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5 あのクソガキ、セラノアというのか!
「あ~、天国~。」
俺は地獄に飛ばされた。
飛ばされたのだけれど、地獄に来てから思った。
「地獄しか勝たん!」
「初めてです地獄に落ちて天国とかほざく人間。」
そうツッコミを入れたのは俺の見張り役、オーロラ・ネフェリス。
「地獄に落ちてすぐの怖がっていた人間らしい貴方が懐かしいですよ。もう帰ってきませんが。」
イヤミか?
まあ事実だが。
「ほざくとはなんだほざくとは。この血の海こそ温かく腰にきく。それに針の山なんて足つぼにいい具合に当たって気持ちいい以外の何物でもないぞ。」
「お前いつ人間やめたんだよ……。」
いつも何も、死んだ時だが。
「そうじゃねえ……。お前な! 血の海じゃなくてマグマなんだよそこ!」
「そうなのか?」
「そうなのか? じゃねえんだよ!」
む、ひどすぎやしないだろうか。
なんてことを考えているとネフェリスは一度ため息をついた。
「お前の事を神、セラノア様に報告した。」
あのクソガキ、セラノアというのか!
するとネフェリスから「お前……」と聞こえてきたが無視。
無視だ無視。何も聞こえていない。