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戦闘の開始と終了、そして宿屋周り

今回、戦闘は長くありません。

「――いまだ!やれ!」

炎の玉(ファイヤーボール)!」

水の鞭(ウォーターウィップ)!」

炎の玉(ファイヤーボール)!」

雷の矢(ライトニングアロー)!」


リーダー格の掛け声がかかり、男たちの攻撃で狭い路地での戦闘が始まった。

雷・炎×2・水!その迫りくる攻撃を―――


「は! 水走(ミズハノメ)!」


雷を避けて、何かを叫んだと思ったら―――水の壁が現れて、炎を吸収してしまった。

そして、迫りくる水の鞭は勢いを殺され、狙いが逸れて消滅してしまった!


水蛇(ミヅチ)!」


―――そしてすかさず、カミナは攻撃を仕掛ける! 水の壁だったものが、蛇に姿を変えて男たちに牙を剥いた!


「土と木の壁を作れ!」

「「土の壁(サンドウォール)!」」

「「木の壁(ウッドウォール)!」」


男たちの魔法によって水の蛇は行く手を阻まれるが―――それは敵に防御させる布石であった。


破魔矢(ツラヌキ)!」


土の壁(サンドウォール)木の壁(ウッドウォール)の陰に隠れ―――敵の視界から、水の蛇と共に接近していたカミナは、壁の前で跳躍し光の矢を放った!

リーダー格を狙った攻撃―――だが、それは掠りはしたものの、避けられてしまう。


「く、さすがにつええなおい」

「・・・ただのゴロツキじゃないな、あんた。その動きは、熟練の戦士の動きだ」

「いや、お前に言われてもな・・・この人数差で俺たち相手に圧倒してるとか、化けもんだな、お前」


何やら話はじめたが、話している最中も両者ともに敵を警戒しいてる。


―――えー? 何これー? どこがベルセルクなの? 素人目に見ても凄い理性的なんだけど?


「ふー・・・予定が狂った。こりゃあ、退散した方が良さそうだ」

「ふーん、逃げるんだ」

「挑発してくれんなよ・・・乗りたくなるだろ?」

「乗れば良いのに」

「俺もそうしたいんだがな―――俺にも立場ってもんが有るんだ、よ!土煙(ダスト)!」


敵のリーダー格の男がそう言うと、煙幕が立ち昇り・・・



―――晴れた時には、地面に倒れていた男も居なくなっていた。


「・・・うん、行ったみたいだね」


見てるだけでもすごく疲れた・・・


「まぁ、また狙ってくるだろうけどね」

「え? なんで?」

「そりゃ、ああいう連中が諦めるとは思えないし、あっちも仕事みたいだし」


・・・仕事? 


「・・・まさか自分が狙われているって、気づいてないの? あんたが今回襲われたのは、偶然じゃない。

リーダーの彼が言っていただろ? 『これも仕事なんでね』って」

「うん、言ってたけど。だってあの人達って人を襲って生活してるんでしょ?」

「いやまあ、確かにそうなんだけど・・・それは仕事って言わないだろ」

「え? まあ言わない、かな?」

「・・・例えば、盗賊が盗みを働いた時に『これは仕事なんだ』なんていうわけないだろ?言うとしたら、『これは生活の為なんだ〜』とか『生きるために仕方なく〜』だろ態々仕事なんて言う奴は居ないぞ」

「あ、確かに! 戦闘開始時に『戦闘を開始しましょう』とか言ったら変ですよね!」

「・・・それは少し違うが、まあいいや。それに根拠はそれだけじゃない」


え? まだ他にもあるの?


「ああ、こっちは分からなくても仕方ないが―――奴ら、訓練されているものの動きだった」

「そういえば、何か戦闘中にも言ってたね」

「ああ、初めの1撃は様子見だったんだろう、ある程度雑に――だが、攻撃する人数や規模は的確だったし、連携もしっかりとれていた」

「あー、確かに。考えてみると狭い路地で何人かが同時に攻撃して、さらに味方の攻撃に当たらないようにするのって難しいかも」

「・・・ああ、それに俺の水蛇(ミヅチ)の攻撃にも土・木の双方で対応してきた。訓練したことがような、冒険者崩れの奴でも対処できるが、それにしてもゴロツキにしては、連携が取れ過ぎていた。何しろリーダーの支持の意味を、全員が理解して行動していたようにみえる。統制もしっかりとれていた。あれは易々とできるものじゃない。」

「えっと、要するに・・・どういうこと?」

「・・・そんな連中が、偶々狙ってきたと思うか?あいつ等もそうだが・・・あんた、何者だよ?」

「あ、あははは、恨まれるようなことはしてないはずなんだけどな〜・・・・」


心当たりがあるとしたら自分が異世界の人間だということくらいだけど―――


「―――まあ、それはいい。で?」


私が考え込んでいると、カミナが何か聞いてきた。


「で、ってなに?」

「だから、後悔したかって聞いてんだよ?」

「?何の話?」

「だ・か・ら!俺があいつらに勝てないって言ったこと後悔したかって聞いてんだよ!?」

「・・・あ〜、そういうこと。―――後悔してないよ」

「あ?」

「だって―――そのおかげで助かったし」


それを聞いてどう思ったのか、カミナは複雑そうな表情を浮かべた

『―――別に言わなくても助けたっての』って横顔に書いている様に、私には見えた。


「―――うん、宿屋もう開いて無いし、今日もここでいいか」

「ん?何が?」

「寝る場所だよ、じゃ、おやすみ」

「―――え?・・・えー!?」


―――ということで本当に、一晩この場所で寝ました・・・いや、あんまり寝れなかったですけどね?


