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第三章 15 『魔法杖職人』

「ねぇメル、なんで私の参加にそんな拘るわけ?別に私なんか参加しなくてもいいでしょ? 」


「ふんふん♪ ロジェお姉様が出てくれるなら私も大きな顔出来るんだもん! 私自慢の遊び人が大会で大きく優勝すればきっとお父様もロジェお姉様の事を気に入りますもの! 」


「いや私、それが嫌なんだけど。あなたが王城でどの位置に居るのか正確には知らないけど、目立ちたくないし...」


 現在ロジェ達はスイーツを食べ終え、リンに教えてもらった魔法杖のお店に行くため路地裏を歩いていた。あまり複雑じゃない道とはいえ、犯罪者共はそこそこ居るらしいが、護衛も居るのでなんとかなるだろう。

 私が襲われそうになった時は堂々とメルを身代わりにしよう。ちゃんと後で治癒魔法かけるし問題ないはずだ。


「大丈夫ですから! 私はロジェお姉様のように平等に接してくれる人が欲しかったので。それに大会の方は私に任せてください! 最悪私の権力を無理に使っててでもお姉様の事は表に出させないようにしますから! 」


「...はぁ。私もキルメを返してもらわなきゃ色々困るし、護衛になってくれるのは助かるけど、あまり無茶しちゃダメよ? とにかくあなたは『私が表舞台で目立たないように隠れてる』って事をちゃんと覚えておきなさい。あなたのせいで私の名誉が上がったらその...遊び人係とやらは一方的に解消するからね! 」


「はーい! そういう事ならこの私、メルにお任せください、ロジェお姉様!」


 心配しかないなぁ...皇女だろうがなんだろうが厄介事の匂いしかしないのは私だけかな?


 そんなこんなで話していると、リンの言っていた魔法杖職人のいるお店に着いた。建物の外見は黒に統一されたもので、明らかに年季の入っている木の素材で出来た如何にも怪しげなお店だった。建物の外見だけ見れば、龍襲撃事件の前に訪れていた鑑定屋のお店と対して変わらない。そういえばあの時の鑑定士のおじさん元気だろうか?


「ほほう...ここがロジェお姉様の目的にあった魔法杖のお店なのですね...すごく雰囲気あるお店です! 」


「えぇそうよ。私の友達がこのお店を良いって教えて貰ったから来てみたくて...メルはどうする? 中に入っても暇になるかもしれないし、友達曰く中の人は怖いらしいから一人で王城に戻ってても良いわよ。その方が私的には楽だし」


「!? そ、そんな! 私専属の遊び人が勝手に仕事を放棄をするなんて許しません! それに今戻っても時間的に私が抜け出した事なんてバレてるので手遅れだし、最後まで付き合いますよ! 」


 わざわざ王城から抜け出してきてたのか...この子、少し元気すぎじゃないかしら。


「まぁそういう事なら良いけど、私が行けるのは王城の近くまでだから。そこから先は自分で帰りなさいよね」


「はい! その時に猫ちゃん返すからちゃんと最後まで着いて来てくださいよお姉様! 」


「...夜明けの時だ」


 わかる、わかるよキルメ。呆れそうになるのはわかるけどもう少し我慢してください...



△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼



 魔法杖のお店が営業中だったのでロジェ達は中に入る事にした。中にはどこを見ても沢山の種類の魔法杖が立て掛けられていた。様々な用途の物が幅広く揃えられており、ロジェの知識欲が激しくそそられる。


 そして立てかけられている杖に圧倒されていると、黒い前髪で目を隠している髭の生えた中年くらいの男がこちらにやってきた。


「......てめぇら俺の店、ロッドストロンに何しにきやがった? 客じゃねえならけえれ! 俺は認めた奴の推薦状がねえ限り話なんて聞かねえんだよ! 」


 相手の顔の怖さと高圧的な態度に圧倒され、メロールがキルメを強く抱き締めながら私の後ろに隠れてくる。


「私達はこのお店の方に用があってここに来ました。私の友達からここで作られる魔法杖の性能が帝都の中でも抜けて良いとお聞きしまして――こちらがその友達からの手紙になります」


