文化祭直前の科学部
前回から一カ月。
文化祭へと入っていきます。
来月には文化祭がある。そんなこと言ってたのはいつだっけ~?
…。
一カ月ってすぐですねぇ~。
もう来週に迫ってきました。
しかし、何をやるかも決まらない。
「おい!部長!何やんの?それともやらんの?」
俺が聞く。
「やるよ!いろいろ決めないと。まず、生徒会から言われたM-1に出る人を決める。そしたらこの部活で何の実験やるかを決める」
「わかってんなら早くやれよ!あ、M-1には俺は出ないから」
そう、去年俺はM-1に出された。
しかし、ネタが決まらずアドリブでやった。。。
そんな暗い過去がある。
「え?何で?出ろ!去年だって予選突破したじゃん」
「あれは…偶然!とにかく嫌!一年生に出させなさい」
「はぁ?おい!待て!」
口をはさんで来たのは一年生。何故か俺にだけ敬語を使わない。
「ん?何?当然だろ!一年生出なさい!」
俺が口をはさんだ一年生を退ける。
「あ、くじ引き!くじ引きで決めれば!な!一年生だけで!」
俺の提案。
「おい、待て。それは不公平だ。あんたのくじもいれよう」
許せない一年生である。
「じゃあくじでいいや。お前のも入れとくから」
部長がキッパリ決めてしまった。
「いやいや、不公平違うし!」
…。なぜ俺の意見は聞き入れられないのだ…?
「よし!じゃあ行くぞ!この中で二人な」
一年生四人+俺。
当たる確率も半分以下。
これならいける!
「え~と…。あはははは。谷津が一発目で出た!」
…。この部長…。許せねェ!
「じゃあもうやらなくていいんじゃないですか?」
一年生の一言。
「そうだね。じゃあいいか。一人で頑張って」
こいつら…。いつか見てろよ!仕返ししてやるからな!
心に誓った。
「じゃあ次は文化祭何やるかだな。誰か案ある?」
部長が呼びかける。
部員全員無視。
M-1出場者決めるときはみんな嫌だとか言ってたくせに!
因みに部員は全部で15人。
二年生多数。
「あ、言い忘れた。全部で5個やる。三つは決まってるから。人工いくらとスライム作りと液体窒素ね」
前の二つの実験は準備が楽で混ぜるだけ。しかも小さい子に受けが良いという素晴らしい実験。
液体窒素はただ食べ物入れて凍らせて配るだけ。
いかにも部長らしい…。
「じゃあさ!ダイラタンシーやらね?」
俺が意見を出す。
「何それ?」
無知な部長だ。
「だから、テレビでよく見るじゃん。片栗粉水に溶かしてさ、力を加えると一瞬固まるやつ」
「あ、あれね。いいよ。楽そうだし」
楽かそうかどうかが部長の判断基準らしい。
「じゃあもう一つ。何やる?」
「結晶の展示でどすか?説明書いて並べるだけだし。ひとり詳しい人置いとけば十分なんじゃん?」
「お、いいね。決定」
これで文化祭で何やるか決まった。
「んじゃ、スライム作る練習するわ~」
ただ作りたいだけ。というかやることがないので。
「あ~…はいはい」
スライムを作っていたら人が入ってきた。
…。カメラを持った生徒会役員。
「文化祭宣伝の写真撮らせていただいてもよろしいでしょうか?」
そう言っている。
「え?いいけど…。いま実験やってるの谷津だけだよ」
部長が言った。
他のみんなはトランプやってる。
「あ、いいですよ。それ撮影させてください」
え~…。
「一年生!ほら!来なさい!」
「嫌」
みんな逃げた…。
チクショウ…。
「じゃあ撮ります」
「あ~…」
スライムを手に乗っけている謎の写真を撮らされた。
これが宣伝で…?
宣伝にならんよ!
こうして今日の部活が終わった。
「来週は木・金曜日もあるからね~」
部長がそういった。
さすがに準備しないとと思ったのだろう。
あ~…。大変だ…。M-1とか…。
これもちょっと実話入れてます。
この作者もM-1出されました。
因みに文化祭でやった実験も同じにしてます。