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死体探偵カゼイロ

 私の名前は滝畑風色(たきはたかぜいろ)。人呼んで、死体探偵カゼイロ。私にはちょっとした特殊能力と言うか、特殊技能がある。私は死体と会話が出来る。厳密に言えば、私は霊魂と話が出来ると言う事。

 私はこの能力を使って多くの事件の犯人を暴いて来た。当たり前だ。私は死者と会話が出来るつまり、私は被害者しか知らないような情報を知っていると言う事。例えば死者の中には犯人が誰かを語ってくれる人も居るし、有力な情報も手に入る。盗難事件とかでも近くに地縛霊として住んでいる私だけの現地住民さん達からも情報はいただいていますし。

 私は多くの事件を解決して来た。



 この日も私は事件を解くために死体を見ていた。被害者である死体の名前は、泉春日(いずみかすが)さん。どっちも苗字でも名前でも使えるような名前の42歳の会社員さんです。

ただの冴えない会社員みたいな風貌でこんな形でなかったら私も(えん)(ゆかり)もないような人でしょうが、私は探偵なのでどんな人間だろうと事件は解かないといけません。



 今日も私は事件を解きます。まずは早速、死体の声を聞いてみましょう。



『……』



 可笑しいですね。いつもならとっくに霊魂が身体から抜けきっているはずなのに。例え生命と身体をさ迷っている時だとしても、ちょっととは言え霊魂は出ているはずなのに。それなのに霊魂も無いなんて……。どうなっているんでしょうか、これは?



 ペシペシと私は身体を叩く。それでも霊魂は出てきません。

 ガシガシと私は腕を叩きつける。それでも霊魂は出てきません。

 ドシドシと私は足を叩きます。それでも霊魂は出てきません。



 なんと言う事でしょう。返事がありません。ただの屍ではないようです!

 ど、どうしましょう。何とかしないと……。



 ……あっ! そうだ! ちゃんとした方法があります!






『……あれ? ここは?』



 良かった。

 返事がある。ただの屍のようです。

 これで推理が出来ます。探偵の出番です。



 翌日。

 泉春日殺人容疑で、私は捕まってしまいました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 良い意味で全てを裏切られたオチだったよ。 やはり、発想がぶっ飛んでいるな。 これうまくやったら面白そうだ。
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