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廊下に出た後、ヴィクトルは部屋の中にいるリーリエに聞こえないよう小さな声で集まった使用人たちに声をかける。


「エリク神との間にあったことは、リーリエが落ち着いたころに俺から本人に話すことにする。それまでは不安な情報を与えないようにしてくれ。多分、事実を知った後は、怒り狂って暫くの間は騒がしくなるだろうからな」


ヴィクトルの指示に頷く使用人たち。その中で1人、気まずそうに手を上げる侍女がいた。


「陛下…その…リーリエ様が望んでいた紅茶の件なのですが、実はジャスミンから今日の朝に預かっています。こちら、お出ししてもよろしいでしょうか?」

「いや、それは処分してくれ。申し訳ないが、俺の記憶にジャスミンという女の情報はないから、信用できる女かは分からないんだ」


ヴィクトルのそんな言葉に、侍女や兵士たちは驚いたような表情に変わる。誰もが、ジャスミンはお茶に危険なものを混ぜる者だと思っていないものの、口にすることは出来ないでいるようだった。


「リーリエは俺の一番大切な妹なんだ。今は彼女の体調を一番に考えて行動してほしい。口に入るものや、身に着けるものも複数人が目を通すようにしてくれ。ジャスミンが毒を混入させた犯人じゃないとするならば、身近に怪しい人物がいるはずだからな」


ヴィクトルのそんなセリフに、その場にいる全員が険しい顔に変わった。



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