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第16話: 神様と仏様って?と思っていたら白服の悪者出てきた!

「なんなん…大事なとこで僕仲間はずれとか…ありえへんわ!自分!ちょっと男前やからって調子乗ってんちゃうぞ!イキっとったら試験とか落としたるからな!」

なんか、出遅れた天神さん…菅原道真さんがマナガツオの造りを食べながら、アレ君に怒ってる。

どないしたんやろ?わたしはお爺ちゃん…イザナギ様に聞いてみた。

「あぁ…まぁ、あやつはまだ、神としては若いのでな。太子、小角、真魚殿は仏じゃから、色恋のことで右往左往はせんが、神というのは結局、輪廻の内側におるからのぅ…そういうものが抜け落ちるには時間がかかるのじゃ。」

「輪廻?なぁイザナギさん、イザナギさんも姫も、小角さんよりずっとずっと年上やのに、なんで敬語なん?あと、仏の方が格上?ようわからんねんけど…」


「あぁ、今の若い者はその辺りが分からんのじゃな。まず、ワシら神というのは、元は人であったものが生前の功徳によって神へと転生したものじゃ。中にはアマテラスのように神として生まれたものもおるがの。神功皇后も人であったし、道真などは、お主らもよく知っていよう。しかし神といえども、実はお主らと変わらぬ。寿命があるのじゃ。もちろん、ずっと長いものじゃがな。」

「そうなん?ウチは神様は不老不死やって思うてた。違うんやね。せやったら太子のおっちゃんとか、小角さんとか、真魚さんは?」

「あの方々は仏じゃ。太子や真魚殿・・・弘法大師は、人としての生があった故、ワシも気安く付き合いはするが、小角殿はもとから仏・・・菩薩(ぼさつ)じゃった方。その方が日ノ本(ひのもと)の民を憐れんで人界に下ったのじゃ。じゃから、あの方だけは特別なんじゃよ。」

「え・・・ほんまに?っていうか、仏ってなんなん?神様と何がちゃうの?」

「おお、それを言っておらなんだな。仏というのは、悟りを得て輪廻の輪から脱した存在じゃ。この宇宙で起こることの全てを知っておる。」


「そうなんや…せやけど、そんなすごいんやったら、小角のおっちゃんがどないかしたらええんと違うんですか?」

「夏菜子ちゃん、それはちょっと違うんやなぁ・・・ご隠居、この話はまだこの子らには難しんとちゃいます?」

小角のおっちゃんはニッコリ笑ってわたしの方を向くと、ゆっくりと首を横に振った。


「いや、小角殿。此度(こたび)のことは神と人が力を合わせねば(まかり)り成らぬこと。この娘らに神仏とはどのようなものか知ってもらわねば成りますまい。」

「まぁ、ご隠居がそないに言わはるんやったら・・・なぁ夏菜子ちゃん、子供が公園で遊んどるとしよか。()けて膝すりむくか知れへん。なんや落ちた煎餅を口の中に入れるかも知れへん。そやけどそれを親がいちいち止めて回るんはええことやろか?どや?」

「それは…痛い思いせんと分からんこともあると思うけど…でも、ほんまにアカンことやったら止めるやん?例えば赤信号で飛び出すとか?」

「そうやな、それはホンマにアカンことや。それと一緒でな、偉大なブッダ・・・えーとな、観音さんとか阿弥陀仏っておるやろ?その人らはホンマに大事なこと、まちごうたらアカンことを人や神に教えた。せやけど、その教えは無理やり守らせるもんやない。自分自身の意志で、迷ったり悩んだりしながら実践して学んでいかなアカンのや。そしてそれは、悟りを得て輪廻の輪から脱するまで続く。」


「そんな・・・姫、こんなに辛い思いして、怖い思いしてんねんで?それでも、そのー・・・観音様とか、阿弥陀様は助けてくれへんの・・・?」

「はっはっは!あぁそうか!夏菜子ちゃんは姫を守りたいんやな!いや!ええ心がけや!心配せんでもええ。観音さんは直には助けてくれへんけど、智慧(ちえ)を授けることは出来る。そのためにワシとか太子殿、真魚みたいな仏の化身がおるんや!」

そうなんや、わたしはちょっとホッとした。


「まぁともかく、頼りになる東北の若い衆も来たこっちゃし、対策を考えよやないか。これ、道真。何時まぃでしょうもないことでプリプリしとんねん。あと、怒りながら飯を食うもんやない。漁師の(もん)らに失礼やろ。そんなんええから早よ説明せんか。」

そう言われると、道真さんも素直に、あ、すんません、と言ってペコペコ頭を下げた。



「えー、ごほんごほん、では、不肖この菅原道真より、昨日からの状況について説明いたします・・・各々方、よろしいでしょうか?昨日より、この淡路島周辺の警戒をしておりましたが、いくつか不審な動きが確認できました。」


「不審な動き?どういうこっちゃ?」これは太子のおっちゃんである。道真さんはその問いに答えるように、パソコンを取り出しマップを表示させた。え?パソコン?真魚さんもタブレット持ってたけど、神様の世界どうなってんの?


「ご存じのように、僕は怨霊だった経歴を生かして、この日本列島全体に妖怪や怨霊、付喪神(つくもかみ)の皆さんからなる広範なネットワークを形成しております。」え?そうなんや。意外な特技やな、と思いつつ見ていると、道真さんはマップ上にいくつかの赤い点を表示させた。

「それで、この淡路島においても、近隣住民・・・いや住妖怪?への聞き込みを行っていましたが、いくつか気になる情報を得ました。」


「なんやそれ?悪霊や式神の類でもおったか?土御門(つちみかど)の術者とか?」真魚さんが質問したが、道真さんは否定する。

「真魚さん、おったんはそういう如何にもな連中とは違います。なんか白い服着て、妙なアンテナというか、計測器というか、そんなものを持った人間たちと、機器類を積んだ車がウロチョロしていたらしく、ここの地元の化け狸殿に聞いたところが、人間の眼には妖は見えんはずやのに、そのアンテナみたいなもんを向けて、こっちをじっと見ていたとか・・・気味が悪くなって直ぐ逃げたとか・・・他にも近在の辻神さんが言うには、その白い服を着た連中が、妙な音のする機械を使ってて、すると交差点の結界が揺らいで、現世と異界が繋がりそうになってた、とか・・・。」


ご覧いただきありがとうございます。

楽しい宴会の中で語られた、「神と仏の違い」。


「なぜ仏様は、人間や神が間違いを犯してもすぐに助けないのか?」 小角おづねのおっちゃんが語った「公園の子供と親」の例え話は、この物語の根底にあるテーマの一つでもあります。 決して見捨てているわけではなく、成長を信じているからこその「見守り」。 そんな彼らのスタンスを感じていただければ嬉しいです。


……と、真面目な話をした直後に、ノートPCを開く菅原道真公(笑)。 さすが学問の神様、現代のツールへの適応力が半端ないですね。 しかも「妖怪ネットワーク」を駆使して情報収集とは、元・怨霊の面目躍如といったところでしょうか。

さて、道真公の調査で浮かび上がった、謎の集団「白い服の男たち」。 次回、ついに物語が大きく動き出します。


続きが気になる!道真さん有能!と思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです。

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