第三章 20 『裏側』
「あーあ。やっぱり帝都って雑魚しか居ないからゴミ掃除ですら手応えがないや。グレイちゃんもごめんね? せっかく楽しめるかと思って忙しい中誘ったけど雑魚しか居なくてぇ...」
「そんな落ち込むほどの事じゃないし気にすんな。全員雑魚だったけど数もそこそこいたし、いい準備運動くらいにはなったからな! それよりも今日の討伐数は俺の方が多いし、俺の勝ちで良いよな! 」
「いやいや、絶対僕の方が多いから! ちゃんと数え直して? 絶対数え間違えてるよそれぇ! 」
冒険者として成り上がるのを諦め、盗みや殺人といった犯罪行為に手を染めた無法者や賞金首になるような連中を世間では、黒冒険者と呼んでいる。そんな黒冒険者達を含めた犯罪者達がそれぞれ縄張りを作り、騎士団の巡回すらも中々入らない帝都で唯一の立入禁止区域とされている無法地帯を世間では廃街地区と呼んでいた。
そんな子供でも分かるそんな危険地帯で、グレイとあーるんはこの場所にいた犯罪者達を時間内にどれだけ多く倒せるかを競う娯楽。通称ゴミ掃除タイムアタックを一通り終え、襲撃したバーのような店にあった濃度の低いアルコールを勝手に飲みながら一段落着いていた。
「で、結局なんか戦利品は見つかったか? 割とデカめの賞金首も居たし、何かしらあるんだろ? 」
「うーん...襲うついでに色々と盗ってきたよ? 指輪型の魔道具だったり、よく分かんない研究データの資料とか、他にも色々と.....でもね、正直言って危険地帯の割にはどれも収穫が中途半端なんだよ。色々あるけどグレイちゃんは何か欲しいのある? 要らないなら僕が欲しいものだけ回収して残りは捨ててくるけど」
そう言ってあーるんが堂々とカウンター席に拾った紙や魔道具など色々と押収物を並べ始める。本やら魔道具やら数が多すぎてどれから手を付けていいのか分からない。
「お前...どこにこんな量の戦利品を隠してたんだよ。今座ってるカウンターの席が戦利品で埋まるとか相当じゃねえか」
「へへへーっ。襲撃したついでにこの辺のやつ全部をこの酒場の中に隠してたんだぁ♪ だから出そうと思えばもっと出せるけど――一気に見る? それとも少しずつ見ちゃう? 」
「そんなの後者一択だ。これ以上あるんだったら物を一気に出されても見れねえから俺もお前も困るだろ? 俺の目が後二十個ぐらいあるなら一気に確認するけど、二つしかねえんだから今は出すな」
そんなやり取りをしながらカウンターの席に積もった魔道具やら本やらを退けて興味がある物だけを探しに行く。そして手当たり次第に本や魔道具などを漁っていると、一つの冊子をグレイの目が捉えた。見た目は大したことのない普通の冊子だが、表紙に書かれた内容に少し興味がある。
えーっとなになに。『毒物料理大作戦』? 何だこのふざけた作戦は。何処でこんなの使うのか知らねえけど、会場に擬態型のカエルを撒き散らすとかいう馬鹿な作戦が通用するわけねえだろ。頭冷やしてから考えろっての。
「なになに? グレイちゃん、その本に載ってる事が気になるの? 」
今いる建物の外から銃弾や短剣が沢山飛んでくるが、二人は全く気に留める事無く避けながら話を続ける。雑魚に興味が無い二人にとってこの程度の攻撃は相手するまでもないし、常に周りを警戒して生活する事が習慣化されている以上は、この程度の攻撃は当たる気がしなかった。
「いや。これ作った奴は相当馬鹿だなって思って流し見してたんだよ。簡単に纏めると擬態型のカエルを料理の中に忍び込ませて料理の味の評価を最低ランクにまで落とし、時間を掛けて飯を食った審査員や観客を死に陥れるらしい。そんな上手くいくわけねえってんのにな! 」
「確かにだねー。幾ら擬態出来るとはいえ魔物が混ざった料理が審査に通るわけないし、帝都の馬鹿共でも料理にカエルが取り憑いてることくらい気付くっての。その本に書いた奴らの名前とかって載ってないの? 」
