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死にたがりと悪魔。  作者: こいわしの天ぷら
5/10

事件。

この物語は死の表現や残酷な描写が含まれます。

気分が優れない方は、閲覧を中止してください。

 三日。

それが今回の願いの代償。僕の減った寿命だ。

一年か、十年か。後どれほど生きるか分からないし、そのうちの三日と言われてもピンとこなかった。

三日という数字も悪魔の気まぐれみたいだし、寿命が減ったなんて適当なこと言ってるのかもしれない。

それでも悪魔に願うしかないなんて、僕は小さい人間だ。


 なんてことを考えていると、朝の7時を過ぎていた。

全く寝れなかったことを思うと、さっさと薬を飲んでおくべきだったと後悔する。

そろそろ薬がなくても寝られるようになりたいものだ。 

自分の鼓動が大きく聞こえ、振動で頭が痛い。肺が圧迫されてる感じがして、呼吸をするのが苦しい。

仕方がないので、頭痛薬を飲もうか悩んでいる時だった。

スマホに通知が来ていることに気が付く。普段、ゲームの通知しかこないので嫌な予感がする。

メールだった。何やら、学校から一斉送信されている模様。


『 昨晩、学校周辺で不審者が出没しました。 

 事情により三日間、学校を閉鎖いたします。自宅学習を行なって下さい。 

 また、一人での外出は控えてください。ご協力お願いいたします。 』


何かあった。

僕でも勘づいてしまった。初めての学校の閉鎖。これはもう確実に何かがあったんだ。

知らないほうが良い事もある。なんて言うけれど、人は好奇心には勝てないんだ。

僕は早速、ネットニュースを読み漁った。

みんな考えることは同じのようで、記事はすぐに出てきた。


『 女子高生殺人事件。

 今朝、学校の敷地内で生徒が死体で発見された。

 被害者は胸元を中心に数箇所を刺されており、血まみれの状態であった。

 着衣に乱れがあり、犯人と争った形跡が見られる。

 被害者の女子生徒は“姉小路 真希“さんである。 』


大体どの記事を見ても内容は同じだった。

学校の敷地内で血まみれ。それ以上に細かくは書かれていない。これでは犯人の特定のしようがない。

別に探偵の真似事がしたいわけではなく、興味があるだけ。 

何せ、被害者は僕のクラスメイトなのだから。

ほとんど顔を合わせたことない僕が気にすることではないのだけれど。

少しばかり羨ましかった。

不謹慎であるのは重々承知なのだが、僕の理想とする最後だっただけに “どうして僕を殺してくれなかったのか“ と思わずにはいられなかった。

姉小路さんの最期を考えてみれば、痛かっただろうし、怖かっただろうし、生きたいと思ってたんだろうなと。

それでも羨ましい。亡くなった後も、みんなに存在を示し、惜しまれながら天に昇る。

僕の最期もそうあって欲しい。

ああ、だめだ。

人が亡くなってるんだぞ。悲しんでるんだぞ。本人は生きたいと願ってたんだぞ。

人のことを何だと思ってるんだ。人として終わってる。僕こそ死ななきゃいけなかったのに。

どうして今も生きてるんだ。はやく、はやく死ななきゃ。


頭に血が上り、鼻血が止まらない。

適当に袖で拭って、血まみれのまま玄関を飛び出した。

今なら死ねるかもしれない。何の根拠もないまま、僕は学校の方向へ走り出した。

そんな僕を止めたのは怒った顔をしたお母さんだった。


閲覧ありがとうございます。

しばらく更新をお待ちください。

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