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死にたがりと悪魔。  作者: こいわしの天ぷら
7/10

悪夢。

この物語は死の表現や残酷な描写が含まれます。

気分が優れない方は、閲覧を中止してください。

薄暗い建物の中に立っていた。

天井が低く、押し潰されそうな圧迫感があった。

壁は白いけれど、薄暗いために灰色にも見える。

周りを見渡しても、人が一人もいない。ここはどこだろう。

それにしても音がしない。静寂。不気味な空間だ。

 

少し歩いたところで、地下駐車場だということがわかった。

それにしては、僕以外何もない。しかし、孤独なのはいつものこと。

不気味ではあれ、怖くはなかった。

暫く歩いていると、僕の後ろに何かの気配を感じた。

人というには、形がぼんやりしているような。

黒い陰に見えるけれど、感覚的に男性の様にも感じる。形容し難い “ 何か” が後ろにいる気がする。

そうだ、“恐怖”を具現化したような。兎に角、怖かった。

今まで冷静でいられたのが嘘のようだ。汗がじわっと服に染み込む。


「逃げないと」


本能的にそう感じた。

けれど、足は上手く動かない。あまりに重たく、とても走ることができない。

ゆっくり歩いて進む。後ろから何かが近づいてくる恐怖。

このままでは殺される。逃げろ。

 何とか足を動かして、やっと離れた感じ。安心だ。

誰かが助けてくれるまで、僕が走り出せるようになるまで、ここで静かにしていよう。


 気がついたら、四角い箱の中だった。何となく、エレベーターの中である。と認識していた。

エレベーターの中に閉じ込められているのか。まあ、あいつに追いかけられるより幾分もマシだ。

座り込もうとしたとき、エレベーターが動いていることに気付いた。下だ。地下に向かってる。

知らない場所に連れて行かれる恐怖。また孤独になるとどうしよう。あいつに追いかけられたらどうしよう。

もう嫌だ。早く、家に帰りたい。

 思いっきり、ドアを叩いた。泣き叫びながら、ドンドンと叩く。


「助けて!ごめんなさい!!家に帰りたい!」


その時、また状況が変わる。

ドンっと大きな音がしたと思ったら、地面に叩きつけられる。

エレベーターが落下してるんだ。このままじゃ確実に死んでしまう。

また大きな音がして、次は回転し出し始めた。

エレベーターが360度回転している。僕はドンドンと床や壁に叩きつけられる。

怖くはあるけれど、痛いとは感じなかった。けれど、確実に死んでしまいそう。

刃のないミキサーにかけられている。または、洗濯機か。

いつにも増して、不可解な現象が多すぎる。気分が悪い。


「誰か、助けて!」


最期はエレベーターが地面に叩きつけられて終わる。確実に死んだ。

けれど僕は生きていた。痛みも、傷もない。

死ぬのがこんなに怖なんて。僕はその場に蹲って泣きじゃくった。


これが現実じゃなくて良かった。


夢で良かった。


独りじゃなくて良かった。


僕はゆっくり目を開けた。


閲覧ありがとうございます。

しばらく更新をお待ちください。

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