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第二章 39 『人喰いケーキ③』

「この騒ぎを見たライトはどこかへ行ってしまったし、ガーベラも席を外してから一向に戻ってこないので色々と心配だな…」


 アルロはおじモンと呼ばれる人達が式場内に貼った巨大な結界の中で何か出来ることはないか考えていた。


 街の方はまだ影の襲撃に会っていないようなので、影の鼓動がこのケーキと同時に動かなかったことに多少の違和感を感じるが、恐らく組織の中でも何か想定外な事が起きているのだろう。自分の中でそう割り切っていた。


「それにロジェ様が用意したと言うあのサンドホークが無ければこの式場はケーキに全員呑まれていただろう。彼女は一体どこまで見越して警戒していたんだ…?」


 それは遡ること数分前、暴走ケーキの存在をいち早く察知し、警備として配置されていた巨大なサンドホークが柵を壊してケーキに向かって火を吐いたり、ビームのような光線を飛ばした事で数十秒の足止めが出来たのだ。


 その後直ぐにケーキにサンドホークが呑まれてしまったが、式に参加していた《紅焔轟者(こうえんごうしゃ)》の2つ名を持つ『グロリオサ』が緊急用として持ち込んでいた保存指(スペアリング)を起動し、ケーキのいる位置を中心に強力な炎魔法を放ち、炎で焼き殺す事で相手の身動きが取れないようにしたのだ。

 暫くするとケーキが再び動き出したので、その状態にいち早く気付いたあーるんがすかさず空へと飛び出して他の場所へと誘導していった。


 サンドホークの時間稼ぎと2人の強力な戦士の活躍のおかげで会場にいたおじモンと呼ばれる4人組が神職系の巨大な結界の展開が間に合い、今のところ参加者には1人も被害が出ていない。


「このケーキの襲撃だけで済めばいいが…どこまでケーキの被害が出るかだな。彼女達とも連絡が取れないしどうなる事か…」


 そんな事を考えていると、突然手持ちの連絡石が反応する。声を聞く限り、どうやら相手はケーキを誘導しに行ったあーるんのようだ。


『もしもしアルロさん?今から僕とガーベラさんで式場に向かってるんだけど、そこに大量のドライアイスの準備と氷魔法が使える人の確保って可能ですか?』


「氷魔法ですか…?しかし今式場には魔封じの結界があるので会場で属性魔法の使用は出来ません。何をするつもりですか?」


『僕には分からないけど、今ロジェちゃんがあのケーキを引き付けて時間を稼いでくれてるの。どうやら何か考えがあるらしくて――その間に僕達は氷魔法が使える人とドライアイスをありったけ集めて欲しいって頼まれてるの!とりあえず僕達は今式場の裏から建物の内部に潜入してるんで、ドライアイスと式場の結界は僕とガーベラさんで何とかするから、アルロさんは魔法を使える人を何とか集めて貰えませんか?』


「突然そんな事を言われてもだな…会場にそんな事が出来る者なんて限られてるぞ。」


 すると連絡石越しに先程と違う声が聞こえてきた。芯の通った力強い声、これは恐らくガーベラだろう。彼女が無事だった事に少し安心感を覚える。


『お父様!確か今回の参加者の中に火撒きのグロリオサが居ましたわよね。あの婆様に声を掛けて今から会場に追加の魔導師を集めることは出来ませんか?ロジェは確かに何考えてるかわかんない子だけど、あの子はきっとやる時はやる子よ。無茶な事を言ってるのは分かってる。だけど今だけは協力して欲しいの!』


「………」


 正直今にでも2つ名を持つ強力な魔導師であるグロリオサに協力を要請したい所だが1つの疑問が残る。


 ――あの悪名髙き影の鼓動がもしこのケーキを使うのであれば、真っ先に追加の戦力を動員しそうなグロリオサをこの場に放置するだろうか?


