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幕間1

 ―――気が付いたとき少女は大きな城の一室で眠らされていた。

 理解をするなどできない。先ほどまで帰路についていたはずが……。ぼんやりとした頭を無理やり働かせて状況を考える。そしてここが全くわけのわからない場所だと気付き、そこでようやくパニックが来る。

どうしてここに?誘拐?なんなの?

 きょろきょろと辺りを見渡し脱出を試みようとするが、それを実際に行うよりも早く重圧な鉄の扉が開かれる。そこから現れた、いかにも小物臭い巾着袋から聞かされた話によると、自分は異世界に召喚をされたらしい、勇者として。

 そんなことを言われても自分に力などないと主張するがそれは即座に否定される。そして渡された剣―――レイピアと共に破れかぶれと振るうと、自分が思い描くように踊る。

 そしてとてもこの世のものとは思えない摩訶不思議な力をもちいれることが判明する。

 影渡りの一人歩きドッペルゲンガーを用いて分身を作り出したり、法力を用いての自身強化、及び体力等の回復。

 そして言い渡された任務はこの世に混沌を呼び起こさせようとする魔王、ファニー・エル・ブレーズの暗殺。

 自分はできないと主張しても有り余る力がそれを否定させる。なによりそれを行わなければ自分は元の世界に戻れないという。

 なけなしの金と防具、武器、知識を持たされ彼女は一人旅立たされる。魔王討伐の勇者として。

 どうして、どうして!魔王は今までの全てを覆し人々を殺そうとしているらしい。だけど、それがなんで別の世界の自分が救わなければいけないのか。魔王め!

 道中現れる凶暴な獣や魔物。そいつらをレイピアや魔法で退けながら叫ぶ。

「どうして、こうなるのよぉ。助けてよ、健也!!」

 彼女―――花菱はなびしほたるの頬に血がついた。

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