 そう言ってリンから受け取った伝言のような小さな紙一枚を職人と思われる方に渡してあげると、相手は奪い取るように手紙を受け取り、すぐさま中身を読み始めた。


「..........チッ。あの仏頂面で無駄にプライドの高いなのです野郎の伝だったか。本来、俺の決めた杖を授かる基準に到達してない奴は、推薦状を貰ったとしても無理やり追い返すとこだが、なのです野郎の書いてある情報は本当っぽいし、話くらいは聞いてやるよ。俺の名前はロッドだ。用件はそこのボインの姉ちゃんだろ? 後ろに隠れてるチビはてめぇの連れ子か? 」


「つ、連れ...ごっ!?」


 一体リンは手紙に何を書いてたんだろうか。私は何もすごくないよ。魔力以外語る事が無い一般人だよ...あと、しれっと私の胸の話だとか連れ子だとかの発言をするのやめて貰えませんかね! 大体、私はまだ新品だし、一応子供がいるんですよこっちはっ!


「ふぅ...ちょっと突然の事にビックリしましたが、この子は一時的に預かってる子供なので私の要件とは全く関係ありません。余計な事はさせませんので、気にしないでください」


「へぇ....見た目がどっかで見た事ある気がすんだが...まぁいいわ。ところで、てめぇから感じる魔力は頭がおかしくなるくらいに異常だが、どんな杖が欲しいんだ? 俺は魔力変換率を何千倍も上げる無難な杖から、魔力変換率が0に限りなく近いの修行用の杖まで幅広く作れる。作るにしても注文がないと作れねえからまずはオーダーを聞かせろ。話はそれっからだ」


 オーダーか...そんな事考えてもいなかったな。とりあえずそれっぽい杖ならなんでも良かったんだけど、そんな事言ったらロッドさんにぶん殴られそうだし、せっかく作ってもらうんだからそれなりに汎用性のある杖にしようかしら。


「そうですね...私は少し変わっている様々な魔法を使うんですよ。とは言っても属性魔法よりも補助魔法を使う方が多いので魔力変換率が高くて、広範囲型というより一点集中型として使いやすい物で。あととにかく耐久性が高い物が好ましいです! ついでに杖の長さや大きさを自由に変えれれば最高ですが...最後のは無くても構いません」


「あの、ロジェお姉様。注文が少し多くないですか? 魔法杖って魔力変換率はともかく、大きさを自由自在に変えるのは非常に難しいと噂でよく聞きますが...」


 え、そうなの? 魔法杖って警棒みたいに折りたたんで使ってる物だと勝手に思ってたから知らなかった…村の外だと違うのかしら?


「あぁ。言おうとした事全部先に言われて腹立つが、そこのガキの言う通りだよ。携帯型の杖を作る手段は材料も貴重で限られてっし、何より形を維持して作るのはムズい。俺の腕なら出来なくはないが結構な時間がかかる。それでもええんか? 」


「えぇ。別に私は構いません。私は旅人ですけど訳あって暫くはこの国にとどまる予定なので何ヶ月かかろうと構いません。というか何か材料が欲しいとかあったら、私の方で持ってきますが...どうします? 」


 私はもちろん取りに行かないけど、グレイ達に頼めば直ぐに取ってきてくれるだろう。彼らは血の気が多いし、危険な魔物の巣穴にも迷わず突撃するタイプの人間だ。危険であればある程良いストレス発散になるだろう。


「いや...使う材料は幸いな事に全て揃ってるからその心配は要らねえ。最近はここにやってくる輩も居なかったしな。ったく、魔法杖職人舐めんなっての」


 どうやら相当プライドの高い職人のようだ。リンが職人としての実力は最高だけど、機嫌を損ねたら相手してくれないとても面倒臭い人だと言っていたのも軽く頷ける。ここまでとツンデレ的な態度を取るとは思ってなかったけど...


