表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

第3話 課金

悟りを開き完全に死を受け入れていた所だったがスマホのバイブレーションに驚き、思わず尻餅をついてしまう。


幸運なことに、俺めがけて体当たりをしてきたキングなスライムは、俺が尻餅をついたことにより狙いを外し川へと突っ込んでいった。


バシャンッと水飛沫が上がり冷たい川の水を全身に浴びたことで悟りが解けて我へとかえる。


慌てて振り返り、距離を取る。そして奴が体制を整える前にスマホに目をやり、アプリの通知を見る。


【10ゴールドを手に入れた!!】


どうやらRPGでよくみる敵モンスターを倒したときに手に入るゲーム内通貨を獲得したらしい。


恐らく最初のスライムを倒した時のものだろう。


すると目の前にいるキングなスライム達はあのスライムの敵討といったところか?モンスターの癖に殊勝な心がけだな。


しかし、ゴールドを獲得したところで殆ど今際の際。宝の持ち腐れである。


せめて装備などが手に入っていたらなと思った所に、アプリから更なる通知が届いた。


【課金に関するお知らせ】


課金?というかこのゲーム課金要素なんてあったのか。確かに、基本無料だが一部有料のサービスがあるという形が最近のアプリでは主流である。


マッチングアプリも例に漏れず、課金するとマッチする確率が高まったりマッチ範囲が広くなるという特典があったりなかったり。


だが、異世界に来てから人など見ておらず見るのはモンスターばかり。それもスライムオンリー。


課金したところで誰ともマッチせずご臨終がオチだとは思ったが、背に腹は変えられん。


とりあえず有料サービス一覧を開く。


すると、様々な特典があったがその中でも特に目を引いたものがあった。


【初心者様限定!!10ゴールドで取り合えずマッチング!!】

⚠️注意⚠️

完全ランダムマッチになっており、必ずしも貴方様の好みの女の子とマッチングを保証する物ではありません。

あくまでもお試しで、異世界にはどの様な女の子がいるのかを知っていただくためのものです。

ご了承下さい。


今の手持ちの10ゴールドで丁度足りる額だ。

ランダムマッチと書いてあるが、今の状況ではランダムマッチでもたいして変わりはない。


早速、購入ボタンを押して特典を購入した。


藁にもすがる思いだったが、このランダムマッチが運命的な出会いをを産むことになった。


キングなスライムが川の中から這い出て、体制を立て直し、もう一度ぶちかましをかまそうと体を揺らし、俺目掛けて飛びかかって来た。


流石にこの数秒でマッチが成立するわけもない。本日、2度目の死を覚悟した瞬間、


「はあっ!」


鋭い、だけどどこか優しさを含む可憐な声が響いたかと思うと、その声の主は瞬く間に敵に対して無数の攻撃を浴びせた。


攻撃を受けた敵は一秒ごとに数が増えていき、十秒たつ頃には細切れになり、その後すぐに消滅した。


「だいじょうぶ?」


俺が呆気にに取られているとその人は手を差し伸べ、にっこりと笑って見せる。


黒い髪をたなびかせ切れ長な目で笑う少女。背丈は160程か。


声は少し高め。


まさしく、俺が異世界マッチングのプロフィール欄で好きな女のタイプで記述した特徴を全て持っていた。


「結婚してください」


思わず口に出してしまった。


それに対する返事は


「え?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