「えーと、ちょっと待てよ...名前は蹄の足跡だってさ。こいつらって確かお前が昨日突き出してきたっつってたアレだろ? 確かチビに負けるようなチンピラのいた組織の」
「あー、あれかぁ。でも確かアイツらって人身売買組織って聞いてたんだけどなぁ。裏稼業でもやってるんのかな? まぁ正直、僕達でここの犯罪者共を狩りすぎたせいでその組織までついでに潰した可能性はあるけど、どうせ雑魚だしその作戦とやらは興味すら湧かないかなー。どうせくだらないし」
裏社会に生きる人間のやる事なんて無限にある。繋がりが表社会よりも薄い以上、表向きは人身売買組織として活動していても裏では平気で違法薬物を回していたり、ヤバい魔法生物を平気で売ってたりするなんて事は日常茶飯事だ。調べればこんな事は幾らでも出てくるし、おかしい事ではない。
「まぁその擬態型のカエルってのは気になるけどな。そいつの擬態能力にもよるけど、なんか色々と悪さ出来るだろ。例えば......ほら。組織の潜入にそのカエルを使うとか」
「なにそれすっごく面白そう! でもさぁ、そういう犯罪紛いな事はロジェちゃんが嫌ってるし、そもそも僕達で殴り込む方が早いしで要らないじゃん。ホントにそれって必要なの? 」
「あくまでも軽く思いつく範囲で提案しただけだし、正直要らねえと思うぞ。俺には霊火があるからその程度なら代用できるし、お前は気配の察知がそもそも得意してるからな。まぁ、そのその魔物を改造すれば発信機とか認識阻害系のアイテムくらいには出来るかもしれねえけど...」
「..........! じゃあ今から僕が盗って来るから、カエルを持って帰ってきたらそれで面白いの作ってよ! 家にある結界札みたいな汎用性高いやつね! 」
「はいはい。盗ってくる必要ねえから今は座っとこうな。どうせ誰かが既に手を出してるから現場からカエルなんて既に逃げてるだろうし、探しに行くだけ時間の無駄だ。だから大人しくしてろ」
そう言ってグレイがあーるんを宥めてやる。あーるんは暴走しがちな所があるが、止まれと強く言えば勝手な事をしないまともな奴だから扱いには苦労しない。こいつと比べたらロジェの方が圧倒的に苦戦するくらいだ。
「っぷはー。時間の無駄に関しては確かにそうかもねぇ...そのチンピラの話を聞いて思い出したんだけどさ、あの酒場の奴らとロジェちゃんが外で派手に戦ってたらしいよ。ロジェちゃんにも見物人にも怪我はなかったらしいけどどうする? あいつらが立ち直れなくなるくらいまで潰しとく? 」
「酒場のあいつらか......まぁでもロジェに怪我がないならほっとけばいいさ。何か怪我してたりするなら話は別だけど、あいつが上手く巻いたんなら俺達が別に手を出す必要はない。どうせあいつの事だ。考え無しに相手を挑発するような奴じゃないし、何か考えがあって動いてんだから放置でいいだろ。まだ許可を出してこないって事は、あいつの言ってた『時期』じゃねえって事だしな」
ロジェはいつも何を考えてるか分からないが、周りを巻き込みながらいつの間にか事件を解決して帰ってくる。目立ちたくないって常に言ってるくせになんでそんな事してるのかは知らないが、今回だって何か狙いがあってあいつらを煽ってるに違いない。
――だって何かを見越して利用する気がないなら、初対面の相手に名前を聞いた上で『ロリコン』だなんて呼んだりするはずがないのだから。いくら常識に疎いあいつでも聞き間違いだとかでやってる線は無いと思う。
「まぁそれもそっか。酒場で言ってたロジェちゃんの言ってる『時期』ってのがいつ来るか分からないけど、いつ来てもおかしくないようにしとかなきゃダメだね。この辺の奴らよりは楽しめそうだし! とりあえずさっきから飛んでくるコレを見るのも飽きてきたし、そろそろ締めに行こっかな。グレイちゃんもやるっしょ? 」
「あったりめえだ。メインディッシュの後のスイーツを食べねえ訳ねえだろ! 」
「「!?」」