「で、オーダーだけどそれだけでええんか? 先に言っとくが俺は同じ奴に二度と杖は作らねえぞ。納品するのは俺がその時に出せる全力を出して作る最高の杖だ。それすら壊したってんなら他の三流野郎のとこにでも行きやがれ。そこまで面倒見るつもりはねえし勝手にしろ」


 へぇーなんかカッコいいじゃんこの職人さん。全力を出して作ってくれる特注品とか最高過ぎるし、私がもし村に帰れたらみんなに自慢してやろっと。


「はい。それで構いません。色とかデザインはこだわりがないのでお任せしますが、とにかく頑丈でかつ持ちやすさを重視して貰えると助かります。なにせ一本しか貰えない最高の杖なら私もそう簡単に壊したくないですから! 」


「チッ。思ってもねえ事言いやがって...オーダーからして材料費がかなり高くなりやがるから軽く見ただけでも二億タールは必要になる。だから二週間後にちょっと多めに金持ってここに取りに来い。それまでに少しでも俺の作業の邪魔したら承知しねぇからな! そんな事したら杖を貰えないと思っとけよ! 」


「分かりました。それまではここに来ないと約束しましょう! 完成品を楽しみにしてますのでよろしくお願いします」


「てめぇらに言われなくても分かってるっつーの! ったく。さっさと帰れ帰れ! 」


 そんな忠告を無視して立てかけてあった杖をロジェが観察していると、メロールが壁の端に置かれていた一枚の包丁を握っていた。料理に使える程刃がある訳でも、魔物を倒せる程の切れ味があるようにも見えない変わった石包丁だ。


「あ、あのすみません職人さん。この鎌みたいな形をした綺麗な包丁ってなんなのでしょうか? 形的にも包丁とも思えませんし、武器に使うにしても軟弱で不思議なのですが...」


「あぁそれか? それは何ヶ月も前に来た野郎の忘れもんだ。欲しかったらてめぇらにやるよ。それは『天昇る美味の包丁(スカイ・デリナイフ)』って変わった代物だ。効果はどんな不味い物でもこいつを使って調理すれば最高級品の味に変化する包丁だとよ。俺は要らねえから勝手に持ってけ。俺は止めたから使った時の責任はてめえらで取れよ」


 へぇ...そんな魔道具ってあるんだ。もしかしたらこれ使えば私も料理大会で天下取れたりするのかしら。正直全く出たくないけどキルメの為にも出なきゃだし持っておいても良いかも?


「......! ロジェお姉様、当日はこれを使って大会で勝ちましょう! これさえあれば優勝間違いありません! 魔道具に頼るのは少しズルですが、ルールに書いてないのが悪いので文句を言われませんし、文句言う奴らは私が蹴り飛ばしてでも黙らせます! 」


「はぁ、分かったわよ。別に優勝なんてする気無いんだけどせっかくだから貰っておきましょう。てかメル、文句言ってくる参加者を蹴り飛ばしてたらあなたの評判落ちるわよ」


「別に構いませんよ? 私は評判を落としたいので! 」


 ――なんで自分の評判を落としたいの...?


 別に料理の腕に自信が無い訳では無いが、持っておいて損は無いはずだ。グレイ達は私の料理をいつも泣きながら食べてくれるし――あ、そうだ! 今日は久しぶりに私が夕飯を作ってあげたら良いじゃない! ハイパー美味しい私の料理を大会で披露する為の良い練習になるわ!



