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第24話: 疑惑の美紗ちゃんと、ヒルコ兄様がぷるぷるだった件について?

「ちょっと田島・・・あんた神さんやったんか!?いうてくれたらよかったのに!ウチらツレやろ!?」

「え?夏菜ちょっと待って待って!これそういう問題じゃなくね?っつかあーしも知らないし!ウチのパパもママも普通に人間だっての!」

ウチらが言い合いしていると、おっちゃんが間に入ってくる。


「まーまーまー!落ち着け、落ち着け!人間が誰ぞ神さんの血を引いとって時々先祖返りすることくらいたまーにあるから!心配せんでええから!」

「そ、そうだよ美紗ちゃん!心配しなくて良いからね!えーと、道真さん、美紗ちゃんって誰なのかな?わたくし、トヨウケ姉様かと思ったんだけど・・・?ウカノミタマちゃんかな?あ、荼枳尼(だきに)天さんってことはないわよね?稲荷チームも大所帯だから。」

「あ、姫、ちょっと待って下さいよ・・・えーと、あれちゃうかな?トヨウケ様っぽいというか何というか、ほら、穴守稲荷やし。」

三人の神様と仏さまは、田島を囲んで若干パニック状態やったけど、そこに滝沢さんが口を挟んできた。


「菅原先生!ちょっとなに部外者とお話ししているんですか!?一般の観光客の方はお断りですよ!わたし達は日本の神様のルーツを調べに来ているんですから!」

「あ、うん…えーとね、滝沢さん。ちょっとその、言いにくいんやけど、この人らが君が調べている神様と仏様なのね?こちらのおじさんが聖徳太子様で、こちらのお嬢さんが天照大神。そやからねー、僕としてはお二人にあんまり失礼なこと言わんといて欲しいわけ。僕もほら、立場上いろんな方面からやいのやいの言われるから。ね?ね?」

道真さんは、よほどことを荒立てたく無いのか、なんとか滝沢さんを宥めようとするが、当然彼女は食ってかかる。


「んもぅ!あったまきた!先生、ワタシのこと馬鹿にしてるでしょう!ミックスで関東出身だからって!こんなかりゆし着たおじさんと、どうみても茶髪の女子高生が神様のわけないじゃありませんか!いっつもそう!なんか言うこと曖昧だし、何か聞いてもどこかの誰かのご意向で内緒やね〜んとか!知る権利の侵害ですわ!」


「いや、そんなん言われても…いろいろ難しいのよ…石清水とか談山(だんざん)神社とか、石切さんとか。はぁ…」

「なぁなぁ、道真さんが神さんや、ちゅうのは、滝沢さんは知らんの?」

わたしは、さっきからなんでこの二人が普通に話してるんか不思議で聞いてみたけど、滝沢さんは急に怪訝な顔になる。


「何言ってるのあなた、菅原先生は太成学院大学 人間学部の准教授じゃない?宗教や風俗にも詳しいから色々お聞きしているだけであって…」

「え!?道真さん、そんなんもやってるんや!すごいね!さすが学問の神様やん。そやけど、そのサラリーマンみたいなスーツやと神さんかどうか分からへんわ。こないだみたいに怨霊雷神バージョンになったらええやん?」


「いやちょっと…いちおう神様っていうんは秘密なんやから…」

「みちざね、オマエ神域入ってから、秘密もヘチマもないやろ。雷神バージョンはワシらと違うて一瞬で変化できるんやから、この娘に見したれや。」


「ちょっと、あなたたち何わけのわからないことを言ってるんですか…」

「まぁ、しゃあないなぁ…兄さん、責任とって下さいよ…へーんしん!天満大自在天神、出神!なんちゃって…あ、滝沢さん、ちょっと引いた?」

うん、引いてるな。せやけど、なんかビビってへん?


「ば、バケモノ!ひぃっ!やめて!食べないで!Au nom de Jésus-Christ, je t'ordonne, démon, va-t'en !(イエス・キリストの名において命じる、悪魔よ、立ち去れ!)」

「え?なに?この人、いまなんて言ったのかしら?」

とつぜん滝沢さんが十字架を出してよう分からん方言で叫び、姫が不思議そうにそれを見てたけど、道真さんが悲しそうに通訳してくれた。


「キリストはんに言いつけたるさかい、どっかに消えろ、鬼は外!やって。ショックやなぁ…ぼく鬼ちゃうのに…まぁ友達にはおるけど。」

身長3mで体が緑色で、太鼓を担いだ雷神さんがしょげている姿はちょっと面白いけど、とりあえず滝沢さんはなんとなく状況がわかったらしい。


「え?では先生も含めて皆さん神様仏様で、そのアマテラス様が困っているから、小路さんと田島さんはそのお手伝いをされていると…で、田島さんも神様なんですか?」

「ちがうよ!あーしはただのギャルだし!このシッポとかイヌの耳とかワケわかんないし!っていうかさ、この話もうよくない?ウチら結構いそいでんだけど?早くヒルコ様に会いに行こうよ!」

「む!田島さん、どうでも良いってなんですか!神様のルーツを調べるのは文化庁の大事な事業なんですよ!それを…!」

「だーかーらー!目の前に神様いんだから直接聞きゃ良いべ!ここの神様だってすんげーエライ人なんだからさ!」

いやー、田島がこんだけ怒るんも珍しいな。やっぱ公務員はアタマが固ぁてアカンわ。ウチらもそやけどな!

