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昨日、歩道橋の上を歩いていて、突然思い付きました。
なので話を練りながら書いています(^^;)
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人物紹介
柴門淳 令和の新都心の高層ビルで働くOLだったが突然、昭和の刑事ドラマの世界に転生した。刑事ドラマを始め、古い日本のドラマをケーブルテレビ観るのが趣味だった。
渡警部 淀橋署 刑事課強行犯捜査係長 妥協を許さないその信条により警部にも拘らず所轄の係長職に留まっている。
谷山警部補 通称 タニさん。 ボス不在の時は強捜係の司令塔。冷静沈着、鋭い推理力んの持ち主だが情に厚い一面もある。
篠崎巡査部長 通称 チョーさん 叩ぎ上げの苦労人。新人にとってはオヤジ的存在。
石原刑事 ムリ押しの“ムリさんと呼ばれている。兄貴分の立ち位置で面倒見がよく、住むところの無いチノパンを自分のアパートに呼び、同居している。
鳥刑事 通称プリンス 甘いマスクと優しい物腰から、このあだ名が付いたが、時に辛辣な発言もする。
三田暢子 通称カモちゃん。ムリさんが“暢子”を“鴨子”と読み間違えたのがあだ名の由来
速水晶 (はやみあきら) チノパン配属前に淀橋署強捜係に居た。現在は城西署へ異動。淀橋署時代は“ナポリ”。現在は“ハリー”と呼ばれている。
瀬能桂 (本作では回想シーン)化学兵器GP3に妹を奪われ、左手を犯された。射撃の腕を磨き復讐を果たそうとするが、“彼の国”の狙撃手に射撃された。
登場は 『昭和デカ -死に染まる手-』 https://ncode.syosetu.com/n9839hw/
鮫島警視 警視庁公安部外事課所属 城北署時代の上司
八坂繁治 『今太閤』と呼ばれる現首相の第一秘書。化学兵器GP3に関わる事件で窮地に陥った柴門刑事と谷山警部補を“彼の国”が差し向けた暗殺者達から救った。
鬼塚警部 城西署刑事課長 現在の速水刑事の上司。 叩き上げとしては異例の出世頭。
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ビルの谷間の漆黒の闇の中からネオンが照り返す道端に飛び出した黒スーツの若者は、拳銃をふりかざしているチンピラに向かって怒鳴った。
「拳銃捨てろ! 玩具じゃねえんだ! バカヤロウ!!」
グリップに簡体字が彫られている粗悪な密輸拳銃が横行していた。
このチンピラが引き金に指を掛けている銃もその類だ。
「くっ!うわあああ!!」叫び声を上げてチンピラがこちらへ銃を向けた途端、若者は後ろ手に隠し持っていた銃を拳を振り出すようにチンピラに突き付けた。
「ガン!」
銃声がしてチンピラがよろめいた瞬間、「バアン!」と破裂音がして現場から逃げ去ろうと駆け出している者達のひとりがもんどり打って倒れた。
「ふうあぁ!!」黒スーツの若者は声をあげながら体を捻じり、倒れた女の元に駆け寄る。
「救急車!!」
「ナポリ!」
雑踏を掻き分けてやって来る淀橋署の面々!
ムリさんとプリンスは血だらけで転げ回るチンピラを“確保”し、タニさんはぐったりした女性を抱き締めている黒スーツの若者の脇に跪いた。
「大丈夫か?ナポリ!」
「タニさん! この女! 目ぇ開けねえよ! 血、こんなにいっぱい出て!! おい!起きてくれよ! 頼むから!! 起きてくれよぉ!!」
粗悪な密輸拳銃の暴発事故でまた一人、市民が亡くなった……
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ドヤドヤと刑事部屋に入って来たムリさんとチノパン。
ムリさんが“チノパン”の白地のワークシャツを引っ張る。
「こんなにハネを飛ばしやがって!みっともねえヤツだな!」
「ああ、やっちまいましたよ!」
「ハネを飛ばすぐらいならカレーうどんなんて食うなよ!」
「だってこうもクソ暑いんじゃ!カレーうどんでしょ!」
「それがガキだってんだよ!」
チノパンは台ふきんを湿らせて、付いたしみに圧し当てながら言葉を返す。
「まあ、オレはムリさんみたいに“ざるそばに天丼”なんてメニューはこなせませんから」
「そのでかい図体にカレーうどんだけで事足りる方がオレには驚きだがね」
そんな二人のやり取りに笑いながらプリンスが話に入って来る。
「そう言えば、前に居ましたね。服にハネを飛ばすヤツ」
「ああ……」とチノパンを除く“強捜係”の面々は思い当たる。
「“ナポリ”だな!」
「ナポリって?!イタリアのですか?」
「さて、『イタリアの』と言えるかな?」とチョーさん。
「ナポリって!喫茶店のナポリタンの事だよ」とムリさん。
「お前の前任者でな。三つ揃えのパンタロンスーツを着こなすヤツだったが……ドレスシャツによくオレンジ色のしみを付けていたよ」とタニさん。
「名前はなんて言うんです?」
「ん? 本名か?ハヤミだが……」
『ああ!やっぱりそうだ!』
“チノパン”はこの世界に転生する前はOLの由美で……ケーブルテレビで放映している古いドラマの愛好家だったので……それが誰なのかが見当がついた。
「ひょっとしてハヤミさんは殉職されたんですか?」
「おいおい物騒な事を言うなよ!城西署のマル暴に異動になったんだよ」
「あっちじゃ別のあだ名で呼ばれているらしいですよ。確か“ハリー”とか……」
「ハリーがどうしたって?」
ドアを開けて入って来たボスに、皆、姿勢を正す。
「今、皆で噂してましてね。あの“ナポリ”がハリーって呼ばれているって」とチョーさん。
「速水だからですかね」とタニさん。
ボスは椅子に背を預けて一同を見上げる。
「まあ、本人に聞いてみるんだな。今度のヤマは城西署と合同捜査になる。さっき城西署の鬼塚さんから電話があった『速水を寄越す』ってな」
イラストは
速水刑事のラフ案です。
いつもこんな体たらくで申し訳ございません<m(__)m>
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