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文化祭前日

文化祭前日です。


準備が一切終わってないけど…。

文化祭を明日に控えた金曜日。


今日は一日中文化祭の準備をする。


授業がない。


こんなにうれしいことはない!


先週あたりから部長が「前日早く帰れるように今週中に終わらせちゃおう」と張り切ってた。

しかし…。


なんだろう、このざまは。


一つも終わってない。


「え~と。まず一年生!あっちとここの机に新聞紙引いといて。ここがスライムで、あっちが人工いくらね」

俺が一年生に指示を出す。


「あ~分かった」

珍しく引き受ける一年生。


「そしたら~…おい!部長!お前はこの机に結晶並べとけ。触るなって紙と説明書きも用意しとけよ」

何で俺が部長に指示をださなきゃいけないんだ!


「え~…。お前は何やんの?」

部長が聞いてきた。


「俺はダイラタンシー作る。昨日実験したし」


そう、昨日ダイラタンシーの実験をやってみた。

確かにできた。実験は大成功。


しかし…。


散らかることが分かった。

部長が俺たちに投げつけてきたのがいけないような気がするが本番何があるか分からないのだ。部長が投げるかも知れない。


「ちぇ、いいな。自分だけ楽なのを~」

腹立つ部長だ。


俺はまず水道の横にブルーシートを広げる。

水道の横なら手を洗いやすいだろうという俺の気転。


「部長~。たらいどこにあんの?」

俺が部長に聞く。


「え~?知らん。自分で探してくれよ」


使えない…。


俺はたらいを見つけ、そこに片栗粉を入れる。

1キロくらい入れたらそこに水を入れる。


「うん。こんなもんかな」

俺がつぶやくと…


「お!できた?ちょっとやらせろよ」

部長登場。


「いいけど…ぶったたいてみ?」


「よっしゃ!」

ぶったたく部長。

しかし…。


「うあ!おい!固まらねぇじゃねえか!」


ざまぁ。水が多かったのか片栗粉が足りなかったのか…。

固体にならずダイラタンシーは液体のまま部長にかかった。


「あ~…そう?水多かったな」


適当に流す。


まだ始まっても無いのにブルーシートを掃除するはめになった。


完璧なダイラタンシーを二つ作って俺の仕事は終了。


後は人をどう呼ぶかを考える。


「今年の目玉はダイラタンシーだから、それを前面に出した広告を作るべし!さらに貼る場所は許可が降りれば近くのトイレとかが良し!チラシの数は…天気や入場者数を考えると…一日目2000で二日目が4000ってとこかな。で、入口の扉は外しておく。なるべく入口には部員は立たないように!廊下の電気は常に付けておくこと!この部屋は廊下の一番奥だし、廊下暗いじゃん」

俺が指示を出す。


不思議そうな後輩たち。


「え?何で?うちの文化祭って入場者数は10000人くらいですよ?チラシ少ないじゃん。しかも何故トイレ…?」

後輩が質問してくる。


「分かってないねぇ。10000人全てに渡せるとは限らん!しかも、何回も何回も同じもの渡されればそりゃ嫌でしょ。返ってイメージが悪くなりかねん。トイレに貼るのはな、人が立ち止まるからさ。貼っても見てもらえないんじゃ意味がないでしょ。それも、近くのトイレならついでに~って感じでくるかもしれないし」


「じゃあ、チラシ渡せなかった人は諦めるんですか?」


「いや、君たちが廊下で叫ぶのだ」


「え~…」


会議終了。


さっそく扉を外す。


後は明日を待つだけ。


ダイラタンシーを冷蔵庫に入れて解散。


俺は部長と一緒に駅まであるいて帰った。


「あ、お前さぁ。M-1のネタは?考えた?明日でしょ?」

部長が言い出す。


「しまった!考えてない。またアドリブ…」


「はぁ?去年ボロボロだったじゃん」


「うん。まぁいいや。初戦で敗れて二日目はずっと部室にいるよ」


いきなり明日が心配になった。

次回は文化祭当日と言うことで…。

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