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ある日のお昼休みのお話

ようやく書けた第2話。

日常は苦手なんだよなぁ…なんか内容が飛び飛びになって薄くなっちゃう…。


それでは本編、どうぞ!



 ―――お昼休み。それは、世の中の学生が(平日限定で)待ちわびている、魅惑のオアシスである。


 勿論、周りでそれぞれ机をまとめて集まっている子供達も例外ではない。

 しかし、そんなオアシスにおいて、疲労困憊の状態にある者たちがいる。


「「「「「…………」」」」」


 そう、言うまでもなく私たちだ。

 いつもは教室の中を活気で溢れさせている私たちだが、今日ばかりは机に突っ伏して―――言ってしまえば死屍累々の状態だった。


「…なぁお前ら、いい加減に元気出せって…もう終わったことなんだし、いつまでも気にしてちゃダメだろ?」


 普段騒がしい私たちが一切の言葉を発しないことを見かねたのか、黒色の髪の毛を短髪にして、メガネをかけた男の子、『春宮零士(はるみやれいじ)』君が話しかけてきた。


「…零士くん、私たちはもうあの事については気にしてなんか無いんだよ…無いんだよ、っ…!」

「お、おう…?」


 ―――『あの事』。

 この小説の数少ない描写の中から気づいた方はいらっしゃるだろうが、それは勿論、朝の遅刻のことである。

 しかし、私たちはそんなことは気にしていない。むしろ、私たち幼なじみ5人組は、私が朝に弱いせいで、遅刻の常習犯と化し始めている。


 この場合、私たち5人をここまでコテンパンに叩きのめしたのは、私たちのクラスの担任の先生に原因があった。



 私たちの担任について説明をしよう―――しかし、それを行うためには、少しの(話し手側の)勇気と、私たち子供を取り巻いている、この小見山村における特殊な状況について、触れなくてはならないのだろう。

『そんなの要らねーよ』等と思う方もいらっしゃるのだろう。

 しかし、この村のことを理解して、これから続いていく(ストーリー)をより一層楽しんでいただくためにも、少しだけ、ほんの少しだけ、私の説明とは名ばかりの、愚痴にでも御付き合い頂けないだろうか…?


 私たちの通っている中学校は、少子高齢化という時代の波に呑まれたおかげで、少々特殊な形態をとっていた。


 まず初めに言っておくと、私たちの通っている学び舎は、(私が勝手に)『中学校』と呼んではいるが、何も通っている生徒は中学生だけではない。

 この小見山村は人口が少ない。

 つまり人口が少ないということは、必然的に子供の数も少なくなってくる。

 そうすると、村にいる子供たちの通うべき学び舎は、1箇所にまとめられてしまう。

 すると、私たちの通う学校では、自然と小学生と中学生が同じ空間にいるという光景が出来上がるのだ。しかも全校生徒は37人。小学校1年生から中学校3年生で37人だ。

 このことからも、この村の少子高齢化の進み具合が分かることだろう。

 そして、そんな環境にある学校だからこそ、生徒と教師との距離がかなり近い。距離が近いということは、説教をされる時はとことんされるのである。

 『説教』と言うと、皆さんはどんなものを思い浮かべるのだろうか。昔の思い出を思い浮かべる方もいれば、さながら『ドラえもん』の様な風景を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれない。

 が、ここの教師はそこらの教師とはひと味違う。

 この学校は生徒の数が少ないため、配属される教師の数も少なくなってくる。しかし、こんな辺境の地で教師をやりたいなんて物好きは少なかった。これまでは。

 そう、『これまでは』である。

 なんと一昨年から、新任教師である『赤崎理音(あかざきりおん)』さんが、県の教育委員会に直談判をして、この小見山村にある分校に赴任してきたのだ。

 理音先生は綺麗な緑色の髪をしていて、どこか男勝りするような性格を持った、2X歳(1の位は何故か読めない)の女性である。しかし彼女は一度怒ると手がつけられなくなってしまい、悪い事をした生徒のためには授業を放ってでも説教をするという、良い意味で生徒思いな先生である。……勿論、実体験も含まれてはいるが。



