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「それで、イヴァンは何と言ってるんだ」
「それが…イヴァン様はなぜかリーリエ様に逆らうことはなく、全てを受け入れたということでした。両国間で戦争はなくなったほか、半永久的に和平条約を結ぶとのことです」
「…なんだそれは」
結局、ヴィクトルはイヴァンの本心が分からないままだった。ヴィクトルの国を責めるのであれば、どうして人質を取ってリーリエを交換などという面倒な手段を取ってきたのか?そもそもあの暴虐さをもったイヴァンは、どうしてあっさりとリーリエとの交渉に望んで、リーリエの希望通りに受け入れたのか?
「…イヴァンはもしかして、リーリエに惹かれているのか?いや…そんなわけ」
自分で口にしておきながら、そんなわけないと考え直すヴィクトル。そもそも、今までリーリエとイヴァンに接点などなかったはずで…。
そう考えているうちに、勢いよく扉が開いてリーリエが慌てた様子で部屋に入ってきた。
「お兄様、目覚めたんですね!良かった!!本当に、本当に良かったです…!」
目に涙をたっぷりと溜めたリーリエはヴィクトルの手を握って、そう泣き出してしまう。リーリエの後ろからは同じように慌ただしく医師たちが入ってきて、ヴィクトルの診察を始めるのだった。
「動けるまでは暫くかかるでしょうね。とりあえず、今は骨がくっつくまで安静にしておくしかありません。折れた骨で内蔵が傷ついていないのは、幸いでした。普通はこんなことがないはずなので、もしかしたら何らかの魔法で治療されているのかもしれません。とりあえず、無理は禁物ですよ」
エリク神の加護があったかのようにそう言った医師が去っていき、傍で話を聞いていたリーリエやアレクセイたちも酷く安心した顔つきに変わる。
「さて…色々報告を受けるとするか」
だが、ヴィクトルのそんなセリフに、リーリエもアレクセイも顔色を青く変えるのだった。