「・・・カミナ、もう起きた?」

「・・・」


―――完全に寝ているようだ。ちょっとカミナについて考えてみよう。


昨日は暗くて見えなかったが、今見てみると結構可愛い顔をしている。


(寝顔がすごく可愛い・・・)


・・・そういえば、この子私の恩人なんだよね

―――やばい、そう思うと顔が熱くなってきた! 心臓の音が五月蠅い! 少し黙ってろ!

昨日のことを思い出してみなよ! この子、普通じゃないよ?


―――うん、昨日のこと思い出したら少し落ち着いてきた。


何か態度がアレだったから気にならなかったけど、この子命の恩人なんだよね。

普通だったら惚れてもおかしくない状況だった。


「うーん・・・」


あ、カミナが起きたみたいだ。


「・・・あれ? えっと、あんただれ?」


―――うん、やっぱりないわ、こいつに惚れるとか


「・・・なんか失礼なこと考えてそう。まぁ、いいや、宿屋にチェックインだけでもしに行こうか?」

「はあ、覚えてるじゃない」

「当たり前でしょ?まだ一日も経って無いのに、忘れる方がおかしいよ?」

「あぁ、はいはい」

「んー?何か適当・・・何かあった?」

「別に、あんまり寝れなかっただけ。宿屋って何処がいいの? 追い出されたとこ?」

「・・・追い出されてない所なんてないと思うよ?」

「ソッカー、じゃあ比較的許してくれそうなとこにしよう」

「分かった。じゃあ、安らぎの子ヤギ亭かな?」

「何か、絞られた挙句に、寝てる間に出荷されそう」

「結構料金高めだし、ずっと滞納してたらそうなるかもね?」

「・・・ありそうだから止めて」

「いや、冗談だよ? いい所だよ。料理も美味しいし、ベットもフカフカだし」

「じゃあそこでいいか」


―――と、いうわけで、安らぎの子ヤギ亭に来たわけですが、


「・・・」


現在、店員に嫌な顔をされています。・・・何をしたの、ほんとに


「あの部屋に泊まりたいんですが―――」

「現在、カミナ様の宿泊は禁止となっております」

「「・・・」」


うん、個人名で泊りのが禁止、と・・・


「ねぇ? 何をしたらこうなるの?」

「あはは、いや〜」


これは別の宿でもだめかな・・・



―――やはり、別の宿でもダメだった。もはや、噂1人歩きっしているのか、

凄い噂が広まってる。あれを聞いて泊めようという者はそうそう居ないだろう。


「ねえ、どうするの?まだ宿の当ては有る?」

「・・・一応あるには有る、けど―――」

「けど?」

「・・・気は進まない」

「選ぶ余裕なんて無いでしょ?」

「・・・そうだね、宿自体は悪くないから、良いんだけど」

「ならなんで気が進まないの?料金が高いとか?」

「・・・いや、料金は比較的安い方だと思うけど」

「・・・煮えたぎらないなぁ、何が問題なの?」

「・・・店員が苦手なタイプなんだよ」

「へえー、あんたでも苦手な人って居るんだ?」

「話が通じない人が得意なんて人は居ないと思う・・・」

「ん? どういうこと?」

「・・・見たら解ると思う」


―――で、付いたのが、


「安らぎの子ネコ亭?」


何か似たような名前ばっかりだよね、この町の宿屋・・・


「じゃあ、入ろっか?」

「うん、気は進まないけど」

「こんにちはー、部屋を取りたいんですが、空いてます?」

「はい、何人部屋を―――」


と、店員さんがカミナに気づいたらしく―――


(こりゃここもダメみたいだね、店員さん唖然としてるし)


と、諦めようとしたが、


「カミナちゃん!来てくれたのね!」

「・・・ええ、まあ」

「そっかそっか、私に会いに来てくれたんだ!で、あの服を着てくれる気になった?」

「いえ、女物の服は、ちょっと・・・」

「まあ、それは別にいいわ!だってついにカミナちゃんが来てくれたんですもの!」


うわ、話長くなりそうだし速めに部屋入ろ。


「あの! 1人部屋2つ取りたいのですが、空いてますか?」

「あら? あらあら? もしかして、カミナちゃんの恋人かしら?」

「いえ、違います」

「あらあら、そんな照れなくてもいいのよ? 分かってるから!」


―――絶対わかって無いよこの人・・・そして、話を聞かない!


「・・・ね? 話が通じないでしょ?」

「確かに聞いてくれないね・・・」

「で、2人部屋1つで良いのね?」

「「1人部屋2つで!」」

「あらあら、2人して照れちゃって〜」

「「照れてません!」」

「あらまた! 息もぴったりでいいわね〜分かったわ、1人部屋2つね」


とりあえず、部屋は取れたわけだけど・・・


「・・・疲れた」

「・・・同じく」


寝床は確保したし、ギルドにでも顔出そうかな?


・・・あ、でも眠たくなってきた。昨日はあまり寝れなかったし、起きたらギルドに顔出そう。


「ちょっと寝てるから、別行動してて・・・起きたらギルド行くから」


カミナに起きた後のことを伝え、自分の宿部屋で眠りに落ちるのであった。







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