弱い。
この物語は死の表現や、残酷な描写が含まれます。
気分が優れない方は、閲覧を中止してください。
僕が目を覚ましたのは、お昼前だった。それから何も出来ずに、数十分を布団で過ごす。
暗い部屋の中なので、外が確認できず太陽も確認できない。
しかし、スマホを見つめていると確かに11時35分。
クラスメイトはきっと今頃、お腹を空かせながら授業を受けていることだろう。数学だったか国語だったか。
普通に学校生活を送れていることが素直に羨ましい。妬ましくて憎い。そんなことを考えている自分が一番醜い。
やっぱり、自分は自分が嫌いだと再認識する。
もっと普通に生きれたらなんて、もう考えることをやめた。
なんとか布団から出て、洗面所まで辿り着けた。歯を磨いて、顔を洗う。
生きるのに最低限なことはしなくては。
本音を言うなら布団に篭っていたい。
僕は制服のワイシャツに袖を通す。こんな時間だけれど、学校に行かなければ。
自分の意思ではないけれど、自分のためだ。
自己暗示のように言い聞かせる。大丈夫。今日はまだ体調が良い。
「お前、本気か?」
1人ボソボソと呟く僕に声を掛けたのは、悪魔だ。
紅く吊り上がった目、牙のような歯、目立つ銀髪。
それらを無視すれば、背の高い男性であるということだけれど。
無視するにはあまりにも目を引く特徴だらけであった。
僕に言わせれば、想像する悪魔より人間らしい。しかし、想像するまんまではあった。
どこかゲームやアニメらしいといえば雰囲気は伝わるかもしれない。
「やっぱりお前、死ぬ気ないだろ」
否定できない。己で死ねなかった僕だ。悪魔に頼った僕だ。そう言われても仕方がない。
僕が学校に行くのも、将来のため。
本気で“今“死にたいのなら、そんなこと考える暇もないんだろうか。
どちらにせよ僕は独りで死ぬ気はないらしい。弱いから。
「そうやってズルズル生きてるうちは、どっちにも振り切れねぇよ」
うるさいうるさい。
僕だって知ってる。
自分のことは自分が一番理解してる。
悪魔だろうが他人に干渉される筋合いはない。
どうせ僕を知ったって、誰も死ぬことを許してくれない。
この悪魔だって、僕を殺してくれなかった。
だから今日も生きてるんだ。
弱い僕のせいで。
「何をしようが知ったことじゃねぇ。ただ、俺はお前を殺さない。死にたきゃ勝手に死ね」
僕にそれができるならとっくにこの世にいないんだ。
多分、誰かが殺してくれるまでこの先も生き続けることになる。
この先どうなっていくかわからないけれど、廃人になっても生き続けるだろう。それが怖い。
手先が震えて、冷たくなる。視界は暗く狭まり、息がしにくい。
ああ、何度目の過呼吸だろう。今日は体調が良かったのに。せっかく学校に行けたのに。
涙が溢れて止まらない。
お母さんが今日もお昼ご飯用意してくれていたのに、また期待を裏切ってしまう。怖い。
「僕じゃなくて弟が生きてれば、こんなことにならなかったのに」
ついに視界が真っ暗になり、その場に倒れ込む。
このまま死ねればいいのに。
そんなことを考えてしまう僕は弱い。
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