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「お兄様、だったら何を投げたんですか?お兄様が投げたのはこちらですか?」


そう言ってリーリエがさっき見つけた小箱を差し出すと、ヴィクトルは気まずそうに視線を逸らした。


「いや、知らん」

「だったらこれは誰かの落とし物かしら。…もう、お兄様!言えないものをここに投げたんですの?」

「…そうだ」


結局、そのままヴィクトルが口を開く様子がなかったため、ジャスミンもルスラン侯爵も池から出ることとする。そんな時、ジャスミンを助けるように手を差し出してくれたのはヴィクトルだった。


「陛下。その…私はこうして濡れていますので、このままでは陛下のお召し物も…」

「いい、気にするな」

「ですが…」


どうしようかとジャスミンが悩んでいると、「俺なら濡れているから構わないだろう」と横からルスラン侯爵が手を差し出してくる。ジャスミンもそんな声に誘われて手を伸ばしたのだが、不満そうに声を上げたのはリーリエだった。


「ちょっと!お兄様とジャスミンの関係を邪魔しないでくださいよ!」


そんなリーリエの小声が聞こえて、ルスラン侯爵ははっとしたように手を引っ込める。その瞬間、ジャスミンは驚いてしまってバランスを崩してしまうのだった。


「ジャスミン!!!」


視界が反転し、水の中にそのまま倒れこんでしまうジャスミン。口から空気が漏れ、苦しくしていたジャスミンだったが、気づけば誰かの強い力によってぐっと上まで引き上げられた。


「…げほ…っ、す、すみません…」

「大丈夫だ、ゆっくり息をしろ」


気付けばジャスミンは、ヴィクトルの体に抱き寄せられていた。汚してしまうかもしれないと悩んでいたヴィクトルの体は、ジャスミンを助けるために池に入ったこともありすっかり汚れてしまっている。結局、ジャスミンが最初からヴィクトルの手を借りればこんなことにならなかったのだ。


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