクセレイション魔法マジック・・・!

だが、習得するのに、3年かかるはず。

ザクッ

鈍い音が、王の間に響き渡る。

「?!」

なんだと!

私の力を出す前に刺された・・・!

「・・・グホッ」

口から、血を吐いた。

その血は少女の顔に付いた。

少女の瞳は、だんだんと水色に変わり、顔に付いた血を手で触った。

「・・・あぁ!」

「グホッ・・・大丈夫か?」

「あぁ!!神様を・・・刺した・・・!」

「な・・・?私が、その憎しみを受け止める。それでお前を助けられるなら・・・死んでもかまわない・・・!」

「嫌!私はもう、人を殺したくない!!私のために死ななくていい・・!!」

「・・・そうか」

私は、少女を優しく、そして強く抱いた。

父親と母親は自分たちのために死んだ、その罪悪感を和らげるために。

「・・・アァ」

「ウァァァアアアッ!!!」

少女は泣いた。

自分の感情のコントロールができず、憎しみだけで、人間たちを殺してしまった、その罪悪感を。

そして、私の意識が朦朧として、目の前の風景はブラックアウトした。


・・・


この出会いから、5年がたった。

少女は、この出来事があってから、私が親の代わりとなって育てていた。

少女の弟は、焔の神・イースが育てることになった。

この姉弟は、いずれか大魔導師と魔族の民が呼ぶようになった。

前に、魔族の国に魔物が現れて、それを姉弟が魔法で倒したという。

そして、少女は10歳、弟は8歳。

とうとう、この神界をでて、人間たちが住む国で生活をすることになった。

「忘れ物はないか?フレア?」

「ないって!クロノ!」

この年頃になると、私をクロノと呼ぶようになった。

前は、神様と呼んでいたのに。

「クロノさん、師匠、そしてグレイ様。今までありがとうございました」

「いえいえ。これぐらいしないと、あなたたちの両親に見せる顔がありません」

「ふん、お前がいなくなって逆に安心するわ」

「うむ。また、来てくれ」

「それじゃ、行ってきます!クロノ!イース!グレイ!」

ヘブンズドアが開き、姉弟は歩み始めた。


・・・


「行ってしまったな」

閉じたヘブンズドアを見つめている私とグレイ様・・・

「泣くなって、イース。そんなに寂しいのか?」

閉じた後、すぐにイース泣き出した。

「うぅ・・・だってさぁ・・・」

「うむ。これが、人間で言う、ツンデレというものか・・・!」

「 ! なぜ、人間が使う言葉をグレイ様が!」

「ははっ。時々、人間たちが住む国に遊びに行ってな、ネットカフェは楽しかったな・・・!」

はぁ・・・

今日も、神界はにぎやかだな。

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