そんなこんなで、とりあえずみんなで拝殿に入ることにした。



拝殿に入ると、神棚に鏡が置いてあって、その前に青くて透明のむっちゃ大っきいぜリーみたいなんがお供えしてある。

なんやろう?ヒルコ様ってゼリー好きなんかな?それにしても大きすぎへん?

どんだけゼリー好きなんやろ?神様やのに食いしん坊すぎるやん。


そんなことを思ってたら、どっかから可愛らしい声がする。

(アマテラス、よう来たねぇ。ずっと待っとぉったよ。 太子様、お久しぶりでございます。アレ? そのお嬢ちゃんはトヨウケの化身かいな?)

ん?どこから声がしてるんやろ?あたりを見回しても誰もおらん。

その割には、姫も太子のおっちゃんも、道真さんもニコニコ頷いてる。


「ヒルコ様、道真でございます。この娘がトヨウケ様の縁者かどうかは分かりませんが、ままそれはおいおい…今日はたっての相談でございまして…」

道真さんは、正座すると目の前のゼリーに向かって土下座した。

何してんの?この人。


(うん、東の不吉な気に関係する話やな。まずはそれから聞かせてもぉか・・・太子様、一体、何がおましたんや?)

またや、どっから声してんねん、コレ。せやけど、おっちゃんは気にする風でもなく、ゼリーの前で胡座をかくと、それに向かって不満をぶちまける。

「何がやないでホンマに!伊勢の奴らこともあろうに、姫の婿として人間が拵えたバケモンを取らそうとしよったんや!ワシかてびっくりして四天王寺から飛んできたわ!」


(むぅ…そうかぁ。コトシロの話では、AI使うてDNA合成して、そっから人造の命をつくるベンチャーがあるて聞いとぉけど……人間の科学も、いよいよ触れてはならんところに入ってしもたねぇ。 アマテラス、大丈夫か? さぞ怖い思いしたやろなぁ…)

相変わらず、どこから声がしてるんか分からへんけど、その声を聞くと姫はしゃがんでゼリーを抱きしめた!

ええっ!姫あかんて!食べ物素手で触るんは!ばっちいで!


「お兄様…ありがとう。わたくしは大丈夫よ。ここにいる夏菜子ちゃんと美紗が励ましてくれるから。紹介するね。」

すると、ゼリーはぴょんと跳ね上がってわたしらの前に来て、目と口みたいなものができた!


「ええ!なに!目ん玉出てきた!な、なんなんこれ!?」

「なんなんって…ヒルコはんやないか?小角はんが言うとったやろ?骨がのうてなんやグニャグニャしてるって、このお方こそ蛭子命(ひるこのみこと)、イザナギ、イザナミの国産みにおける最初の神、日本中のえべっさんのリーダーや。」


「すーげー…まんま『輪廻転生したらスライムだった話』じゃん。あ、すみません、淡路県民局の田島美紗です。」驚きつつもちゃんと挨拶できる田島、エライ。

それに引き換えウチは…

「あ、あの!ウチてっきりお供えのゼリーや思うて!床にじかに置いてんの汚いやんとか思っててすみません!えーと、ウチも県民局でぇ…」

せやけど、ヒルコ様は慌てるウチを見てニコニコ笑う(っていう風に見えた、知らんけど)と、可愛らしい声で落ち着かせようとする。


「そない慌てんでもええよ。小路さんかな? さっき大きい声で喋っとぉったから、分かるよ。僕の妹を支えてくれてありがとう。まぁまぁ、二人とも楽にしとってね。」

いゃ〜ん、めっちゃ優しいや〜ん!姫がメロメロなるん分かるわぁ〜!


なんて言うか、話してる内容とか喋り方とか、優しくて人格者っぽいのに、声だけ小学生の子どもみたいで、うん、これはギャップ萌えやな!

青いプルプルがぴょんぴょん跳ねてるのも可愛い!

なんか滝沢さんも顔真っ赤でにやけてるし。


「それで、そこの娘さんは文化庁の人やな?」

「は、はい!滝沢バーキン理沙です!今回は日本の神様のルーツを…!」

「ああ、まぁまぁ、それはさっき聞いたから大丈夫ですよ。 まぁ、あなたもよう聞いとき。こういう事を、是非国民に知らしめてほしいねぇ。 ほな、道真くん、詳細を教えてくれるか?」

それを聞いて、道真さんは今回の経緯を細かに説明した。


【 ヒルコ様はプルプルです!&まもなく祝1000PV!】


お読みいただきありがとうございます!

今回は、少しシリアスが続いたので、息抜きのドタバタ回でした。


ついに登場したヒルコ様。

骨がない=グニャグニャ=スライム!?

というわけで、あんな可愛らしい姿になりました。

個人的には、道真さんの雷神変身を見て、ガチのフランス語で悪魔祓いを始めた理沙ちゃんがお気に入りです(笑)。


ちなみにこのヒルコ様、見た目はこんな感じですが…実は、日本神界の「裏のドン」とも言える、とてつもない秘密を持っていたりします。

あのアマテラス様ですら知らない「世界のことわり」を、このゼリーは知っているのかも……?

次回、その片鱗が少し見えるかもしれません。


そして、なんと!

おかげさまで、累計PVがまもなく【1,000PV】を突破しそうです!

執筆の励みになります、本当にありがとうございます。

この週末、プルプルのヒルコ様に癒やされつつ、記念すべき瞬間を皆さんと迎えられたら嬉しいです!


次回、いよいよ語られる「危機」とは…?

引き続き、応援よろしくお願いします!

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