表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小鳥遊彰の自伝  作者: 白い茶碗
1/1

当日に突然

私がこのサイトで初めて書く小説です。このサイトで皆さんの小説を拝見して自分もこんな素晴らしい小説描いてみたいと思いましたがなかなか投稿する機会がありませんでした。

昭和60年春もまだ浅い頃、東京都練馬区に住む小説家小鳥遊彰は原稿を書き終え自室で休息を取っていた。85歳の高齢だった。今年で彼はデビュー70年目を迎える。デビュー70周年記念パーティーを、明日一族・マネージャー・出版社関係者一同で開催されることになっていた。しかし、彰自身は浮かない様子だった。「誰もこんな大それたことしてくれなんて頼んだ覚えはないのに」その翌朝、早く彰は立ち上がり、自室を飛び出しどこへともなく出かけて行った。その30分後、家族は彰がまだ寝ているものと思いおこしに自室に向かったが布団の中はもぬけの殻だった。そして小鳥遊家は大騒動になった。彰の長男で同じく小説家を務める宏樹は主催の出版社「海堂社」に連絡し、父が体調不良なのでパーティーを延期して頂けませんかに要請していた。しかし先方からは今更、困りますと言われ、議論の末、彰抜きで今日パーティーを開始しようという曖昧な結果となった。彰の娘婿の典人は「お義兄さん、あちら様は本当にパーティーをなさると仰るんですか。やっぱりお義父さんはパーティーがお嫌で出ておいでになったんですかね?」「今更それはないだろう。親父に反対される理由なんてないはずだ」

一方、彰の自室では彰の妻の薫、長女の裕奈、宏樹の妻・信子が手がかりを探していた。「あの人の仕事部屋には昔から最低限のことでもない限り、足を踏み入れないようにしてるんだけどねえ…、今更私がここに入ったって手がかりなんて掴めるかどうか…」「私だっていつも締切間近のお舅(とう)さんには腫れ物に触るように接してるんですもの同じことですわ」薫と信子が口々に言う。裕奈は信子の方を見て「この家の改築費用の半分は信子さんの実家から出してもらったのよね、父さんはそういうこと気に病んでうち出たのかもしれないわよ」と言った。「また私を悪者になさるんですか!?」と気分を害した信子は彰の自室を出た。するとそこへ高校1年生になる宏樹の孫で彰の曾孫の司が「彰おじいちゃんが行方不明になったってほんと!?」と駆け込んできた。裕奈が「あ、司ちゃん、アンタはおじいちゃんから何か聞いてなかった!?おじいちゃん、アンタのこと一番可愛がってるからアンタには何か話してるはずよ」「ううん、僕も何も聞いてないけど」「信子さんがああいう女(ひと)でしょ、自分の実家が小鳥遊に注ぎ込んでる気があるから」裕奈はそう言うと彰の自室を去った。司は薫に「薫おばあちゃん、俺パーティー欠席するから。10万円ほど貸してくれない?」薫は「そんなお金どうするの?」と聞いたかと思うと「ああ、そういうことね」と悟ったように言った。彰が何を考えてどこへ行ったのかは司も分からない。しかし司は金を使ってでも彰の居場所を知り、彰の胸の内が知りたかった。

よろしければご感想お願い致します。どうぞ今後もよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