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『左遷先が神域でした。』 ~地方公務員、淡路島へ。神話夫婦のやりなおしが、私の「業務」になりました~  作者: 梛良次郎衛門八房
第一章: ウチは日本一不幸な都会を夢見る地方公務員やねん、と思ってたら、ケッタイなことに巻き込まれる。
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第4話 光の中から美少女が!?異界の神社にお邪魔します!

「ふあぁ・・・もう朝か・・・」昨夜はあまりよく寝れんかった。

 田島がキャミソール一枚でわたしに引っ付いて来て寝にくいのもあったけど、どうも昨日のお爺ちゃんのことが気になって寝付けなかった。


 もっとも、田島に言わせるとガーガーいびきかいて寝てたらしい。寝言いいながらパンチされたとも言っていた。

「だから、動かないように腕を抑えてたんだよ!」

 そんなん知らんし、と思いながら朝飯の用意をしようとしてあることに気づく。


「あ、飯炊くん忘れた。」

 昨日のマナガツオは半身を粕漬けにしてあるけど、肝心のご飯的なものがない。ラーメンは食べてもうたし。


「え?なになに、どうしたの?」

「いや、飯炊くん忘れてたって思て。」

「買いに行きゃ良いじゃん?マルナカすぐそこだし。」

 まぁしゃない。わたしらは着替えてマルナカに買い出しに行くことにした。

 今日は休みやし、別に慌てんでええやろ。


 スーパーマルナカは9時から開いてて、わたしらはパンを買うことにした。

「ねーねー、あーしサンドイッチ食べたーい!」

「ん?そうなん?ほなサンドイッチとウチはカレーパンで…」


「ちがうよー!夏菜が作ったサンドイッチが食べたいのー!」

 おいおい、なんで土曜日の朝っぱらからそんなめんどいことせなアカンねん。それやったら飯炊いて味噌汁作ってるちゅうねん。


「あんなぁ、サンドイッチ作んのんて案外手間なんやで?アンタ自分で作りーや!」

 しかしそう言うと、田島は半べそをかく。もちろんウソ泣きやけど。


「夏菜はイジワルだよぉ…あーしが料理苦手なの知ってるのにぃ…」

「田島ぁ…アンタ婿もろたらどないすんねん?あたし飯よう作りません、て言うんかいな?ちょっとは練習せなあかんやろ?」

「じゃあ夏菜が教えてよ〜」と言いながら田島はまたしてもわたしの腕に縋りついてくる。


 そんな感じで田島のワガママに対処していると、なんと昨日のお爺さんがおった!わたしは急いで声をかける。

「お爺ちゃん!昨日どこ行ったんな!ウチらめっちゃ探してんで!」


 お爺ちゃんは首を傾げて不思議そうな顔をしたが、何かに気づいたようにポンと手を打つと、

「すまんすまん、アンタらが入れんことを忘れておった。」と言った。

 入れん?何それ?


 とりあえず、おにぎりとか菓子パンだけ買うと、田島の車でもう一回お爺ちゃんの家に行くことにする。

「今日は置いてきぼりにせんといてや!」

 て言いつつ、お爺ちゃんの言う通りに行くと、やっぱり昨日と同じおのころ島神社の大鳥居の前についた。


「ここがワシのウチじゃ。もう何年も掃除もできておらんでのう。子供らも何かと家計が火の車で会いにも来てくれんで…」

 アレ?せやけど宮司さんは、知らんって言うてたやんな?


 わたしが不思議に思ってると、お爺ちゃんは柏手を一つ打った。

 すると光る茅の輪が現れて、その向こうには光り輝く神社の境内が…

「え!?何っ!?」わたしらがビックリして固まってると、茅の輪の向こうから二人の女性がやって来た。


 一人は、ちょっと気の強そうな超―――!!美少女。もう一人はすっごく!!優しそうな、やっぱり美人のお姉さんやった。しかも、なんか二人とも体の周りが光ってる。

 二人はエプロン姿で、お玉としゃもじを持っていた。


「ちょっと!お父さんどこ行ってたの!もーいつも碌なもの食べてないからご飯作ろうと思って来たのに!」


 気の強そうな美少女がすごい剣幕で詰め寄るので、お爺ちゃんはオロオロと言い訳をした。

「いや…せっかくお前たちが来たんじゃから、地元の美味い魚でも食わせたいなと思って…」

 お爺ちゃんがスーパーのビニール袋を差し出すと、中はアジの干物やった。いや、アジは地元ちゃうで?


「もう…こげなことしぇんでもええんだわ…旬の魚も知らんのに…お義父さんはのんびり朝の連続ドラマでも見て待っちょってくれたらええんです。」

 今度は優しそうなお姉さんがビニール袋を受け取りながらお爺ちゃんを諭す。


 二人はどうもお爺ちゃんの娘と、息子の奥さんみたいやった。えらい年の離れた姉妹やな。

 なんや、家族おるんやん、これで一安心…なわけないやろ!この光る輪っかはなんやねん!?


「あ、あのー…このお爺ちゃんのご家族の方ですか?わたしらは淡路県民局のもので…」そういうと、気の強そうな美少女が上から下までわたしをジロジロみた。


「県民局?県庁の方って…そんなジャージ姿なの?あなたたち、よくある詐欺じゃないでしょうね?そっちの子はギャルみたいだし…」

 しまった、パン買うだけのつもりやったから、わたしはジャージ、田島はキャミソと短パンだけや。


「あ!いえその!今日はたまたま会うたんですが、洲本まで来てはって、心配やから送って来たんです!」


「洲本?どう言うことかいね?」こんどは優しそうなお姉さんの方がじっと見てくる。

 あかん、このお姉さんパッと見優しそうやけど、たぶんこっちの方が怒ったら怖い。


 わたしがお姉さんの気迫にビビってると、田島がパッと前に出て来て頭を下げる。

「このような服装で申し訳ございません。実は私、県民局でお年寄りの見守りなど支援を担当している田島と申します。実は、洲本で夜間に徘徊行動をされているお年寄りがいるようだ、との情報がありまして。

 昨夜、マルナカ洲本店でお父様を発見、保護しこちらにお送りしたのですが、急にお姿を見失ってしまいまして…」

 スラスラと公務員言葉で返し、名刺を出す田島をみて、二人はあらっと言って警戒を解いた。


「まぁ…嘘ではないみたいね。良いでしょう、どうぞ上がって下さいな。ちょうど朝ごはんにしようと思っていたところだし。イナちゃん、この子達にもご飯としじみ汁よそってあげてくれる?わたしはお父さんの足を洗ってくるから…なによも〜砂だらけじゃない…」

そういうと、超美少女はお爺ちゃんを連れてどこかに連れていった。


「お義姉さん、ええの?人間を常世に入れてしまーて…しかも神饌を食わしぇるのはちょっこし…」

「大丈夫よ、今の子たちにはそんな感応力なんてないんだから。せいぜい2、3日ラッキーが続く程度でしょ?」


 え?なに?この優しそうなお姉さんの方が義妹なん?美少女はじつはああ見えてそこそこ歳なんやろか?それはともかく、お姉さんはわたしたちを茅の輪の中に入れてくれた。


ここまで一気読みしてくださり、ありがとうございます! ついに現れた「光る茅の輪」と、その向こうにいた美少女……。 物語はいよいよここから、神域の奥深くへと進んでいきます!


次回、第5話は【明日(11/26) 19:00】に更新予定です。 次は飯テロ回!? 神様が作る「絶品朝ごはん」が登場します。お楽しみに!


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