表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

「いきなり“後釜”を押し付けられても困るぜ!」


 資料室で二人きりになると“ナポリ”は“チノパン”にぶーたれる。


『それはオレのセリフだ!』と心の中で愚痴り、その意趣返しの様にチノパンは“ナポリ”の目の前に顔写真のファイルをどっさり置く。


「拳銃密売事件の容疑者の顔写真です」


「こんなにあるのかよぉ~」


()()()()の記憶にある顔もケッコウあるんじゃないすか?」


「なんだ!脅かすなよ! だったらよ! こんな作業の前に見せてくれよ!」


「何をですか?」


「腕前をだよ」



 --------------------------------------------------------------------


 射撃場には他に人は無くチノパンとナポリだけ


 向うに見える標的の中央が綺麗に撃ち抜かれている。


「次は9、8,7……と数字を撃ち抜いていきますよ」


 チノパンが銃を構え連射すると、言葉通りに数字が撃ち抜かれて行く。


「上手いじゃねえか!」


「オレは相棒としては役不足ですか?」


「そうじゃねえが、ちょっと違うな」


「何が違うんですか?!」


「いいか!拳銃はライフルじゃねえんだ!その名の通り拳だ!」


「どういう事です?!」


「こう言う事だ!」

 ナポリのコルト・パイソンから発射されたマグナム弾はチノパンが開けた穴の複数を巻き込んで標的をグシャグシャにした。


「いいか!拳銃は拳だ! 殴る様に撃つんだよ!犯人を1発でノックアウトさせるためにな!」


「それがセンパイの矜持ですか?」


 ナポリはそれには答えずチノパンにパイソンのグリップを向ける。


「撃ってみるか?」


「ハイ!」


 新しい標的に交換したチノパンはパイソンを両手でホールドして狙いを付ける。


「弾ねえんだからな!1発だけだぞ!」


 轟音と共に発射された弾は中心を逸れ7から上をグシャグシャにした。


「やはり反動が違いますね! これは練習が必要だ」


「そいつは残念だな、あいにく銃も弾もスペアはねえよ!」との言葉に苦笑いしてチノパンはナポリにパイソンを返した。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