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一般公開!~二日目~

一般公開二日目です。



ピピピピピピ…


ガシャッ…


目覚ましが鳴った。


「ん…。あ、朝か?朝なのか?」


誰に聞く訳でもないけど言ってみる。


いつものように寄り道せずに学校へ。


そして向かうは化学室。


扉がないと違和感が…。


取り合えず冷蔵庫のダイラタンシーを取り出して準備する。


「全く!良いよなぁ!ダイラタンシー以外はほっとけばいいんだから。俺は今からこれをかき混ぜなきゃいけないんだぜ!?」


大した作業じゃないように聞こえるかもしれないけど、水と分離し沈殿した片栗粉を元に戻すのは結構大変。

片栗粉が剥がれないし、固いし、水は冷たいし…。


いじくってればなんとかなるんだけど…。


「今日も一年生はビラ配り!全部配ってきてね~。部長は液体窒素任せた。その他は持ち場に着け!」

昨日と変わらない指示を出す。


部長の仕事だと何回言えば分ってくれるのだろう?


「只今より一般公開が始まります」

放送がかかった。


「よっしゃ!最終日だ!皆ファイト!」

適当に応援して幕を切った文化祭二日目の一般公開。


今日は出だしから客足が良い。


ダイラタンシーも一つ数を増やして一度にたくさんの人が体験できるようにした。


そんな中…。

「今から液体窒素の実験やります!前に集まってください!」

部長がやっと動いた。


「谷津、ちょっと来てくれねぇ?」

部長からお呼びがかかった。


前に集まってお客もいなくなったダイラタンシーを手の空いている後輩に任せて部長の元へ。


「今からですね、まずはこのバラを入れたいと思います。これ…結構高いんですよね~」

部長が言った。


「余計なことを…早く入れなさいって!」

部長に口出しする俺。


「では、入れます」


液体窒素に入れたバラは、白い煙を出している。


「握ります」


握られたバラは粉々になった。


おお~という歓声。


「で、これからこの横にいる谷津が、花弁を食べます。比較のためにまずは冷凍してないのも食べてもらいましょう」


!?貴様!!そのために呼んだのか!台本に無いぞ!そんなの!


「こいつは昨日M-1で面白くなかったって噂なので」


何を言っているんだ?

面白くはなかったかも知れんが予選通ったじゃないか!


しかし…この大人数の前で嫌とは言えん…。


「大丈夫なのか?これ、大丈夫なのか?バラって食えんの?」


「大丈夫じゃん?知らないけど」


「え~…。適当じゃん…」


「いいから食え!」


仕方なく食った。おいしくない…。


「次は冷凍したのを食います」


…。

「痛っ!下にくっついた!あ、でも…おいしくない…」


「いいよ、味は。食感は?」


てめぇ…。

怒りをこらえてのコメント。

「シャリシャリしてるような…。よくわからん」


「じゃあ次はバナナ!バナナ入れますよ」


その時に観客の中から「釘打つんだ」という声が聞こえた。

そりゃあ、まぁ。。。


「はい、入れました!釘を打ちたいと思います」


これがまた打てるんですね。実験は成功!


「で、もったいないのでこいつが食います」


…。悪夢再び…。


とりあえずかじってみる…。

皮が剥けない…。


「そのまま食え!いいから!」

部長うるさい。


「あ、かてぇ…。皮まずい…良いこと無い」


「良いことは無いそうです」

見りゃわかるだろう…。リピートせんでええ!


すると…

「これ試してくれませんか?」と観客からコーラを差し出された。


「いいですよ」と部長が快く了解。


「じゃあ入れます」

液体窒素に入ったコーラはすぐに凍った。


「食べてみます?」

部長が差し出した観客へ凍ったコーラを差し出す。


あれ?俺には無いの?


「うん。おいしいよ。普通にコーラを凍らせたやつだ」

これが観客のコメント。


「そりゃ、凍らせただけですからね」

部長…。そりゃ言っちゃいかんだろう…。


「次は、この化学室で使っている水道水からカルキを取り除いた純水を入れたいと思います」


純水を入れる。すると、入れた時の形がそのままの状態で氷になる。


「はい、これも食べてもらいましょう」

後で部長殺す…。


「え~と…。氷です。冷凍庫でできますね。でもこれが一番おいしいですね」


「次はマシュマロです!これは皆さんにお配りします」


凍ったマシュマロは結構美味いんですわ~…。


美味い物は回ってこないんですね…。


「次!インスタントラーメン入れます。比較のため、そのままのお湯を入れない状態で食べてもらいましょう」

もう…食わせたいだけだろ…。


「うあ…パリパリする!…味が欲しい…」


ここで観客からまたもコメントが。

「何でそんなになんでも食べるんですか?」


俺にコメントか…。


「え~と…。お仕事だからです…」


「カップ麺ができました。では入れます」


スープがカチカチのインスタント麺。


「はい、食べて」

部長、今まで一つも食べてませんよ。


「あ…冷えた麺って美味しくない!まずい!」


「はい、食品関連ラスト!裂けるチーズ!」


裂けなくなりました。


「食べて」

どんどん言葉が無くなっていく…。

最後は三文字なんですね…。


「あ…。硬い…。おいしくないねぇ~…」


「結果!マシュマロ以外失敗です!」

導き出せた結果これだけ!?嘘でしょ!?


「次は、酸素を入れたビニール袋を入れます」


期待の酸素を袋に詰める。

それを液体窒素に入れると、どんどん袋が縮みだした。


「下の方に液体があるのがわかりますかね?それが液体酸素です。この実験で、酸素が液体になる温度は窒素よりも高いということが分かりました」


「次を最後の実験にさせていただきます。ここにいる谷津に手を入れてもらいます」


あ~…それも自分ではやらないのね…。


俺は液体窒素に一瞬手を入れる。


「ほら!大丈夫でした~!」


「これはですね、液体窒素と手の温度差が非常にあるので、一瞬手の周りの液体窒素が気体になるんです。ですから手は大丈夫なんです」

部長に変わって俺が説明。


「以上です。ありがとうございました」



そこまで終わったところで生徒会が来た。


「M-1出場者の方は召集がかかってますので急いで来てください」


しまった…。昨日勝ってしまったから今日の決勝があるんだ…。忘れてた…。

嫌だ…。昨日負ける気でいたのに…。


昨日より人多いよ…。


こうして今日も特設ステージに立つことになりました。。。

液体窒素で固めたものですが、本当にマシュマロ以外失敗です。


因みに、作者はマシュマロ嫌いなので食べてませんよ(笑)


文化祭前日に部員全員でガスバーナーで焼いて食べたら文化祭で使う分が無くなって、慌てて買ってきたっていう裏話があります。

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