そう言って二人の化け物はカウンターから飛び出し、第二回ゴミ掃除タイムアタックが始まったと同時に、バーの外で武器を投げていた者達がかなり大きめの悲鳴を上げた。
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「結局あの野郎…ッ。俺達を騙しただけでなく余計な条件まで出してきやがって――ぜってぇに許せねぇ! ロリイーネさんどうします? 」
「あぁ。次出くわせばぜってぇに殺してやる。あんな条件、一々呑んでいられるか! 」
ロジェと名乗る新しい英雄との一騎打ちに負け---というより途中で相手に逃げられたので、《霜刻の凍鳥》は仕方なく自分達の拠点に戻っていた。
結局あのカエル魔法は時間経過で元に戻る魔法だったし、元に戻ればダメージがある訳でも後遺症が出る訳でも無い初歩的な変身魔法だった。
仲間の命を勝手に掛け金にされただけでなく、解除方法を知らない事を良い事に《彗星の神子》に喧嘩を売れだとか、そいつらを倒すまで自分は戦わないだとか、めちゃくちゃな条件を突き付けられロリイーネ達は相当頭に来ていた。
そもそも圧倒的な格下に戦わせて高みの見物をするあの態度だけでも腹が立つのだが、仲間の命を掛け金にされた事で限界を通り越して殺意が湧いていた。
仲間の命を掛け金にしたり、関係のない民間人に手を出したりするのは、誰よりも人の命を重く見ているロリイーネにとってその行為は地雷なのだ。今のロリイーネは、あれだけの人前で負けた事よりもそっちの方に怒っている。今回は何事もなく元に戻ったから良いものの、仮に何かしらの異常が出ていたらどうするつもりだ。
「恐らくあの女、カエル以外にも変な魔法を大量に仕込んでますぜ。そもそもあんな魔法は初めて見ましたが、一体何者なんでしょうかあいつ」
「事前情報でも戦闘スタイルや魔法が分からなかった以上、奴はあんな感じの奇想天外な魔法を幾つも隠し持ってるはずだ。次戦うとなれば、変な状況に出会しても怯まず立ち向かう必要があるな」
実際にあの女と戦っても『魔力以外語る事の無い一般人』という評価は変わらないが、カエルの魔法のような広範囲に干渉する変な魔法が幾つもあるとすれば、脳死で手元にある武器で相手に戦いにいくのは危険だ。本気で挑む場合は、意味不明な魔法を使われたとしても動じないようにする必要があるだろう。
「それに、今度こそ俺があの女に対してこの『氷嵐斧槍』でトドメを刺してやる。話に乗れば理性を失う事は分かった以上は一撃で仕留めるし、もう二度と口を利けなくしてやる」
ロリイーネの自慢の武器であるこのハルバード、『氷嵐斧槍』は氷結熱鳥を倒した時に得た大量の鳥の羽毛と骨を組み合わせて作ったロリイーネだけのオリジナルの武器だ。これに触れるだけで、氷結熱鳥との激しい死闘を思い出す。
氷結熱鳥は死んだとしても本体の力が強く残り続ける特徴があるので、この『氷嵐斧槍』はハルバードと呼ばれる武器本来の目的である斧や槍としての性能はもちろん、少し振るだけで周りを凍らせる事が出来たり、武器に直接冷気を纏わせたり、鉄を溶かすほどの高熱を放ちながら相手に攻撃出来るという性能を持った超一級品の武器となった。その武器で俺達の実績を馬鹿にしたアイツにトドメを刺せればきっと素材の元になった氷結熱鳥も喜ぶはずだ。
「ただいま戻りました。《万術無尽》を見つけるのに時間がかかって少し帰りが遅くなっちまって申し訳ないです。ロリイーネさん」
そんな事を考えていると、一応外に向かわせていたベイス達が拠点に戻ってきた。彼らに頼んだのは《万術無尽》の二つ名を持つリン・アシュフォードに決闘を申し込む事だ。
元々ロリイーネ達は過去に恨みを買い、相手にこっぴどく嫌われている以上は決闘を申し込んでも受けて貰えないのは分かっているが、条件を突き出された以上は行かざるを得ないので行ってもらったのである。
