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第34話: 石清水の戦い 後編 ~くらえ神の力!必殺剣でぶっ飛ばせ!(剣術解説も理沙ちゃんにお任せですわ!)

「お理沙さん・・・こいつぁ一体(いってぇ)・・・」ふりむくと、永倉様(ガム新)と沖田様、半次郎様もうずくまっているわ!一体何が!?


「いよいよ・・・人間どもはやったらアカンことを始めよったな・・・」太子様が、嘲笑するような笑みを浮かべる・・・夏菜子さんや、アマテラス様を見る時の暖かな眼差しと全く異なる、冷酷な視線・・・


「太子様、やってはいけないこととは何ですの?」問いかけると、太子様は私がいたことに少し驚き、苦笑する。あ、いつもの優しい太子様ね・・・

「おぉ、理沙ちゃん、おったんか。驚かして済まんかったな・・・まぁアレや。ワシらの許しなく上位領域に干渉することは、仏の法理への挑戦ちゅうことやな・・・さて、どないしてお灸をすえんのがええんやろうなぁ・・・」

太子様は、ふたたび冷酷な微笑みを浮かべると、八幡宮の北に位置する人間たちのトラックに視線を移した・・・


これは?ひょっとして、護良(もりなが)様たちが苦しんでいるのは、あのトラックが原因ということ?

そう言えば、夏菜子さんが「アンテナが積んである」って言っていたわね?


そこに、美紗さんが飛び込んで来た!

「太子のおじさん!大変だよ!アレ君からLINEが!」


「お?おぉ美紗ちゃん…ひょっとしてアレけ?敵が妨害電波出してる、みたいなヤツか?」

「あ、アレ?おじさん平気なの…?あ!ガム新さん!沖田さん!半次郎さんも!」

美紗さんは、慌てて永倉様たちに駆け寄ったけれども、太子様が平然としていることにむしろ驚いている…そう言えば、何故なのかしら?それよりも、アレクセイさんからの通信って?


「アレ君がさ、京都の石清水八幡宮一体に、規則的にスペクトルが変化する強い複合波を検知したって!いま、こっちで何が起きてるか報告してくれって!」

なるほど、コレが護良様たち神兵が苦しんでいる原因ね。


「美紗さん、八幡様やアマテラス様はどうなのかしら?」

「あ!そうだった!」私たちが慌てて陣幕を飛び出すと、本殿の門を出たところで八幡様が倒れている。


「八幡様!」駆け寄って、抱き起こすと、彼女は苦しそうな声で応えた。

「おのれ…人間ども…これしきのことで…」


「ドカッ!グァァーーン!」大きな音に顔を上げると、身長が3m近い人型の兵器が三の鳥居突き崩したところだった。

「あれが、トラックの積荷の正体…強化外骨格、パワードスーツなんて!」


「くっ…くそ…このような痛みさえなければ斯様なデク人形など…」

悔しがる八幡様を抱き起こすけれど、私も震えて立つことが出来ない。

(ど、どうしよう…このままだとアマテラス様も、皆も無事では済まない…)


一歩一歩、敵のパワードスーツが近づき、私と八幡様にライフルを向けたその時!


「チェストォォ!」半次郎様が、力を振り絞って太刀を叩き込む!

ぐらっと傾き、倒れる敵。

しかし、何事もなかったように立ち上がると、またこっちに向かってくる。

「こんままじゃならん! 一旦退()くっど!」 半次郎様は八幡様をおぶって私をだっこすると、本殿に駆け込み門を閉めた!


「門の結界はそげん易々と破らるッもんじゃなかドン、時間の問題じゃ! よ逃げんと!」

しかしそこに、美紗さんとアマテラス様に付き添われて、夏菜子さんがやってくる…その目は、さっきまで少女のように泣き腫らしていたとは思えないほど、怒りに燃えている!


「どうしたの!?夏菜子さん、もう大丈夫なの?」しかし、彼女は力強く首を横に振って否定する。


「みんな…みんな…八幡さんも、護良さんや正成さんも、物部の兵隊さんだって…苦しい思いで戦ってんのに!ゆるせへん!魂を弄びよって!クソバチ当たりや!」

あ、バチ当たりってそう使うのね。


「で、でも夏菜!どうすんだよ!このままじゃ皆んな殺されちゃうかもだよ!」

美紗さんが怯えながら言う言葉を、夏菜子さんは即座に「ちゃう!」と言って否定した!


「なんかよう分からんけど、多分これが()()や!」

夏菜子さんが、しんぺーを起動させて、半次郎様のアイコンをタップすると、膝をついてうずくまる彼の周りを光る五芒星が包んだ!