 少なくともアルロが敵組織の人間だとすれば、彼女を放置せず何かしら動いて相手の行動を封じようと動いている。強い戦士なんて封じれば封じる程、作戦の成功率が上がるのだから、対策をしないわけがない。

 この疑問が脳内で引っかかってアルロがどうするか悩んでいたが、話を聞いていたのか、《紅焔轟者(こうえんごうしゃ)》の2つ名を持つ強力な魔導師、グロリオサが話しかけてきた。


「アルロ。あたしに何か頼み事かい?聞くつもりはなかったんだが少し話が聞こえてしまってね。通話相手はあんたのとこの小娘だろ?」


「えぇ。そうですが…」


「ちょっと連絡石を寄越しな!あたしが直接話をつけてやろう。」


 そう言ってグロリオサは連絡石を奪い取り、通話先に向かって声を上げた。


「もしもし。あたしの声が聞こえてるかい?」


『その声は火撒きのグロリオサ!?私の話を聞いていたの?』


「相変わらず生意気な口を聞く小娘だねあんたは。普段なら怒ってる所だが、今は緊急事態だし特別に燃やさないで見逃してやろう。それで、あんたは大量の氷魔法の使い手が欲しいってのかい?」


『えぇ。そうよグロリオサ。無茶な事な分かってるけど頼んでもいいかしら?』


「……今回は特別だ。アルロには無理言って特別に保存指(スペアリング)3つもを持ち込ませてもらった礼もある。30分だ。30分だけ時間をくれたら街に配置してる奴らをこっちに呼べるよ。だからそれまで死ぬんじゃあないよ!」


『ありがとうグロリオサ!今度このお礼は必ずするから!』


「けっ。そんな事よりも小娘は自分の心配をしな!」


 そう言ってグロリオサが怒鳴りつけると連絡石の反応が消えた。


「……良いのですか?グロリオサ。」


「あぁ。別に構わないねぇ。あの小娘とは少し関わりを持った程度の繋がりしかないのに、式場の方に呼ばれたから何事かと思ってたが、なんで呼ばれたのか今納得したよ。それにこの厄介な結界が解かれるならあたしも敵組織を見つけ次第全部燃やせば解決するだからやりやすくなるってものさ。」


 《紅焔轟者》のグロリオサは、今も帝都で活躍している炎魔法の使い手だ。帝都でもトップクラスの人間である事もあり、今回の事件で直々にこの街の警備を任された協力者でもある。彼女は帝都に《夜炎(ナイツ・ブレイズ)》と呼ばれる巨大な魔導師クランを構え、冒険者として活躍しながらクランハウスを運営する凄腕クランマスターでもあるのだ。(話によれば本人は戦闘以外では対して活躍していないらしいが。)


 彼女の特徴は、炎魔法は周りの被害を考えずにとにかく広範囲で派手な炎攻撃を行うことであり、攻撃を行う度に大火事の跡を残してしまう問題児でもあるが、魔法の火力だけは1級品であり、狙った獲物は確実に燃やし尽くし、命を落とすギリギリの所で炎を使って捕縛するのだ。

 彼女は炎魔法しかまともに使えない欠点があるが、炎に関する技術に関しては帝都でも何十年もトップクラスの座に座っており、彼女を超える炎魔法の使い手は誰一人として居ないらしい。


「協力してくれる事に感謝する。私に協力出来る事があれば何でも申し付けてくれ。」


「…たわけが。街の警備もあるんだろ?あんたのとこの小娘は私が面倒見といてやるからこの街の警備の方を警戒しな。あたしが《水冥》を無理やり連れてきて街に配置したとはいえ、暫くは警備が少し薄くなるんだ。見習いのガキ共2人もそのうちこっちに来ると思うが、あんたはそっちに集中しないと大変なことになるよ。」


「……あぁ。そうだな。ではよろしく頼むぞ。」


 そう言ってアルロは、もう1度街の警備状態を確認することにした。さっきも確認はしたし、そんな短時間で何も起きていないとは思うが、緊急事態であれば何度確認しても損はないはずだ。



