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「…はぁ、本当に最近は厄介なことが多すぎる」


そう一言漏らしたヴィクトルは、部屋のソファに座りそのまま目を閉じる。昨日の夜はエリク神に連れ出されて隣国で過ごすジャスミンの姿を見た後、ずっと眠れずにいたのだ。美しく着飾ったジャスミンの姿。幸せそうに過ごしていたのなら、それでいいと諦めきれたのかもしれない。


けれど昨夜、彼女は隣国の皇帝に無理矢理連れ出されていた。そんな彼女はこの先、どんな扱いを受けることになるだろう。リーリエとの身柄の交換を求められているが、ヴィクトルはその条件を飲めるはずがない。助けが来ないとわかった時、彼女はどんな扱いを受けるのか…。


「くそっ」


ヴィクトルはそう言って、拳を自分の膝に打ち付ける。そんな時だった、部屋の扉がノックされ、小さく空いた扉の隙間から、神職者であるティモンが顔を覗かせた。


「ヴィクトル様すみません。ここに来るまでにお客様と鉢合わせてしまって、このまま中に案内しても良いでしょうか?」

「あ?そういった件はアレクセイを通してくれ」

「…あーえっと、腹痛みたいで…」


そういって、明らかに視線をどこかへ逸らすティモン。アレクセイはあまりにも下手すぎるティモンの嘘に乾いた笑いが漏れる。この国で過ごす者は殆ど嘘を吐くことがないことから嘘が下手なものが多いが、ティモンほどわかりやすい表情をするものはいないだろう。だが、そんな彼だからこそ、味方にいて心強いのかもしれない。


「わかった、いい。中に通してやれ」

「はい、それでは」


そう言ってティモンが中に通したのは、1人の老人だった。杖を突きながらゆっくりと歩いてきた男は、白いひげを揺らしながらヴィクトルに恭しく頭を下げた。


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