幕間 9月14日の新聞記事
『住宅地で殺人放火事件、被害者は敵国のスパイか』
9月11日午前1時ごろ、アビタシオン地方ロジュマン市の住宅から火の手が上がっていると近隣住民より通報があった。
火は駆けつけた消防隊により無事鎮火されたが、焼け跡から家の持ち主と思われる男性の死体が発見された。
被害者の体には無数の刃物による切り傷が確認され、死因は失血死であるとみられる。
加えて油を撒いた痕跡があることから、警備隊は何者かが被害者を殺害後に放火したという線で捜査を進めている。
14日までの調査で現場から隣国グエッラ製と思われる機械の残骸が多数見つかっていることが、捜査関係者の取材で判明。
更にチュテレールの偽造パスポートらしきものや、我が国の機密情報が書かれたと思われる書類も発見されたとのこと。
警備隊は被害者がグエッラのスパイであり、チュテレール人を装って我が国の情報収集や工作活動などをしていた可能性があるとみている。
また犯人は被害者の正体を把握していた可能性もあり、事情聴取の結果次第では情状酌量が検討される場合もあると語った。
警備隊は引き続き現場周辺の聞き込みと捜査を進め、犯人の特定を急いでいる。