△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼



「ほっ、グロリオサが力を貸してくれるなら一先ず安心ね…。また後で文句言われそうだけど。」


「それって確か式場であのデカいケーキを焼いてた人だよね。その婆さんってそんなにやばい人なの?」


 あーるんとガーベラは魔封じの結界を解除しようと試みていた。結界自体はあーるんが事前に術式の仕組みについて式場の人に色々と質問していたので、少し時間は掛かるが何とか破壊する事が出来る。なので慣れた手付きであーるんが1つ1つ仕組みを突破していく。


「はい。グロリオサは被害を考えずにやりすぎる所があって帝都でも割と問題児扱いされてるんだけど、《紅焔轟者》という2つ名を持った実力が保証されてる魔導師よ。炎魔法に関しては未だに右に出る者は居ないんじゃないかしら。」


「ふーん。式場の結界の中で保存指(スペアリング)からあの規模の魔法を放てるんだから凄いとは思ってたけど、やっぱり強いのかぁ。そんな強いなら僕も1度戦ってみたいなぁ。」


 保存指(スペアリング)は、どんな魔法でも1つ保存出来るが、本来の魔法の威力よりも大きく劣る事と、魔法を込める際にが100倍多くの魔力を消費するという大きなデメリットがある。


 だからあの巨大ケーキを一瞬にして炎で取り囲み、嵐のような雨の中で巨大なケーキが一時的に身動きが取れなくなるまで焼やし切るには相当な魔力と火力が必要になる。つまりそれを当たり前のように成し遂げている《紅焔轟者》は相当な実力者と言えるのだ。


 少し笑いながらガーベラが答える。


「確かにあーるんさんが強いのは分かるけど、やめた方がいいわよ。あの人は気性が荒いし、戦いなんて挑んだら命ギリギリの所まで燃やし尽くすとかいう御伽噺に出るような悪い魔女みたいな事を平気でするしで、初見だとみんなトラウマになっちゃうわ。」


「.....魔女かぁ。僕からしたら悪い響きじゃないなぁ。ちなみに僕も一応速く動く事には自信があるし、意外と良い勝負するかもだよ?魔導師って動きが速い相手が苦手じゃん?」


「確かにそうだけど、グロリオサもかなり熟練の魔導師だから相当詠唱が速いわよ?完全な無詠唱とまでは行かないけど、瞬きをした瞬間攻撃を出せるレベルで魔法を唱えられるんだから舐めない方がいいわ。」


「だったらロジェちゃんより詠唱が遅い事になるし、それならなんとでも出来るよ?僕。早く動く事には自信あるから多分先に殴るか炎が来るかの戦いになるかも!」


「あの魔力といい、ロジェってホント何者なのよ…いつも何も考えてなさそうな顔してるのに常に頼りたい時には近くに来て親身になってくれるし、不思議な娘ね。そこがまた良いところだから気にしないけど。」


「ロジェちゃんは本当に凄い子だよ。戦闘面には自信が無いみたいだけど、あの子の言う通りにすれば基本全てが上手くいくし、常に先の未来を見て最適解を選び続ける世界最強の魔導師だからね!」


 ガーベラはそう言い放った彼女の顔を再び見るが、その顔には全く嘘をついているようには見えなかった。恐らくこれは本心なのだろう。


「……それが本当かは分からないけど、私もあの子が来るタイミングの良さはずっと気になってた。彼女が未来予知が出来ると言うならそれも納得ね。」


「だからガーベラさん。僕はあの子の友達を語るのは別に止めはしないし、勝手にして良いんだけど、あの子を心の底から悲しませるような事だけは絶対にしないでね。そんな事は僕が絶対させないけど、あの子がもし闇堕ちなんてしたら大変な事になるかもしれないから。」


 ――――大変な事?