「俺は構わん。それでどうだったベイス。結果は.....まぁ、言わなくとも分かっているが一応聞こう」
「はい。予想通りですが、彼女はゴミを見る目をしながら凄い顔で断ってきました。相手からの伝言ですけど、『はぁ? ふざけないでください。なんで私が貴方達のような最低な人と決闘なんてしなきゃならないのです! そんな事は絶対にやりたくないし、顔も見たくないので二度と絡んでこないでください! 』だそうです」
やはりか...まぁ分かってた事だが仕方がない。元々条件なんて呑む気は無かったが、どうやら本当に条件を無視して乗り込む以外に手段はないようだな。
まさかとは思うが、俺達が《万術無尽》との仲が悪い事を分かった上で、奴はこんな条件を出しているのか...? だとすれば、相手はここでもう一度俺達が挑みに来る事を先読みしている事になる。このまま無策に乗り込むとなれば奴らの思う壺だし、次は何をされるか分かったものじゃない。相手の読みをズラす為にも、ここは一度イベント期間が終わるまでは一旦様子を見る方が賢いかもしれん。
「こりゃあまた厄介ですぜロリイーネさん。ただでさえ今年開催されるオークションで行われる例の大会に参加する事になってると言うのに余計な事をやってくれますよねあいつら」
「全くだ。せっかくダンジョンで拾ってきた例の魔道具を試そうと思っていたと言うのにタイミングが最悪すぎる。あと数日でレシピや造形を考えなくてはならないというのに...あいつらと関わってから碌な事がない」
それはオークションのサブイベントとして行われる『料理大会』だ。ロリイーネ達はダンジョンの探索で偶然拾ったこの『頬落ちる秀逸の氷削機』の性能を試す為にも、近日行われる大会にエントリーしたのだ。使い方を完全に理解しているわけではないが、これを使って氷を削れば、どんな水分が元になっている氷でも、最高の味がする氷に作り替えてくれるらしい。
優勝賞品は賞金だけでなく、身体強化に関係する物も貰えると聞いているので、ロリイーネはこれを獲得し、仲間の成長の為にアイテムを獲得するつもりでいたのである。元々料理の腕も並程度しかないし、仮に優勝出来なくてもそれはそれで構わない。魔道具の性能がどれだけのものか確かめられればそれで十分だ。
「ちなみにロリイーネさん。料理の案ってもう浮かんでるっすか? 一応さっき外に出ていたついでに料理本も漁ってきましたが必要そうならこれでも使ってください」
「あぁ助かる。一応エントリー自体はやったが、全く案が浮かんで無かったからな。こうなれば仕方ない。さっきの騒ぎでまた冒険者ギルドの呼び出しがあるだろうが、奴らが何か言ってくるまではこちらからは手出しはせん。今は一時休戦にしといてやるが――今だけだ。この大会が終われば俺の手で全てのケリをつけてやる! 」
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「うーん...基礎的な部分は出来てると思うけど。強いて言うなら、ここの炎の生成術式を甘えずにしっかり繋げる事かしら? あとは杖をちゃんとした角度で構えて、魔法の形をしっかり想像してからもっかい打ってみて。杖の向きは――こうするの」
「こ、こんな角度まで杖の先端を傾けるんですか!? わ、わかりました! 杖の向きと形の想像ですね。えーっと...私、少し意識してみます! 」
ロジェとメロールはあの後も様々な質問をされたので質問に答えられる範囲で全て答え、現在《夜炎》のクランハウスにある魔導師用の訓練所で、ベージュとセレーナの魔法について出来る範囲でのアドバイスをしていた。二人は魔法の基礎的な部分は出来ているが、術式の応用の部分がまだまだ甘かったのでそこを中心に指導中である。
というか、属性魔法が使えない私に聞くことじゃないよこれ...私なんて誰にでも分かるような事しか言わないんだから、他の人に聞きなさいよ! ここには私よりも優秀な魔導師が集まる場所なんでしょうがっ!!!
