表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/20

第4話:「もう一人のヒロイン、“妹機”現る」



「みちるくん、敵勢力からの警戒信号だ。これは……ただの雑魚じゃないぞ」


 Dr.Hの声が珍しく緊張していた。


 深夜の港湾地区――薄闇に包まれた倉庫群。その一角、異様な静寂が漂っていた。

 空気が、重い。


 みちるはKUROとともに現場に急行。だが、そこに敵の姿はなかった。


「……おかしいな、反応はここなんだけど」


「気ぃつけや、背後や。来る――!」


> キィン――!




 一閃。

 鋭く、冷たい斬撃が空気を裂いた。

 ギリギリでみちるは飛び退き、その場に着地した“それ”を見て、思わず息を飲む。


「なに……あれ……」


 そこに立っていたのは――自分と、ほぼ同じ姿の“少女”だった。


 肌の露出を抑えた、紅を基調にした競泳スーツ型メカスーツ。

 髪は白銀、瞳は深紅。そして、腰には黒く長いブレードのような尻尾。


「――“α(アルファ)-03”、起動完了。対象:月影みちる、破壊命令確認」


「えっ……何それ、私狙い!?」


 少女は無表情。だがその身体から発される圧は、みちるを一瞬で警戒させるに足るものだった。



---


ライバルの正体:コードネーム《ユイ》


コード名:α-03 YUIユイ


種別:対みちる用・戦闘特化改造ヒューマノイド


由来:Dr.Hの初期研究データを元に、敵勢力が独自に製造した“みちるの姉妹機”


性格:無感情・命令忠実・冷静沈着



> 「わたしはあなたを倒すよう、プログラムされている。理由など不要。戦うのみ」





---


初戦:ユイ vs みちる


> 「変身っ!!(もう! 今日こそはスーツ変えてって言ったのに~!)」

「KURO、援護お願い!」




「了解、みちる。気をつけろ、この子……マジでヤバいで」


 両者、射撃と接近を交互に繰り出す戦闘。

 ユイの武器は、“重力操作”を用いた変則軌道の近接斬撃――みちるの弓の追尾をかいくぐって迫る。


「くっ……この子、普通じゃない……」


「そらそうや、君を倒すためだけに生まれた“対ヒロイン兵器”やからな……」


> 「……あなたの動き、解析完了。次で終わる」




 ユイの手から放たれた漆黒の光が、みちるを直撃寸前――


「にゃっちょっと待ったァァア!オレ様の見立てナメんなやァ!」


> KUROがみちるの胸元から強制出力され、光のバリアを張る!




> 「融合、いっとく!? にゃんッ!!」




> 「やるしかない――MICHIKURO、起動っ!!」




 融合形態“猫耳競泳水着ver.”に進化したみちるが、一閃。


「KURO、尻尾操作お願い!」


「しっぽブレード起動!右回転斬撃、いったれッ!!」


 その尾が、ユイの斬撃を弾き、反撃の光矢がユイの肩を掠める。


 煙の中、ユイは静かに呟いた。


> 「……次は、必ず仕留める」




 そして、姿を消す。



---


戦闘後


「くっ……逃げられた……あの子、絶対ただの敵じゃない……」


「……同型機やろうな、たぶん。君の“妹”や」


「……妹……?」


「Dr.Hが知らんってことは、敵側にスパイがいるかもな……さて、誰が君を作り直したのか――」



---


(次回へつづく)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