△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼



「もーーー!なんか私一人になった瞬間攻撃の量が異常になったんだけどどうなってんのー!!!」


 ロジェはサウジストの遥か上空で逃げ回っていた。高い場所に逃げ込めば最悪街の外にケーキを逃がす事が出来るし、街の中に住んでる人にも攻撃の影響が出ないからだ。

 オマケに高度が高くなれば、水を吸収して巨大化していると思われるケーキも体内にある水が減って動作が小さくなるかもしれないのでついでに試している。


 作戦の準備が出来たらあーるんに連絡石を通じて連絡してもらい、即座に戻る予定である。


『ベリベリべ…』


「しかもこのケーキ、ベリベリとかいうふざけた事しか言わないくせに攻撃の予備動作が変わるから厄介すぎよ!いくら高い所で空が晴れてるからってやってくることがめちゃくちゃよ!」


 ロジェがここまで受けた攻撃は4つだ。


 1つ目は、ケーキに着いている蝋燭を幾つも追尾式の火のついた時限爆弾として飛ばしてくること。(しかも飛ばし終わった後は、蝋燭がケーキ内部から新しく生えてくる)


 2つ目は、自我を持った何種類もの果物が赤く点滅し、クリームと共に幾つも飛ばしてくる攻撃(当たってないので分からないが、触ると恐らく爆発する)


 3つ目は、プレートとして使われているチョコレートの先端が命を刈り取る刃物を連想される尖った形に変更され、ロジェに向かって飛び、ブーメランのようにケーキの元へと変える投げるタイプの武器攻撃。


 4つ目は、ケーキ自体が一時的に小さくなる代わりに2つに分かれて挟んで潰そうとする攻撃。


「大体、ただのケーキのくせに攻撃手段がおかしいでしょ!何よ爆弾とかブーメランとかって!ケーキの概念ぶっ壊してるじゃないっ!!!」


『ベリベリ…』


 そう言うと、再びケーキがプレート用のチョコレートをロジェに向かって飛ばしてくる。


「もー!ホント厄介ねこのケーキは!『ファージスト』!」


 刃物型のチョコレートにファージストを使ってケーキに刺し返すが、ケーキ内部に吸収されて大したダメージになってるようには思えなかった。

 だが、攻撃魔法が使えないロジェにとって、今出来ることはファージストや高磁石(ハイロムーブ)でケーキに攻撃を押し返して時間を稼ぐ事しか出来ない。


 もう何度目か分からない攻撃の反射についに痺れを切らしたのか、ケーキの見た目が変化する。

 全体的なケーキの色が唐辛子を連想させるような赤色に変化し、クリーム全体に棘のような物がついている。


『ベリベ…ベリベリ!』


「もしかして、怒ってる?というかまさか第2形態…かな?」


『ベー!ベリベリべー!』


「!? まずい!このままだと街に被害が出ちゃう!」


 そう言い放つとケーキが360°の広範囲に向かってクリーム型の棘を大量に飛ばそうとしていた。今まではロジェにしか攻撃をしてこなかったので何とかなっていたが、全方向に攻撃をされると街にまで被害が及ぶ可能性がある。

 なんせこの高度だ。ここから尖ったクリームなんて落とされたら、死人なんて幾らでも出てしまう以上、なんとしてでも止めなくてはならない。


「とりあえずこのクリーム棘だけでも止めて時間を稼がなきゃ。高磁石(ハイロムーブ)!」


 そう言ってロジェはケーキに魔法を使って棘が勝手に発射されないよう固定し、少しの間だけ時間を稼ぐ。


 使えそうな物は、この無駄に分厚い『雨雲』と大気中の酸素だけ…薬品鞄と照らし合わせて使えそうな物は…。

 薬品鞄を漁るが、『タイヤ』『涙』『冷却』『雷』『豆鉄砲』『火炎』『翼』『恐怖』『豆腐』とよく分からないポーションで埋まっていた。


 雲って確か空気中の水蒸気が、なんやかんやあって凝結核(ぎょうけつかく)になってるんだっけ…それが限界を迎えると雨や雪になって落ちるのが雨雲だったはず。でもクリームは液体だから近くにある雨雲に含ませる事は不可能だしせめて水蒸気レベルまで蒸発させる必要があるのか。うーーーーーん…


 今回、使えるものが少なすぎるわね…本当にどうしよう……考えろ。今までなんだかんだ工夫しながら何とか乗り切ってきたんだから今回だって上手くいく行けるでしょ!頑張りなさい魔女の私!


