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死にたがりと悪魔。  作者: こいわしの天ぷら
3/10

不調。

この物語は死の表現や残酷な描写が含まれます。

気分が優れない方は、閲覧を中止してください。


“お前を殺すことはしない。死にたければ勝手に死ね。それができないなら、勝手に生きてろ。

それでもまだ死にたいなら、その方法を教えてやる。

俺に願え。寿命と引き換えに。どんな事でも叶えてやる。

徐々に死に近づいていく、その勇気があるならな。

どうせお前は、願えやしないけど。“




 契約した時、悪魔はそう言った。

楽に死にたいなんて悪魔に願った時点で、叶うとは思っていない。

もう死ねればなんでも良かった。やっと勇気を出したのに。なんて残酷なんだ。

寿命が減っていけば確実に死ねる。その通りだ。

僕に勇気はない。いつ死ぬか分からないまま生きてるなんて怖い。


「生きてる限り、死の原因がなんであれ突然死ぬ。

   ちょっと死期が早まるだけだろ。何が怖いんだよ」


契約したあの時から、悪魔が言うことは常に正しかった。

人間である僕よりも人間らしい思考。正直、気持ちが悪い。

僕が望んだ悪魔とは、イメージがかけ離れていた。

そのお陰で今も生きてる。なんて感謝はできないけれど。

医者や両親に言われるより、少しだけ清々しさがある。

これに納得してしまう自分は、人生を捨てきれていないかのようだった。



 今日の僕は布団に篭ったままで、抜け殻のよう。

学校は休んだ。体調不良ということにして。

残念ながら、体は健康だった。薬も飲んで落ち着いている。

これは心の不調であって、誰にも理解してもらえない。きっとクラスメイトたちはズル休みというだろうな。

心が全く休まらない。暗い部屋で布団に入っていると、嫌なことを思い出す。

有る事無い事、考え出すと止まらない。主に昨日のことだった。


 昨日は結局、お昼ご飯が食べられずにいた。

過呼吸で意識を失ってから、目が覚めるまでそんなに時間はかからなかった。

今からご飯を食べて家を出ても、十分間に合う。

でも僕は行かなかった。行けなかったが正しいかもしれない。そう。行けなかったんだ。

僕は悪くない。悪魔のせいだ。

なんとか起き上がって、ソファーに寝転がる。

今、こうしてるのも悪魔のせい。あいつが“正しいこと“を言うから。

僕を肯定してくれないから。だから、引け目を感じる必要なんてないはずなのに。

“お前が弱いから、逃げてるだけだ“そう思ってしまう。いつもそうだ。

最終的に僕自身が自分を肯定しない。一番の敵だ。そんな自分も大嫌いだ。


「大丈夫。しんどいなら無理しないで。ご飯はお腹が空いたら食べればいいから」


仕事から帰ってきて、ソファーに蹲る僕を見つけたお母さんはそう言ってくれた。

僕を心配してくれてるように聞こえる。その言葉に裏はないように思える。

でも僕は知ってる。日に日に悲しそうな顔をしてることも、日に日に声を掛けてくれる回数が減ってることも。

見捨てられるのは時間の問題かもしれない。だから今こうしている僕を許せない。


だからどうか、僕を見捨てないで。





閲覧ありがとうございます。

しばらく更新をお待ちください。

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