「神兵召喚!南無半次郎来臨守護急々如律令!」

夏菜子さんが力強く真言を唱えると、白い光が彼を包み、次の瞬間、雄々しい実体を持った半次郎様が現れた!


「なんちゅうこつじゃ!? こいは! 力が漲っちょッ(みなぎっちょっ)!」

四肢が光り輝き、どくどくと脈動する自分自身に驚く半次郎様に、夏菜子さんが告げた!


「半次郎さん!アイツらをしばきたおして!」

夏菜子さんが叫ぶと同時に、激しい銃撃音が響いて本殿の門が吹き飛んだ!

二体のパワードスーツが境内に侵入し、ライフルの銃口を向ける…


「チェストォォォ!」

突然、弾丸のような何かが、一体のパワードスーツに激突し、それが爆散した!?

「半次郎様!」

パワードスーツがバラバラになり炎を上げて燃え盛る中、野太刀を上段に構えた(蜻蛉ですわ!)半次郎様が立っていた。


「すご…何今の?全然見えなかったよ…」田島が目を丸くしていると、永倉様が膝を着きながら言う。


「薬丸自顕流の『切り込み』だ…しかしありゃなんだ?一足で10間以上(約20m)は跳びやがったぜ…」

これが神兵召喚の真の力!?でも戸惑っている場合じゃないわ!

もう一体のパワードスーツが半次郎様に向かって巨大な剣を振り下ろす!


「ガキィィン!」金属がぶつかる甲高い音がして、半次郎様と敵のパワードスーツが微動もせず立ち尽くす。

「ズッ…」鈍い音と共に、パワードスーツの上半身が徐々にズレ落ち、そのままどう、っと横倒しになった。


半次郎様が横薙ぎに振るった太刀が、敵のパワードスーツを一閃した!?


「なんじゃこいは? 出鱈目な威力じゃ……じゃっどん、こいなら永倉さぁも沖田さぁも動けるかもしれん! 理沙さぁ! 美紗さぁ! 二人を召喚してきやんせ!」


「任せて!理沙ちゃん!あーしがガム新さん呼ぶから、理沙ちゃんは総司さんを呼んで!行くよ!神兵召喚!」

「南無ガム新来臨守護急々如律令!」

「南無総司来臨守護急々如律令!」

私たちが真言を唱えると、光が永倉様と沖田様を包み、実体を持った二人が顕現する!


「おおぃ…総司よ、こいつぁ…」永倉様は、自分の腕から光る粒子が迸るのをみて、沖田様に声をかける。

「ええ!永倉さん!これならいけますよ!夏菜子さん、美紗さん、理沙さん!用意は良いですか!?あの人間どものクソみてぇなカラクリをぶっ壊しに行きますよ!」


その言葉に、美紗さんは心配そうに夏菜子さんを見るけれど、彼女は力強く頷いた。

「うん!行こう!あいつらしばきたおしたろやないか!」

夏菜子さん、すっかり元気を取り戻したみたいね!でも、敵のトラックって北の麓の方だけど、どうやって行くのかしら?歩いて?

そう思ってたら、沖田様がいきなり私をお姫様抱っこした!


「え!?ちょっと!沖田様!」

「おい理沙さん、そうジタバタしねぇで下さいよ!このまま跳んで行った方が早ぇんで!」夏菜子さんと美紗さんを見ると、二人もそれぞれ永倉様と半次郎様に抱っこされている!キャーー!ちょっと!それはあんまり・・・!


「よっしゃ!ほな、半次郎さん!バっと跳んでいってガってやったって!行くでっ!」夏菜子さんが合図すると、三人は思いっきり跳躍する!


「キャーーー!!と、飛んでる!空飛んでます!!」私が怖くてしがみついている横で、美紗さんはけらけら笑っていた。

「すごーーっ!!ジェットコースターみたい!ってか、理沙ちゃん、総司さんにしがみつき過ぎ!いくらイケメンだからって!」

「おいおい!二人とも大人しくしてくんな!おっこっちまうだろうが!」永倉様が夏菜子さんを抱っこしながら、一歩、二歩と宙を飛ぶように跳躍していく!あっというまに、私たちは北の麓、石清水八幡宮駅前のケーブルカー乗り場の着いた!


