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第2話セシリスのスキル

父親のサルードルを筆頭にセシリス、ヨハヌスとどこか楽しみな笑みを浮かべながら教会へと入っていった。

「お待ちしておりました、サルードル様とご子息様。」

「やめてくれよージール爺、いやジール牧師かな、旧知の中じゃないか」

「ジール牧師はやめておくれサルード坊、今日はセシリスの祝福なんじゃろ?嫁にもこのセシリスの晴れ姿見せてやりたかったじゃろーに」

「ジール爺……」

「まぁよい、はじめましてかなセシリスちゃん、ワシとお主の父親はのー昔からの知り合いでのぉ、こやつがこの町に越してきた時はびっくりしたわい、まぁ寛ぎなさいな。」

「はじめまして?ジールおじいちゃん?」

「ジールおじいちゃんなんて初めて呼ばれたわい。まぁそこの窓辺に経ちなさいや。」

そしてジール牧師は手のひらをセシリスの手のひらに被せ祝福の言葉を放った。

「我が名はジール彼のものは貴方様の子供祝福をお与えください。」

するとヨハヌスとは違った優しい光が辺りに充満した。

「お主の固有スキルがわかったぞい、ステータスと唱えなさい。」

そうジールは諭すと、セシリスは元気よくステータスと唱えた。


――――――――――――――――――――――――

名前:セシリス

 称号:無し

 種族:人間

 年齢:7歳

  ・固有スキル:聖女

・一般スキル:手当てLv.3

――――――――――――――――――――――――

「え…聖女?」 

そのセシリスの言葉を聞いたヨハヌス以外の2人の表情がまるで苦虫を噛んだような顔をしていた。

「セシリスもう一度なんて書いてあるか教えてくれないか?」

「うん、パパなんかこれ聖女って書いてあるけどどういうことなの?」

「聖女か…セシリスそのスキルはな、はるか昔この世界を魔王の手から救った勇者の一員の、ある女性の有名な固有スキルなんだよ。」

「えっ……どういうことが出来るの?」

「そうだな…どんな病気も怪我も一瞬で治せるスキルだって有名なんだ。」

「サルード坊今すぐにでもこの王国を出るんじゃ、そして、どこかの田舎で安全に暮らすんじゃ!お前さんの足なら逃げ切れるじゃろう。」

この時点でサルードルとジール牧師は気づいていた。確実にこのスキルによってセシリスは今人生の岐路に立たされていることに。そして比較的平和な現在だが聖女という天使のようで悪魔的なスキルによって必ず大きな何かぎ起きることを。

「ジール爺俺もそうしたい、だがサーカス団の団長を引き受けた身として引き継ぎもせずにどこかに消えるのとは…」

「サルードル!お前は団長であると共に親なんじゃこの国ではこの子は絶対に幸せにはなれん。むしろ必ず不幸にするぞ!」

「ジール爺俺にだってわかってる。だがセシリスにどうするか聞かなければならない。セシリスこれからそのスキルを持った今どうしたい?」

「私は怪我とか病気で困ってる人達みんなを助けたい!」

その言葉を聞いてなお彼ら2人の顔が優れずにいた。

「そうだのな、セシリスは優しい子だもんな…そうか…」

「サルード坊気迷いするでないぞ?わしからすると、今の王国の王は賢王とは思んぞ?帝国の帝王が実力主義の賢王と聞くが…わしは王国を出て帝国方面の農村部に逃げて方が良いと思うのじゃが…」

「たしかにそうかもしれん…だが他の国でも変わらないとも思うんだ…それならメディが愛したこの国に賭けてみるのも…」

「たしかにそうかのぅ…どうなるかはわからんからのぅ…」

この2人の相談中ヨハヌスはポカンとしている他なかった。しかしこの時のことを後にヨハヌスは一生嘆き、後悔した。あの時父親に帝国方面に逃げることを提言していれば変わっていたのかもと…。

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