 長々と語ることとなってしまったが、結局私が言いたいことはこうだ。


―――『あの先生は怒らせてはいけない』。



 何だかんだとこってり2時間程絞られた私達は、緩慢な動きでそれぞれのお弁当を取り出すと、これまた緩慢な動きでそれらに手を付け始める。


「…今回のは長かったね…」


 亜莉沙は遠い目をしながら、苦々しくそう呟く。


「「「「…うん…」」」」


 その言葉に、私たちは食べる手を止めて同意する。


「おいお前ら、そろそろ夏祭りが近いんだろ? お前らがそんな調子でどうするんだよ?」

「…あー、そんな時期だったわね…」


 零士君の言葉に、そう言えばと言った調子で、りんなが返す。



 毎年恒例の、小見山村で開催される夏祭り。

 それは、周囲の村や町の人達を呼び込み、村中に活気が溢れる、年に一度の特別なお祭り。

 元々は、りんなの神社である『神鷹神社』に祭られている神様―――確か『マレビト様』だっただろうか―――に、1年無事に過ごせますようにというお祈りを捧げ、その後はマレビト―――外から来た旅行客や、引っ越してきたばかりの住人を歓迎する為の舞を、神鷹神社の巫女達、つまりはりんなとりんなのお母さんが行うという、昔の風習を受け継いだ、古き良きお祭りである。

 そして私たちは、全員がそのお祭りの実行委員―――とは名ばかりの、ただの盛り上げ役なのだが―――に任命されているのである。

 零士君が言いたいことは、力仕事を担うであろう村のおじさん達を盛り上げる私たちがこんな調子でどうするのか、という事だろうが―――。



「…楽しみだな、お祭り…」


 私は大親友4人(+1人)の会話を眺めながら、羨むように、私自身も気づけないような声の大きさで、何故かそう呟いているのであった。





「きりーつ、気をつけー、れーい!」

「「「「「さよーならー!」」」」」


 一日の授業が終わり、私達は教室の中心に5人集まる。

 勿論、荷物は既に装備済みで、帰る準備は万端と言ったところだ。



 私達が通学路として使用している道を横一列になって歩いていると、ふと気になる影を見つけた―――そんな気がした。

 気がしたというのも、今私たちの歩いている道は左右が木に囲まれていて、森の奥なんて到底見通せるような立地であるわけでもない。

 それなのに、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ、森の奥に2人の少女が、それも私たちと同年代と思しき少女達が、その木々の間を縫うようにして走り抜けて行ったのだ。その事象だけで、私の目には彼女らが異常なモノに見えてしまった。


「…?」

「…姫奈?置いてっちゃうよー?」


 思わず後ろを向き、首を傾げている私に、優里のそんな呑気な声がかかる。


「姫奈、どうかした?」

「いや…そこに女の子が2人…居た、様な…?」

「―――ふぅん…」


 りんなにそう聞かれたが、私は女の子達を見た方向を指差し、曖昧にそう返すことしか出来ない。

 りんなは私の指差す方向を見て、何やら訳知り顔で呟いている。


「今のって―――」

「そろそろ行こうか、姫奈」


 りんなにその子達のことを聞こうとするが、それはセナによって遮られてしまう。

 私は先の女の子達の事をそこまで重要なことではないと判断し、少しだけ振り返りながらも家に帰るために前へと足を進める。


「姫奈ー!そんなに遅いと、こわーいクマさんに襲われちゃうぞー?」

「あはは…わかったよ…」


 亜莉沙の寒いダジャレに苦笑しながら、私は前を歩く一団に走って追いつく。


「りんな…?」


 少しだけ女の子達がいた方向を立ち止まって見ていたりんなが、ようやくこちらへ来る。


「……………チッ…」


 ―――りんなのとても冷たいその舌打ちは、誰にも聞かれる事無く木々の中へと溶けていった。



突然でてきた2人の女の子…一体誰なんでしょうか…?

…感想くだしあ(他に言うことが無い)


以上、作者でしたー。バイバイ。

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