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〜妖精たちの聖譚曲(オラトリオ)〜

再び足を踏み入れた部屋はさらに歪んでいた。



「みんな、それぞれの宝玉のところに!」


リィミルに言われて、シルベは赤、サーファスは青、イズは黄、あたしは緑の宝玉へとそれぞれ四隅に立つ。


「手を添えて、リィに続いて縁唱して!途中からはわかると思うから!」



「光よ、炎よ、水よ、土よ、風よ、我の呼びかけに応えよ。」





「「「「光よ、炎よ、水よ、土よ、風よ、我の呼びかけに応えよ。」」」」




「この地とこの宝玉とこの力を介しここに契約を誓う。」


「炎を介し我、結ぶ。この剣にかけ契約することを。」


「水を介し我、結ぶ。この槍にかけ契約することを。」


「土を介し我、結ぶ。この盾にかけ契約することを。」


「風を介し我、結ぶ。この弓にかけ契約することを。」




手の中にはそれぞれの武器があり、それぞれの色に輝く。




「「「「「5つの力 今、ここに!!!」」」」」



一面の輝きが引くとそこにあらわれたのは白と黒の2つの宝玉だった。






「これは…」

「俺とリィミルのぶんってことだろ。」

どこからともなく入ってきたキーチ。

キーチのその答えはきっと正解だけど、それはあたしたちにキーチをもとに戻す手段はないと言われているということで、それどころかキーチがいないと救えないということを言われているということで…



「ごめんね、キーチ。」

「大丈夫だよ、リィミル。きっと俺の願いが通じたんだよ、リィミルと離れたくないって願いが…」

2人の目からは静かに涙は流れているものの嘘は感じられない。



「「光よ、闇よ、その対極に別れし2つの力、我らが契約し融和させん。」」





次に見た光景は太陽を思い起こせる杖を持つリィミルと月を思い起こせる両手剣を持つキーチだった。




「行こう。」


リィミルの声が静かに響く。


「大丈夫、レシェナのことは俺が護るから。」

あたしが魔物を怖がっていたのをわかったのだろうか。

「ありがとう、シルベ。ならシルベのことはあたしがサポートするから!」




外に出てみるとやっぱり現状はひどく、さっきリィミルが作った膜も崩れそうだった。

けど、今のあたしたちには力がある。



「火炎斬!!」

シルベの剣舞。

「水龍波!!」

サーファスの槍と龍の一撃。

「土厳壁!!」

イズの効果的な攻撃の起点となる壁。

「風來葉!!」

あたしの援護射撃。

「影伐切!!」

キーチの重い一振。



面白いように決まる。





「次で決めるよ。」



魔物たちがひるんだところであたしたちはリィミルのまわりに集まる。

知らないはずの縁唱が頭に流れこんできた。

それはみんなも同じようで、目を見合わせてうなづいた。






「「「「「「光が瞬き、炎が揺れ、水が流れ、土が固まり、風が吹き、闇が降りる。6つの力、合わさりて6つの力調和する。さぁ、我らの如く融和せん!!!」」」」」」



暖かい光に包まれ奏でられている曲。

その曲に促されるかのように魔物たちは大人しくなっていった。



「この曲、聖譚曲(オラトリオ)…」

「知っているのか?」



うん、音は風を通じて伝わる。ゆえに風の妖精たちに音楽は親しいもの。



「Lalala...」



この世界の平和が永久に続きますように。


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