夏菜子さんは、半次郎さんに下ろしてもらうと、ケーブルカー乗り場の駐車場のところにゲートが開いていることを発見する。

「やっぱりな、あんなゴッツイ人形が人目に触れんと登って来れるんはおかしいって思た。あいつら、こっから常世(とこよ)に入って来て、ケーブルカーの道を登って来とるんや・・・田島、理沙ちゃん、見てみ。ゲートの向こう側にさっきの人形とアンテナを積んだトラックがある!アレを壊さなウチらの負けや!ガム新さん!総司さん!半次郎さん!行くで!こっからは現世(うつしよ)での戦いや!準備はええか!」


無言で頷く3人の戦士!私たちがゲートから現世に出ると、こちらに気づいたのか、4体のパワードスーツが迫ってくる!

「総司!オレは左の2体をやる!おまえは右の2体を!遅れんなよ!」永倉様が声を掛けると、沖田様も菊一文字を抜いた!

「あんな木偶(でく)人形おれの三段突きで一瞬ですよ!永倉さんこそとっとと片付けちまってくださいよ!」


「へっ!減らず口を叩きやがる!見せてやらぁ、五加五行の太刀!」永倉様が叫ぶと、背中まで振りかぶった太刀が焔に包まれる!

「神道無念流、永倉新八、参る!」次の瞬間、炎が奔るように永倉さんが一瞬で距離を詰め、真っ赤に輝く太刀がパワードスーツを焼き切り、返す太刀でもう一体を焼き尽くす!


「無念流は相変わらず力技だなぁ!こんなカラクリ、元を絶ちゃあ良いんですよ!」沖田様がそういった瞬間、電光が一閃した!

2体のパワードスーツは、糸が切れたようにばたっと倒れて動かなくなり、その後ろに沖田様の姿があった!

「みたか!これが天然理心流 試衛館、沖田総司の三段突きだ!」


そして・・・無様に動かなくなったパワードスーツを見て、トラックからわらわらと黒服の戦闘員っぽいのが出てきた!

「な!何だ貴様ら!邪魔するなら・・・!」そいつらは、いきなり銃口を向けると発砲してきた!


「え・・・?」しかし、銃弾は全て半次郎様の前で落ち、弾丸が全て真っ二つになっている・・・

「今の『おい』にはそげなもん通じらん! 弾なんぞ止まって見えちょっ! ……夏菜子さぁ、やっしもて(やってしまって)良かか?」

「うん!半次郎さん!あのアンテナの乗ったトラックや!さっきみたいにぶった斬って!」


「承知!薩摩藩、薬丸示現流、中村半次郎推して参る!」

半次郎さんが、野太刀を高々と蜻蛉(とんぼ)に構えて猿叫を上げると、刀身が唸りを上げ周りの大気と大地が震動する!

「きぃぇえええーーー!!チェストォォォーーー!!」

その声と共に、弾丸が解き放たれるように半次郎さんが跳躍し、トラックに叩きつけるように太刀を振り下ろした!


激しい光と、一瞬の後に雷が落ちたような轟音! トラックが爆散した瞬間、空気を震わせていた不快な波動が、プツンと消滅した。 「やった……! 電波が止まったよ!」 美紗さんが歓声を上げる中、そこには腰を抜かしてへたり込む黒服たちがいた。


【石清水の戦い、決着! 三人の剣豪、強すぎ!】


お読みいただきありがとうございます! ついに「石清水の戦い」、物理的な決着がつきました!


今回の見どころ:歴史ファン必見の「剣術無双」

半次郎(示現流): 「チェストォォ!」の一撃必殺。トラックごと叩き斬る破壊力!

永倉新八(神道無念流): 「五加五行の太刀」。炎を纏う力技!

沖田総司(天然理心流): 「三段突き」。目にも止まらぬ神速!


実際の各流派のイメージからの描写です・・・まぁ、火は出ませんが、神道無念流は背中まで太刀を振りかぶって一気に振りぬく!ので、炎を纏ってみました!

理沙ちゃんの解説(と、ふ女子の心)も爆発していましたが、特に、沖田総司にお姫様抱っこされて空を飛ぶシーン……ちょっと理沙ちゃんにもサービスしておこうと思いまして!


そして、夏菜子ちゃんの覚醒、少し前まで、残酷な戦いを目の当たりにして泣いていた彼女でしたが、神様たちの痛みに触れて「許せへん!」と立ち上がる。理屈じゃなく「直感」で真言を唱える姿は、まさに主人公でした。


さて、敵の兵器は破壊しましたが、これで全てが終わったわけではありません。 次回、戦いの後の「宴会」……ではなく、ちょっとした後始末が・・・皆さん、楽しみにしていて下さいね・・・ふふふ。

次回も更新をお楽しみに!

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