終わらない残業と異世界の目覚め
人は、日常が永遠に続くと信じている。
満員電車に揺られ、無表情でキーボードを叩き、夜になれば疲れた体を引きずって家へ帰る。
昨日と同じ今日。今日と同じ明日。
そんな繰り返しの中で、僕──高橋健太もまた、ごく普通のサラリーマンとして生きていた。
だが、あの日。
たった一度の「いつも通り」を外れただけで、僕の世界は音を立てて崩れた。
もし、あの時、全力で走らなければ。
もし、ストレス発散なんてどうでもいいやとサボっていれば。
もし、あの瞬間に目を閉じなければ──。
世界は変わらなかったのかもしれない。
これは、ごく普通の社会人が、突然“常識の外側”へ放り出された物語だ。
そして僕が最初に見たのは、人の理解を超えた、空を覆うほどの──巨大な怪物だった。
「俺、異世界で何見せられてんだよ……」
あの日、僕の人生は静かに、しかし確実に動き始めた。
僕、高橋健太は、都内のIT企業で働く平凡なサラリーマンだ。
毎日終電まで続く残業をこなし、ストレスを筋トレとランニングで発散していた。
特に毎晩ジムに通い、ランニングマシンで5キロを全力で走ることが日課だった。
しかし最近、仕事のストレスを発散するため、ランニングマシンで毎晩10キロを全力疾走していた。
その夜も、限界まで自分を追い込んだ途端、視界が揺らぎ、足がもつれた。
「もうダメだ…」
そう思った瞬間、意識が途切れた。
次に目を開けた時、僕は見知らぬ大地に立っていた。
立ち上がろうとすると、ふわりと体が軽くなり、周囲を見渡した。
「ここは一体どこだ?」
思わずつぶやく。
見覚えのない青く広がる空。静かに揺れる草原。
遠くには銀色に輝く山並みがあった。
そして異世界に目覚めた僕が真上を見上げたその時──
空を覆うような巨大なモンスターが、ゆっくりと旋回していた。
「これは……夢じゃないのか?」
震える声で自問した。
あまりの大きさに息が止まりそうになり、心臓が激しく鼓動する。
その瞬間、僕は理解した。
これが、僕の新しい運命の始まりなのだと。