△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼



「なぁあーるん。お前さ、ロジェと一緒に出たはずなのに何処に放ったらかしてきたんだ? あいつの帰りだけやたら遅いのが少し怖いんだけど」


「僕もあれから路地裏行ってから探してたんだけどさぁ、なんかロジェちゃん居なかったんだよねぇ。魔法杖職人の所に行ったら追い返されるしで行方不明になっちゃった。でもでも、あの路地からここまで結構近いし問題ないよ! 近くに潜んでた輩は全部僕が捻っといたからあの子が襲われる可能性はないはず! もう暗くなってきてるしそのうち帰ってくるよ」


「ならいいんだけど...」


 グレイとあーるんは自分達の仮拠点で夕飯の事でも考えながらロジェの帰りを待っていた。今日の料理担当はグレイであり、この家の食事は訳あってロジェ以外の2人が料理を担当する事になっている。


「もー! グレイちゃんは心配性だなぁ。たまにはロジェちゃんの事も信用してあげようよ。確かに僕も少し不安だけど、あの子が少しでも怪我して帰ってきたら怪我させた奴らをぶっ殺せば良いだけでしょ? こんなクソ平和な国の中なのに数時間目を離しただけで大怪我して帰ってくるわけないんだから」


 ――確かにそうだ。この国は腹立つくらいに争い事すら起きていない平和な国だ。少し不安な点として酒場の奴らに絡まれていないかの不安はあるが、挑発なんてあれ以降してないはずだし大丈夫………いや、大丈夫じゃないかもしれねえ。あいつは口下手だから不安しかないな。


「俺はあいつの保護者みたいなもんだからな。あいつは昔っから危なっかしくて見てられねえし、不安なんだよ。それに、あいつは隙あらばすぐ厄介事に首を突っ込んで敵を増やすだろ? そういうとこがあるから、近くに誰かしら居ないと俺は心配なんだ」


「へぇー......ちなみにさ、グレイちゃんってロジェちゃんの事を異性としてどう思ってんの? 似た者同士だし、少しでも好意があるならくっついちゃえば? 」


 その言葉を聞いて思わず飲んでいた水を軽く吐き出し、咳込みながら口を開いた。


「ふぅ...急に『今日のご飯なに?』的な感覚ですげえ事聞いてくんなよなお前! 確かにドジでポンコツで守ってなりたくなる可愛さはあるが、それ以上の感情はない。てかなんでそんな事を聞くんだよ! 」


「あーごめんごめん。いやだってさー。2人は僕の居ない所であんな事する間柄なんだもん。僕的には2人はお似合いだと思うし、それにこれでも長い間過ごしてきた家族みたいなもんなんだから、僕も二人の関係は結構気になってるんだよ? てかそのグレイちゃんの『守ってやりたい』ってのが恋愛感情なんじゃない?なんか耳がほんのちょっとだけ赤くなってるし、図星でしょ! 」


「....多分図星じゃねえよ。お前にも言ったけど、あの文献があるから俺は天狗の使命としてあいつを守ってるだけだ。まぁ、それが無くてもあいつと居るのが一番楽しいから結局どの人生を歩んだとしても最終的にはあいつを守ってるんだろうが、そこに恋愛感情なんてものは一つもねえよ」


 確かに昔も今もクッソかわいいと思う事は多々あるが、それ以上の感情はない。あいつを守る者として護衛側の気持ちが揺らいでしまったら、自分の中にある強さが壊れてしまう気がするからだ。

 だから少なくとも俺は護衛としている限り、あいつをそういう目で見る気はない。そんな感情が自分の中にあるのか、そもそもよく分かってねえけど...


「はぁ。そんなくだらない建前なんてさっさと捨てちゃえばいい――」

『たっだいまぁー!帰りが遅くなってごめんね?』


 そんな会話をしていると問題のロジェとキルメが帰ってきた。何があったのかは知らないが、右手には変な形をした石包丁を構えている――本当に何があったらそんな物騒なもん拾ってくんだよこいつは。


「お前さ、その包丁はなんだ? どこでそんな物騒な凶器を拾って来たんだよ」


「あーこれ? 魔法杖職人の人から貰ったの! これは『天昇る美味の包丁(スカイ・デリナイフ)』っていうらしくて、これを使えばどんな料理でも天にも昇る最高の味になるらしいのよ! 」