 暫く考えるが、特に方法が思いつかなかった。せめてクリームを蒸気に出来れば雨雲に含めることが出来るので解決なのだけど――


 そうだ!この高度ならあの魔法と『冷却』ポーションを組み合わせればいけるわ!


 その言葉と同時に、ケーキが高磁石(ハイロムーブ)の魔法をごり押し出来る程の棘を内部から追加で生やして飛ばそうとする。そこに大してロジェは『冷却』ポーションをケーキに直撃させ、ケーキの温度自体を限りなく低くする。


「仕上げはここからよ!」


 そして凍りつきそうになって身動きが取りにくくなってるケーキを『束縛の鎖(ストールチェーン)』で完全に拘束し、ロジェのいる高度よりも更に高い位置にまで移動させた。


 そして見えなくなるくらいまで高い位置に移動させると、高低差による温度変化と『冷却』ポーションによってケーキが小さな爆発を起こす。これは急激な温度変化を利用した自然現象に近い爆発だ。クリームとして使っていた翼や棘が蒸発し始めた。その音を確認し、ロジェは自分のいる高度までケーキを移動させる。


「よし、これで多少はケーキも小さくなったし、多分取り憑いてる魔物も何が起きたか分かってないから暫く動けないしで一先ず安心ね。というか後であーるん達に討伐したよー!って連絡入れないと…」


 自分の近くに持ってきたケーキは地上にいる時には巨大すぎてケーキの頂点が見えないほどの大きさだったが、現在は全長1m程の大きさにまで小さくなっており、魔法でこちらから浮かせてやれば反撃するようには見えなかった。


「とりあえずこっちで束縛の鎖(ストールチェーン)と浮遊魔法かけてるから勝手に動く事はないと思うけど、いつ動き出すか分からないから少し心配ね…そもそも準備してた作戦はしなくても解決しちゃったし、あとは完璧に凍らせてからケーキ自体を壊せたら全て解決なんだけど、どうしようかしら。コレを凍らせるにしてもまだ準備出来てないだろうしなぁ...」


 ロジェは浮遊魔法をかけながら自力で何か出来ないか再び薬品鞄を漁っていると、『豆腐』と書かれたポーションに目がいった。


「前から思ってたけど、この『豆腐』ポーションって一体何なのかしら…イマイチ使い道が分からないのよね。」


 前に使った『ミヤマクワガタ』ポーションは、蓋を開ければ変身系の効果があったが、豆腐はただの食べ物である。食べ物に変身するとは思えないし、あのグレイが作った薬品なんだから召喚するにしても小さな食べ物をその場に少し召喚するだけだとは考えづらい。


「今は余裕あるしとりあえず使ってみようかしら。仮にその場に出てきても豆腐だし、どうせ大した効果じゃないし…。」


 そう言ってロジェは、ケーキに向かって『豆腐』ポーションを使った。最初の方は効果が無かったが、暫くするとケーキに変化が出てくる。


「今回は何が起こるのかしら…?自分が実験体になるのは御免だけど、こういう不思議な物は見ていてワクワクするから少し楽しみね!」


 するとケーキが再び巨大化し、浮遊魔法を無効化するほどの力を携えて戻ってきた。先程までの大きさでは無いのでまだマシだが、今度はケーキが豆腐を幾つも生やして羽にし、幾つもの豆腐が拳に変化して再びロジェに向かって襲いかかってきた。



 ――――あれ?もしかしてこれ、私が戦犯?というかこんなの誰が予想出来んのよ!!!

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