復讐。
この物語は死の表現や残酷な描写が含まれます。
気分が優れない方は、閲覧を中止してください。
復讐は何も生まないと言うけれど、案外そうでも無いのかもしれない。
僕自身も復讐したい相手なんて山ほどいる。
この気持ちが少しでも晴れるなら、同じような被害者が一人でも減るのなら。
自らの手を汚しても良いんだと、強い意志があるのなら。
僕はとうの昔に人を殺していたかもしれない。
しかし、その先に何が待っているかは誰にも分からない。
復讐を終えた後に何があるのかでも変わってくるかもしれないけれど。
結局のところ、難しいところなんて分からない。
この話をするのにも理由がある。
簡潔に結末だけを話すとしたら "犯人は自殺した" ということだ。
どうやら遺書が残って居たらしい。
その遺書の傍には、今までのいじめが詳細に書かれた日記もあったという。
必ず文末には、復讐をほのめかす内容が書かれていたという。
『 加害者である灰原 純 (はいばら じゅん)は被害者のクラスメイトである。
今回、加害者を虐めていたことが動機である事が公表されている。
いじめの内容は加害者の日記とクラスメイトの証言によって事実であるとのこと。
学校側はいじめがあったことは知らなかったとし、日々のいじりが過激になっていたのかもしれないと応えた。
○日に保護者を交えた会見を開く予定だ。』
ネットニュースにはこう書かれていた。
学校がいじめを知らなかったなんてあるわけが無い。
少なくとも姉小路は問題児であったのだから、最悪の事態を考えるべきだったんだ。
これではあまりにも、灰原くんが浮かばれない。
「面白い提案してやるよ」
ニヤニヤとロゼが語りかけてきた。こういう時、ろくでもないことを僕は知っている。
「お前の寿命を使えば、どちらかひとりは助けられる。
可哀想だと思うのなら生き返らせてやれよ」
そういうことだろうと思っていた。
しかし、どちらを生き返らせるかなんて僕に決断できるはずがない。
いじめを繰り返していた被害者か。
復讐を成し遂げ、命を絶った加害者か。
どちらが正しくて、生きている価値があるのかなんて僕に判断できない。
でも僕のエゴを言うのなら、灰原くんに生きていて欲しかった。
こんなこと死にたがりの僕が言うべきじゃないことは分かってる。理解している。
簡単に死ぬな。と言いたい訳じゃないし、生き続けろ。と酷な事は言えないけれど。
何も知らない僕が何を言ってるんだって話なんだ。
灰原くんのこと、何も知らないで。
「灰原くんに花を手向けたいんだ。」
「おぉ、勝手にしろよ」
僕と似た境遇だった灰原くんが願った最期でありますように。
今の僕が出来るのはこの程度だ。
「灰原くんが悪魔と契約していたなら、どんな願いを叶えたんだろうね」
今までずっと正しいことを言ってきたロゼもこの回答には困ったよう。
しばらく黙って考えたあと――
「知らねぇよ。
少なくともお前よりは勇気があったんじゃないか」
本当にその通りだ。
どうか灰原くんが安らかに眠れますように。
そんな願いを込めて、花を買いに出かける。
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