「へぇー...面白そうな魔道具持って帰ってくるなんて流石だねロジェちゃん! 僕にも見せて見せてー! 」


 なるほど、随分と面白い魔道具だな。俺は料理の腕にそこそこ自信があるが、一度くらい使ってみたいもんだ。


「そこでなんだけどね、今日の夕飯は私が作ろうと思うの! その包丁を使って最高の手料理を振舞ってあげるわ! 」


「は? 」

「へ? 」


 その言葉を聞いた瞬間、キルメを含めた3人はその場で完全に凍りついた。キルメに関しては激しく震え始めている。


 待て待て待て待て、それだけはダメだ! いくら魔道具が有能でもそれだけは絶対にやらせてはダメだ!


 ―――なんたってこいつの料理は見た目は完璧なのに、味だけが何故か絶望的に不味いんだからな!!!


「......き、気持ちはありがたいがロジェ、それだけはやめた方がいいぞ。今日はもう俺が作り始めてるし、また今度にしよう。な? なっ!! 」


「そ、そうだよロジェちゃん! 僕も手料理食べたかったけど気分的にはグレイちゃんの料理の方が今は食べたいんだよねー。だからまた今度ってことで...あー残念だなー」


「いやいやいや、グレイは野菜を外に出してるだけじゃない。まだ何もしてないし今日は私がやるわよ。いつも作って貰ってるんだからたまには私もやらなきゃ悪いしね。ついでにこの石包丁も試しに使ってみたいもん」


「確かに石包丁があるから料理をやりたくなる気持ちは分かるぞ? でもその魔道具が信用できるかも分からねぇんだ。試したいってならまずは俺が使ってやるからまた今度にしよう」


 というか本当に料理されたら命に関わるんだ今回は。いつもなら家にこっそり常備してるが、今手元に味覚を誤魔化す為の味覚改変ポーションを持ち合わせてねぇんだよ!


「......もしかしてだけど2人ともさ、私の料理が食べたくないからそんな態度を取ってんじゃないでしょうね。」


 それ以外の選択肢がないだろ。でも正直に言えばお前は傷付くし、なによりこいつの負けず嫌いが発動して料理の特訓に何日も平気で付き合わされるのが目に見えてるから誰も言ってねえんだよ!!!


「そんな事ないよロジェちゃん。とりあえず今日はグレイちゃんに任せよ? ほら。料理はまた今度でいいじゃん! 急いで今日やる必要ないでしょ? 」


「夜明けだ!夜明けだ!」


「はぁ...でもね。私は出たくもない料理大会に出ることになったんだから少しでも練習しとかなきゃダメなの。だから今日だけは何言われても絶対に辞めないわよ。ほら2人とも。台所から離れなさい! 」


「え? ちょま――」


 そうして無理やり台所から追い出され、グレイ達三人は無理やり何も置かれてない個室に待機させられることになった。


「あの馬鹿っ...! サビサウンでドアを固めやがったせいでここから出られねぇ。てか誰だよ、この絶望的に料理が下手くそなこいつを料理大会に推薦した大馬鹿野郎は! 大会で集団テロでも起こすつもりか!!! 」


「ねえグレイちゃん、例のポーションって幾つある? 今はともかく、沢山用意しとかなきゃ何千もの死人が出ちゃうよ? 」


「...それが今は手元に1本もねえんだ。急いで量産したいが、大会規模ってなると少し時間がかかる。少なくとも今日はポーション無しで飯食わないとダメだ。すまねえ」


「げぇ.....っ。久しぶりに生身の舌でロジェちゃんの手料理を食べなきゃダメなのかぁ。生きて帰れるかなぁ...」


 グレイはこの時、死人を出さないようにする為、全力でポーションの量産を決意する。そして外から「トントントン...」と音が聞こえてくる度に、キルメを含めた三人の背筋が凍っていた。

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