悪夢。
この物語は死の表現や残酷な描写が含まれます。
気分が優れない方は、閲覧を中止してください。
薄暗い建物の中に立っていた。
天井が低く、押し潰されそうな圧迫感があった。
壁は白いけれど、薄暗いために灰色にも見える。
周りを見渡しても、人が一人もいない。ここはどこだろう。
それにしても音がしない。静寂。不気味な空間だ。
少し歩いたところで、地下駐車場だということがわかった。
それにしては、僕以外何もない。しかし、孤独なのはいつものこと。
不気味ではあれ、怖くはなかった。
暫く歩いていると、僕の後ろに何かの気配を感じた。
人というには、形がぼんやりしているような。
黒い陰に見えるけれど、感覚的に男性の様にも感じる。形容し難い “ 何か” が後ろにいる気がする。
そうだ、“恐怖”を具現化したような。兎に角、怖かった。
今まで冷静でいられたのが嘘のようだ。汗がじわっと服に染み込む。
「逃げないと」
本能的にそう感じた。
けれど、足は上手く動かない。あまりに重たく、とても走ることができない。
ゆっくり歩いて進む。後ろから何かが近づいてくる恐怖。
このままでは殺される。逃げろ。
何とか足を動かして、やっと離れた感じ。安心だ。
誰かが助けてくれるまで、僕が走り出せるようになるまで、ここで静かにしていよう。
気がついたら、四角い箱の中だった。何となく、エレベーターの中である。と認識していた。
エレベーターの中に閉じ込められているのか。まあ、あいつに追いかけられるより幾分もマシだ。
座り込もうとしたとき、エレベーターが動いていることに気付いた。下だ。地下に向かってる。
知らない場所に連れて行かれる恐怖。また孤独になるとどうしよう。あいつに追いかけられたらどうしよう。
もう嫌だ。早く、家に帰りたい。
思いっきり、ドアを叩いた。泣き叫びながら、ドンドンと叩く。
「助けて!ごめんなさい!!家に帰りたい!」
その時、また状況が変わる。
ドンっと大きな音がしたと思ったら、地面に叩きつけられる。
エレベーターが落下してるんだ。このままじゃ確実に死んでしまう。
また大きな音がして、次は回転し出し始めた。
エレベーターが360度回転している。僕はドンドンと床や壁に叩きつけられる。
怖くはあるけれど、痛いとは感じなかった。けれど、確実に死んでしまいそう。
刃のないミキサーにかけられている。または、洗濯機か。
いつにも増して、不可解な現象が多すぎる。気分が悪い。
「誰か、助けて!」
最期はエレベーターが地面に叩きつけられて終わる。確実に死んだ。
けれど僕は生きていた。痛みも、傷もない。
死ぬのがこんなに怖なんて。僕はその場に蹲って泣きじゃくった。
これが現実じゃなくて良かった。
夢で良かった。
独りじゃなくて良かった。
僕はゆっくり目を開けた。
閲覧ありがとうございます。
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