王都にて
時は遡り、
「ガーメムン王!占い師メラムがなんとこの国でどんな傷でも病でも瞬時に回復させてしまうと言われている聖女のスキルが発現すると報告にあり、馳せ参りました。占い師は我ら以外は聖ジャンダ教会にしか伝えていないそうです!」
聖ジャンダ教会とは現在この大陸を牛耳っている遥か昔から続く教会であり、遥か昔の勇者パーティの聖女が在籍していたことにより帝国以外の全ての国の国教となっており。本部はどこの国にも属さないジャンダ聖領と呼ばれている場所にあり、様々なところで蔓延り唯一神教と語り様々な場所で権力を牛耳っている教会である。
「なに!?ついにこの国に聖女が…聖女を手に入れ、占い師メラムの予言を信じればあの忌々しい帝国と共和国どもの領土を狙えるかもしれんぞ」
現在休戦中だがこの国ラミンドス王国は帝国や共和国との領土戦争を頻繁に繰り返していた。様々な禍根を残しつつもラミンドス前王ロースターンドの死去により、その息子ガーメムンが王位を継ぎ、いくつかの領地の譲渡によって休戦条約を結んだのであった。
「これは最大のチャンスだぞアガム宰相よ、この際どのようなことをしてもいいすぐにでも聖女を俺の元へ同行させろ、やり方は好きにして構わん。」
『クソ親父が死んだおかげで盗られた領土も、なんなら奴らの国も奪えるかもしれんかもなぁ』
ガーメムン王はニヤニヤと笑みを浮かべながら吉報を待った。
宰相はその指示のもと王国魔法騎士団第3騎士団長はたまた王国の暗部の隊長であるディアーボの元へ向かいにまで聖女捜索の指示をだした。
「おい宰相さんよう?この俺様を呼ぶってことは面白いことなんだろうな?」
この美しい外見だが醜い精神が滲み出ている男はラミンドス王国の最強と名高い神槍使いであり、王国魔法騎士団第3騎士団長のゴルーダである。
「王国最強であるあなたにしか頼めない最重要案件でございます。貴方様にも理があることなのです。」
「あぁ?俺にも?どーでもいいがよ、今日は忙しいんだよ要件だけ言って失せろ。」
「なんと、この国で聖女が産まれるのです。その捕獲と護衛を頼みたいのです。もちろん報酬は払いますので、もちろんいつものあ奴らも輸入しますので……」
「良いだろう、その仕事引き受ける。」
「なんと!これで我々は安心できます。貴方様にしか頼めないのです。王国最強の貴方様にしか。」
足早くその場を去ろうとする宰相をゴルーダは威圧だけでその足を止めさせた。汗を流しながら振り向く宰相。
「おい宰相報酬は金じゃなくていい」
「そう申しますと…?」
「聖女を捕獲したら俺が貰う。それなら引き受ける。」
「そのような事は…私1人ではどうにも…王に相だ…」
宰相がいい切る前にゴルーダの手の奥からいきなり槍が宰相の目の前に突きはなたれた。
「!?ひぃ」
宰相は大粒の汗を大量に流す。
「今決めろ?」
「し、しかし…」
「なんだ王国は今まで献身的に繁栄のために国を守るために働いてきたこの俺様の要望すら通せないのか?」
『 貴様は今まで色んな要望を押し付けてきたじゃねーか、このくそが』
宰相は決して口に出さないようにそう心で悪態をつく。
「しょ、承知致しました、国王にもそう伝えておきます。」
「さすが宰相じゃねーか、王によろしく言っといてくれ」
そして意気揚々にゴルーダは歩き去っていった。
宰相は大粒の汗をハンカチでら拭い教会へ、暗部へと捜索命令を伝えて回った。