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時は今!

これは、ある大名の物語である(そりゃそうだ)

弘治二年(1556年)越前国、一乗谷。屋敷の中に男が1人。

男の名は朝倉義景。この日、ある者たちが義景の元を訪ねてきた。どうやら朝倉家の家臣として迎え入れてほしいとのことである。



「明智十兵衛光秀でござる。義景様のため、身命を賭してお仕えいたします。」

「明智秀満にございます。力を尽くしましょう。」

明智光秀と明智秀満という男2人。どうやら美濃国、斎藤家に仕えていたらしく、その当主道三が息子に討たれこの男たちも居城を失い逃れてきたそうだ。


「ほほう!喜んで迎え入れよう!どうか、当家のために尽くしてくれ!」

「ははーっ!」

そういうわけで新たに家臣になった2人だが、彼らは朝倉譜代の家臣より圧倒的に有能だ。特に光秀の方は頭ひとつ抜けている。他国との戦争でも、政務でも。そんな折、義景はこう考えた。




(この者の力があれば、儂の夢が叶うのでは?)

いやいやいや、1人増えただけでそんな大それたことができるはずもない。だが夢は諦めきれぬ。あ、ちなみにそのその夢とは、




一乗谷を都にしたい!







というもの。朝倉家の本拠地一乗谷は、その文化的な繁栄から「第二の京」とまで言われるほどの都市であった。義景は、「第二の京」から、「京」そのものにしてやりたいと考えていたのである。


だが、今の朝倉はかつて屋台骨を支えていた曽祖父、宗滴が死に軍事的な力は急速に失っていた。己に対しても「公家文化に溺れた軟弱者w」と周囲の武士から嘲笑されることすらある有様。そんなことは許せん!


儂とて乱世に生を受けた武士(もののふ)の1人!義景は心の中で叫ぶ。武を持って野望を成すことは夢であったのだ。一乗谷都化計画は、まさにその野望!天下の全てを手に入れることができれば、一乗谷を都にすることができるのだ!




そんな折にこれほどまで優秀な男が来たのだ。これは天より与えられた千載一遇のチャンス!時は今である!

そう考えた義景は光秀を居館に呼び寄せた。






「十兵衛、其方の能力は我が朝倉の臣下の中でも抜きん出ておる。」

「ありがたき幸せ」

「そこで其方に尋ねる。

儂が天下をとるには如何すべきか?」


光秀が目を見開いた。こやつもか。義景が戦に臨む、ましてや天下を獲ると言い出すなど、到底思っていなかったのだろう。それは義景も知っている。なにせ噂では光秀は秀満と共に実力を発揮できそうな他家へ出奔すると言われていたのだ。義景はその前にこれを尋ねたかった。




「義景様、天下を、

そう光秀言いかけたところ、義景は遮るように話し出した。光秀は儂に天下を獲る才がないと思っている。朝倉義景が天下を獲れないだろうというのは表情と口調でわかる。だが義景さまは諦めない!淡々と野望を語り始める

(なんだこいつめんどくせぇな)

光秀、顔に思いっきり出てるぞ。




「どうだ!!儂は本気じゃぁ!!!!」


「失礼致しました。では、本題に。やはり目指すべきは上洛でしょう。そのためにも、美濃斎藤を下すことは不可欠にござる。現在、斎藤はいまだ国がまとまっておらず、道三時代と比べれば弱体化しているのは言うまでもございませぬ。ここは、斎藤氏と敵対している六角の力を利用しましょう」


「ふむ、、尾張の織田信長はどうじゃ?あやつは道三の娘婿じゃろう」


「織田は動かぬ、、いや、動けぬでしょう。南に今川という強敵を抱えながら、家中も未だまとまっていませぬ。内憂外患ってやつでござる」


「あなるほど、では仕方ないか」


「それを踏まえた上で、まずは家臣のお歴々にこの儀を伝えねばなりませぬぞ、家中の結束は基盤でござる。そうでもしないと斎藤みたいになりますよ。」



斎藤道三が息子の斎藤義龍に討たれたのはやはり家中がまとまっていなかったことがあるだろう。確かに光秀合ってる。

「そうと決まれば、越前中の家臣を集めて評定じゃぁ!」





こうして、義景の秘めたる野望がいま解き放たれたのでアール!




次回に続く!

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