第二章 【保護2】アキラside
ここからストーリーが大きく進みます。
<アキラside>
「それから、叔父が救ってくれた。この街に逃げさせてくれて、家、仕事まで面倒をみてくれた」
淡々と無表情で話す少女。
何を言っていいのか、どういう反応をすればいいのか、わからずに困惑の表情を浮かべてしまった。
「私と一緒にいると、皆に迷惑がかかる。」
世話になったな、と言いながらヒナは、椅子から立ち上がり、出口へ向かおうとする。
気付いたら、その腕を握って引き留めていた。
「一人で出て行っても、見つかって連れ戻されるだけだろ?」
「皆に迷惑を掛けたくない」
真っすぐな瞳で見つめられる。その瞳の奥で、感情は揺れているのがわかる。
「ここは俺の街のような物だ。俺がヒナを保護する。」
だから、俺の傍を離れるな
気付いたら、ヒナを抱きしめていた。
俺の腕に背中を回した状態になり、ヒナの身体が硬直するのがわかる。
一瞬の戸惑いの後、そっと優しく手を背中に置かれた。優しく抱き返してくれた。
抱きしめていると、そっと身体を離された。
「でも、一緒に居られない。危険だと分かっていて、巻き込むことは出来ない」
「アキラさんの家は、この街のどの家よりもセキュリティ万全ですよ。」
いつのまにか入り口に、アキラの秘書、ヒカルの姿があった。
「それにこの人、この街で一番強いですし、心配ありません」
ゆっくりヒナに近づいていく。
「必要であれば、うちの屈指の護衛もつけますし、問題ないはずです」
有無を言わさぬ、にっこり笑顔で詰め寄るヒカル。
圧が半端ない。
ヒナも圧に負けたのか、一瞬困惑した後、
「よろしくお願いします……」
と頭を下げた。
書き溜めここまでです。少しずつ更新していきます。すみません。




