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3/3

3話 これはチートな気がする。

 次の瞬間、ラックから飛び出すであろう、赤い液体が怖くて目を瞑った。



「はぁ、下等生物はこれだから。」

バッと私は目を開けた。そこには、血だらけになったラックではなく、人を見下すような目の…さっきと同じラックが居た。

なぜか黄金の剣を持っているが。

 

 ちなみに騎士が持っていた剣は綺麗に縦に二つに割れ、花々の上に転がっている。


「え、ラックちゃんどゆこと?」

ラックは、地面に転がっている私を静かに見下ろす。


「剣を召喚したの。ただしく言えば、そのバカ騎士が持っている剣より硬くて強い剣を。」


それなら話は分かる。要するに、そのチート剣を召喚して騎士の剣をにぶつけた。と言う事だろう。

 

窓から落ちた私をキャッチできるほど力もあるから、重さ的に余裕だと考えられる。

 

「だが、術式は聞こえなかったぞ!!!」

 先程、ラックに剣を折られた騎士が焦ったように言う。

確かに、この世界では術式を称えなければ魔法も何も発動しない。

 それに、ラックは岩の時も唱えていなかった。


「バッカねぇ~。」

フンと鼻で笑いながら、悪魔のような笑みを浮かべている。


「私レベルの召喚魔法師になると、術式なんて唱えなくても大丈夫なのよ!!」


「いや、チート!!!」

そのチートは、どちらかというと転生者である私が欲しかった。

やっぱり、魔法師辺りを目指すべきだった。


「それよりさ~、あなた達、まだやる?」

もはや、どちらが悪か私には分からない。騎士団長らしき人は歯を思いっきり食いしばった。周りの騎士達も同じような顔をしている。


 ちなみに、私はワナワナと震えて、ラックの後ろへと隠れている。

ーーーだって、怖くね?ラックが。

やがて、騎士団長は緩みかけていた手をしっかり握り、剣を持ち直した。


「全員、突撃ッ!!!」

剣をこちらに向け皆再度、突進してくる。


「いけぇぇぇぇえ!ぶっころせぇぇぇえ!!」


「やれやれぇぇぇえ!!!!」


 そんな騎士達の声が聞こえる。一方、ラックはというと、ニヤリと笑った。

右手の手の平を地面に当てる。

その手を中心に、巨大魔法陣が空中や地面にいくつも展開する。


 剣がもう当たると言う時に、私の体は急に上昇した。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!!」


岩の時より圧倒的に長い上昇時間だ。かなり圧力がかかる。

ラックが私を傍に抱えてくれなければ、落っこちていただろう。


 下を見ると、花が見え…、騎士達の頭が見え…城が見え…、柵が見えた。


「いや、しぬぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅう!!」


下を見ると、ちっちゃい城があった。 

また、何かの上に立っている居るのだろうか。 


だが、おかしいのは私を抱えているラックが立っている場所だ。赤い地面である。

それは、ふにゃふにゃとしていて、土でも絨毯でもなさそうだ。


 恐る恐る私は前を見た。そこにあったのは…、長い触覚が生えていて目はエメラルドのように輝いている。 

 横を見ると、これまたデカイ翼があった。


つまり、ここは…。


「ドラゴンの上!?」


「せーかい♪ あんたにしては察しがいいじゃない。」 


それは、褒められているのか否や。

"ドラゴン,,なんて、絵本の中でしか、見たことない。

 実際に見ることになる…いや、乗ることになるなんて思ってもいなかった。


「ただいま、高度百メートルを走行中で~す♪」


呆然とする私に比べ、ラックは、他人に自分の力を見せられてご機嫌なようだ。




 その頃。百メートル下に居る騎士達はというと。

「あの娘!ドラゴン召喚しやがった!!マジでチートかよ!」


「はやくッ!はやく追え!!」

団長が怒鳴るように言う。


「りょおおおお、了解しました!!!」

めちゃくちゃ焦っていたのであった。



「あー、また来るわね。めんどくさい。」

その様子を謎の鏡で見ているラック。その鏡は、さっき召喚していた物で、遠距離から見たい物が見れるらしい。


ちなみに私はいまだに脇に抱えられたままだ。

 ラックは、お前はバカだから落ちると言っていた。あながち、間違ってはいないかも知れない。


「うわっ!!!」

私の顔のすぐ真横を、火の塊らしきものが通った。前を見ると、それが複数個飛んでくる。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!

来るぅぅぅうぅぅぅうぅぅぅう!」


私が叫びまくっていたのがうるさかったのか、ラックは私の頭をペチンと叩いた。

 そして、向かってくる火の塊の方へ手の平を向けた。 

 手の平の前には、無数の赤い魔法陣が現れる。


「ポンポンポンォ~ン」

まるで、ポップコーンが飛び出す時のように、魔法陣から次々と同じような火の塊が出る。

 その火の塊は、向かってきた火の塊に当たり、消滅する。


当たるたびに、ジュっという音がなった。


「ふぅ~。」

ラックは、手を下ろした。だが、その時だった。


「全員、放てーーー!!!」

小さくてよく見えなかったが、遠くの方に同じようなドラゴンに乗った騎士達が数十人見える。

皆、手をかざし、先程の火の塊や、水色の塊…水の塊を飛ばして来た。速度はバラバラで、この量はラックも受け切れないかも知れない。


「おい、お前。」

ラックが私の方に目線を下げて言う。


「ドラゴンの頭の方に捕まってなさい。」

え、でもどうやって。と言おうとした私は、すでにラックの脇に抱えられてはいなかった。


 目の前にはドラゴンの頭がある。間近で見ると、凄い迫力だった。フラフラする脚に気付いて、慌てて私はドラゴンの首に寝そべるように捕まった。


 背中の痛みはなぜか前から無くなっていた。


後ろを向き、ラックを見た。多分、このドラゴンの頭に私を召喚したのだろう。


ラックは両手の平を向かってくる魔法に向けた。二つの虹色の巨大魔法陣が展開を始める。


「いっけぇぇぇえ!!ラックぅぅぅう!!」

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