「フルフレイム! 」
そうセレーナが技名を唱えると、シャドーとの戦いで見ていた物よりも一段と巨大で強力な炎の渦が発生した。渦から感じる熱も音の大きさもとても派手になっている。
「やったー! 見ましたかロジェさん! アドバイスのおかげで一段と凄いものが決まりました! アドバイスありがとうございます」
「うんうん。その調子よ。でもセレーナは油断するとすぐ杖の角度が変わるから気をつけて」
「僕の魔法にもアドバイスありがとうございました。おかげで風魔法の速度も威力も上がりましたし、更に上を目指せる気がするのでサイコーです! 僕には口だけなのに、セレーナに対してはそんな間近でベッタリと教えてるのは対応の違いを感じて納得できませんけど...」
「それに関しては別に深い意味はないし、二人の役に立てたなら良かったわ。あとベージュ、あなたはもっと術式構築をしっかりする事よ。そこを面倒くさがって妥協してたら強い魔法も八割の力しか発揮しないんだから! 」
「あ、やっぱりバレてましたか。今日のアドバイスで術式の大切さを学べたので以後気をつけますね!」
「なんだかロジェお姉様が二人の先生みたいで素敵です!最近は私をカエルにして虐めてくるだけの悪い人かと思ってたけど、ちゃんと魔法知識のある方だったんですね! 」
「まるでその言い方だと私がわざとメルを虐めてるみたいに聞こえちゃうでしょ。カエルの件は事故だし、私だってちゃんと最低限の知識くらいは持ってるんだから」
「え.......違うんですか...?」
――違うに決まってるじゃん。
一連の会話を聞いていたセレーナ達にドン引きされてる気がする。頼むからこの件は王城に通報しないでください。こんな事がバレたら不敬すぎて私殺されちゃうし――というかメル、どんだけカエルにされた事を恨んでんのよ。事故とはいえ悪かったし、いい加減許してよ。
「そういえばベージュ達、初心者用のダンジョンって知らない? メルが今よりも強くなりたいらしくて簡単なものがあったらそこに向かわせてあげたいの。私も勿論同行はするけど一応皇女様だし、極力安全な物にしたいのよね」
「初心者用ですか...そうだなぁ。それでしたら『四季彩の森』とかどうでしょう。そこでしたら基本見晴らしの良い一本道だし、出てくる魔物も初心者向けの物しか出ないですから僕的には悪くないと思います! 」
「そ、れ、に! あそこは初心者向けのダンジョンなのに、他の初心者向けの場所よりもマナの濃度が少しだけ濃いんです! 冒険者になりたての人が沢山いく巡礼地でもあるので、皇女様でも怪我する事無く強くなれるかもしれませんね!! 」
へぇ、そんなのあるんだ。怪我させたら王城にこの子を返した時にロッキーさんに怒られちゃうし、それくらい安全なものが丁度良いわね。その程度でカエル魔法に耐性が出来ると思えないけど、一度ダンジョンに向かわせたらメルもそれなりに納得するだろう。
「情報ありがとう。というか良かったら二人も来る? 初心者用のダンジョンだから物足りないかもしれないけど、もしかしたらさっき練習した技も実践で使えるかもしれないし、暇だったら一緒に来てくれないかしら? 」
「「..........え? 」」
その言葉を聞いて二人は同時に抜けたような声を上げていたが、ベージュ達は顔を真っ青になりながらも同行する事を了承してくれた。
私の顔なんて見て一体何に怯えているのかな? 実践がどうのってやつは物の例えだし、そんな二人が技を披露するようなやばい魔物なんて出ないよ...




