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~炎との出会い~

ーさて、どうしようかな…


とりあえず、歩かなくちゃどうにもならないと思い位置測定の魔法でいちばん近くにいるであろう妖精の反応を追ってあるってきた、が目の前にいるのは残念ながら大きな魔物。


「森のなかの魔物は強いって聞いたけど…」

まさか、ここまでとは…

結界で攻撃こそ当たらないもののの、そのあとがどうにもならない。

苦手だけど、攻撃魔法を使うしかないかな…


ザシュッ


「えっ?」

目の前に赤い塊が横切ったと思うと目の前の魔物は大きく叫んだかと思うと真っ二つになりたくさんの光の粒となり四散した。


…赤い塊?


「あ、」

よく目を凝らして見るとそれは赤い塊ではなく、妖精。

「炎の妖精…」

他の種族の妖精と関わる機会はないわけじゃないけどウィンディアとは領地が離れているため知っているのは話だけだ。


あたしたちの世界は迷宮の森を囲むように風、水、土、炎がある。そのなかであたしが見たことがあるのはとなりにある水の種族だけ。

初めて見た炎の種族:ファイアリアは紅い瞳と髪をもつあたしと同じくらいの男の子だった。


じっと目があった瞬間、時間が止まった気さえした。あの紅い瞳に…


沈黙を破ったのは向こうだった。

「大丈夫か?」

はっと気づくと目の前にはその男の子の姿があった。

「あ、大丈夫です!ありがとうございました。あたし、ウィンディアの代表のレシェナです。」

あわてて頭を下げる。

「ファイアリアの代表のシルベだ。」

シルベはさっきまで使っていた長剣を背中に戻すと再びあたしに向き直った。

「とりあえず、どこかでこのれからどうするか考えるか。」



近くに大きめな木を見つけそのまわりにあたしが結界をはってやっと気を抜くことができた。

「あの、シルベがさっき使ったのって…」

「あぁ、知ってると思うけど武器魔法。この剣に魔力をまとわせる魔法だな。」

武器魔法、それはファイアリアが得意とする魔法…


「いいなぁ、あたしも使いたいっ!」

あー、けどあたし剣使えないからなぁ…あ、飛び道具系でもできるかな?

あ…ふっと気づくとシルベは面食らったらしくぽかんとしていた。

「ごめんね、あたし変だよね?魔法のことになるととまらなくて…」

おかげで代表に選ばれたんだけど…

そしたらシルベは吹き出すように笑いだして

「いや、領主には聞いてたけど予想以上だった。けど、いいんじゃないか?魔法が好きならそれはそれで…」

あとに小さな声で、俺も剣好きだし…と付け足した。


「さって、どっち方向に行く?」

しばらくして、少しずつ打ち解けてきたころにシルベがいった。

そうだ、このまま2人でおしゃべりしてる場合じゃなかった。…残り、2人と合流してティターニアに会わないと。


「ちょっと待って。」

ー風よ、力を司る者として命じる。我の望みし者への道を示せ。


あたしの風が緑に光り、足元に紋様があらわれるとともに風の声が聞こえる。

「やっぱりだ…」

「今のって位置測定の…」

そう、さっき使ったのは位置測定の魔法。いつもなら縁唱ー風への問いかけを口にしなくてもかなり正確にできるんだけど...

「ここ、位置測定の魔法の効き目が悪い...」

最初に使ったときは結界はいつも通りだったから気のせいだと思ったんだけど、縁唱しても変わらないとすると...

「森に妨害されてる...?」

どうしよう、捜索範囲が狭くて反応が入らない…


「まぁ、なら仕方ないだろうしとりあえず適当に行くか。」

うん、そうだよね?ひとりじゃないから大丈夫だよね?



ガサッ



「えっ?」

物音のほうへ振り向くとそこにいたのはさっきの魔物と同じ姿の魔物が2体。

「…さっきの断末魔だと思った鳴き声は仲間を呼んだのか。」


2体って。今までフェリーエリアに出たのは1体ずつ…さっきの魔物も充分強かったのに。


「俺がやるから、援護頼む」

「うん」

そうだよね、2人なんだから大丈夫。


ー戒めの枷

魔物たちの動きが止まる。そして、となりではシルベの剣に炎がまとわれる。


そこからのシルベの舞うような剣技は次々と魔物たちにダメージを与えていた。

「やった!」

ついに片方が四散し、残り1体。

「くっ」

魔物の一撃がシルベを襲った。とっさにシルベを風で受け止める。

ー風よ、刃となり彼のものを切り裂け


ふっと風が吹くと魔物に大きなダメージが与えられた。けど、魔物はまだ…

「えっ」

どうしよう、魔物の標的あたしになってる。しかも慣れない攻撃魔法使ってるせいでコントロールが…


ザンッ


それはシルベがはなった剣の音。

キラキラと輝く破片を散らし、魔物はいなくなった。



「さっきはありがとう。あの魔法、すごいな。」

まだ、呆然としているあたしにかけられた声と笑顔は子供っぽくて、でもなんかどきっとした。


あたしも口元に笑みをうかべて

「ありがとう。」

って言えた。


そしたら、シルベはびっくりした顔してた。

そして、行こうかって。



2人になったあたしたちは残りの仲間を探す。

あと2人…



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