表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

昨日見た夢

作者: ふみあき

人の見た夢って気になりませんか?

私は自分の見た夢もかなり気になってしまいます。そんなわけで1回目の夢投稿。



所詮は夢ですので生暖かく見守っていただけると幸いです。

 こんな夢を見た。

 ここはどこだろう? ヨーロッパかアラブか。特徴的なレンガ造りの建物が並ぶ。

 時代もろくに判別できなかったが近代なのは確実だろう。ところどころ作りかけらしい建物の中からむき出しの鉄筋がのぞく。

 街は白く太陽を反射して日差しも強い。そんな中、私はある一人の外国人の女性と旅をしているようだった。旅行といった風ではない。なにかを探して追い求める旅、追い求めるものが人であったなら、私達は追跡者といっていいだろう。

 そうして私とその異国の女性は街中を目を光らせて急ぐ。頭にはお互いに日よけの帽子、またショールをかぶり、舞っている砂埃を吸い込まないように歩いている。

 市場だろうか。大勢の人が行き交う狭い路地を、にぎやかな声にまみれて急ぎ歩いていた。目的のものはまだ見えない。それどころか混雑で、私はその女性とすら、はぐれてしまいそうだった。これでは目的のものも見つけられず、相棒まで失ってしまう。焦燥感がつのるばかりだ。

 ふと、妙案を思いついたのか私は離れそうになった彼女の手を引いて脇道へと入った。どうしてそう思ったのかは今でも不明だが、そのとき、確かに手を引いて向かう先に川があると思ったのだ。

 行き着いた先は川というより水路。その水路は物資運搬用に整備されたものらしい。

 乾燥した土地に波々とあふれている水は、私達に一気に生きた心地を取り戻させることになった。やはり運河らしい。澄み渡る水の底にも、建物と同じ材質でできた石が絨毯よろしく敷き詰められていて、本来あるはずのない、人口の川を作り出している。

 私は女性の手を引いてその人口の川を遡る。すれ違う船には大きな荷を満杯に積んだ船頭が竿を片手に優雅に流れていく。

 尚も彼女の手を引いて、私はある作りかけの廃墟にたどり着いた。もはやどの道を通ったのかは覚えていないが、経験からか、感からか、そこにあれはいると感じた。

 建物は薄汚れて時間がかなり経過しているように見えた。あちこちからむき出しの鉄筋が見え、時間と共に腐食した錆がその年月を物語っている。

 作られてから放棄されたのか、途中で作るのをやめたのかはわからなかったが、門があったであろう入り口らしき空間から、彼女と共に建物に入った。中は薄暗いが崩れた天井から所々光が漏れていて、かなり明るい。建物はどうやら複数階のようで、右脇には上に登る階段。

 無言の合図――私と彼女は目配せのみでお互いの意思を交わし、それぞれ別の場所を探索することにした。私は一階。彼女は二階を。

 各々の手には、お互いに使い慣れた短銃が握られている。二人で足音を立てずに歩く。時々砂埃が舞っていた。

 一階に異常なし。一階を一周りした私は彼女の向かった二階を、その天井を見上げる。

 途端、銃声が響いた。

 銃声は三回。一回目と二回目で音が違った。撃ち合っているらしい。彼女のことが不安になった。急いで入り口の階段を登る。体力には自信があったはずだが自然と息が荒くなっていた。

 階段を登った私の目に映ったのは一階の天上部よりもさらにひらけた、二階の天井と三階へ続く階段だった。一階の天井部、つまり二階の床は穴が開いていて、それが下への採光の役割を果たしているらしい。視線を上に向けると穴もさらに大きくなっていた。もう空が見えてしまっている。

 見上げた空と穴の開いたフロアに影が動いた。彼女は三階にいるらしい。尚も続く銃声。つまりは交戦中。さらに焦燥感に駆られた私は銃を手に取り直して、その安全ロックをはずし、急いで階段を駆け上がった。

 階段を登ったさき、迂闊にも勢い余って全身をさらけ出したのはプロ失格なのだろう。そんなことも忘れて登り詰めた三階、そこは屋上になっていたのだが、そこで彼女は銃を構えてこちらに背を向けている。

 その先には男が、今まさにむき出しになった鉄筋を渡って隣の建屋に逃げようとしていた。

「止まりなさい!!」

 彼女が叫ぶ。

 男はそれに怯むことなく、鉄筋から鉄筋へと器用にジャンプしながらどんどん小さくなっていこうとしていた。

 私は男を追いかけ始めた彼女をフォローすべく、また別の道がないかと探る。ちょうどそこには、少し遠回りになるがいい具合に隣の建屋につながる渡し板があった。うまくいけば男を挟み撃ちできるかもしれない。

 そう考えた私は、瞬時に飛び乗り次々と建物の屋上を乗り越えていった。

 いいぞ、男はこのまま進めばこちらの正面に向かってくる。ここで待ち伏せれば彼女と挟みこめる。

「とまれ! もう逃げられないぞ!」

 銃を構えて私は男の目の前にたった。一瞬のことで男が渡っていた鉄筋の上で急ブレーキをかける。男は急いで後退しようと振り返ったが、後から追ってきた彼女が既に数mもないほど迫っていた。

 私は屋根の上。彼女と男は掛けられた鉄筋の上。

 にらみ合いがほんのわずかな間、続いたのかもしれない。数えるほどの時間はなかったが男が急にその鉄筋の上で何かを呟きだした。

 意味は聞き取れなかった。地元の言葉なのだろうか、英語でも日本語でもなくそれは異国の言葉だった。

 彼女は何かを悟ったのか必死に知りうる限りの言語で、『動くな、止まれ』と叫んでいたが、男は聞き入れずついにその鉄筋の上でジャンプした。

 男が着地すると同時に鉄筋はその足場もろとも崩れだす。ぐらりと一度だけ大きくずれ、あとは砂の上をすべるようにレンガの上を砂の煙幕と共に崩れ落ちた。

 そこで私が心配したのは彼女だ。彼女も男と同じ、崩れる鉄筋の上にいた。砂埃が舞ったその向こうで彼女は必死に隣の鉄筋――同じように今にも崩れそうだが、そこにぶら下がっている。ちなみに男のほうはまっ逆さまに落ちて、地面に倒れ伏した。

 私は彼女を助けるべく隣にあった、彼女のぶら下がっている鉄筋へと足を運ぶ。

 なんともももろそうな鉄筋だった。そこに私は足を掛け、彼女が手を添えているところまでじりじりと歩む。ヘタに振動をかけたら今にも落ちてしまうかもしれない。

 私ははやっとの思いで彼女の元までたどり着き、彼女を引き上げようと手を掴んだ。

 手をつかまれて安堵の表情を浮かべる彼女。

 引き上げようと足場に力を入れた瞬間――その鉄筋はもろくも崩れ去った。

 二人を道連れにして。

 落ちる間際。私は彼女を名前を確かに呼んだはずなのだか、それは鉄筋のけたたましい轟音にかき消されてついになんと呼んだのかわからなかった。

 そして目が覚めた。

へたくそだなぁと思いつつ、勢いで書いたので後悔していない自分もいます。

作中登場する彼女が、一体何者なのかよくわかりません。


貴重な時間をいただきありがとうございました。


夢占いでもして見ますかねぇ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