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死にたがりと悪魔。  作者: こいわしの天ぷら
2/10

弱い。

この物語は死の表現や、残酷な描写が含まれます。

気分が優れない方は、閲覧を中止してください。

僕が目を覚ましたのは、お昼前だった。それから何も出来ずに、数十分を布団で過ごす。

暗い部屋の中なので、外が確認できず太陽も確認できない。

しかし、スマホを見つめていると確かに11時35分。

クラスメイトはきっと今頃、お腹を空かせながら授業を受けていることだろう。数学だったか国語だったか。

普通に学校生活を送れていることが素直に羨ましい。妬ましくて憎い。そんなことを考えている自分が一番醜い。

やっぱり、自分は自分が嫌いだと再認識する。

もっと普通に生きれたらなんて、もう考えることをやめた。


なんとか布団から出て、洗面所まで辿り着けた。歯を磨いて、顔を洗う。

生きるのに最低限なことはしなくては。

本音を言うなら布団に篭っていたい。

僕は制服のワイシャツに袖を通す。こんな時間だけれど、学校に行かなければ。

自分の意思ではないけれど、自分のためだ。

自己暗示のように言い聞かせる。大丈夫。今日はまだ体調が良い。


「お前、本気か?」


1人ボソボソと呟く僕に声を掛けたのは、悪魔だ。

紅く吊り上がった目、牙のような歯、目立つ銀髪。

それらを無視すれば、背の高い男性であるということだけれど。

無視するにはあまりにも目を引く特徴だらけであった。

僕に言わせれば、想像する悪魔より人間らしい。しかし、想像するまんまではあった。

どこかゲームやアニメらしいといえば雰囲気は伝わるかもしれない。


「やっぱりお前、死ぬ気ないだろ」


否定できない。己で死ねなかった僕だ。悪魔に頼った僕だ。そう言われても仕方がない。

僕が学校に行くのも、将来のため。

本気で“今“死にたいのなら、そんなこと考える暇もないんだろうか。

どちらにせよ僕は独りで死ぬ気はないらしい。弱いから。


「そうやってズルズル生きてるうちは、どっちにも振り切れねぇよ」


うるさいうるさい。

僕だって知ってる。

自分のことは自分が一番理解してる。

悪魔だろうが他人に干渉される筋合いはない。

どうせ僕を知ったって、誰も死ぬことを許してくれない。

この悪魔だって、僕を殺してくれなかった。

だから今日も生きてるんだ。


弱い僕のせいで。


「何をしようが知ったことじゃねぇ。ただ、俺はお前を殺さない。死にたきゃ勝手に死ね」


僕にそれができるならとっくにこの世にいないんだ。

多分、誰かが殺してくれるまでこの先も生き続けることになる。

この先どうなっていくかわからないけれど、廃人になっても生き続けるだろう。それが怖い。


手先が震えて、冷たくなる。視界は暗く狭まり、息がしにくい。

ああ、何度目の過呼吸だろう。今日は体調が良かったのに。せっかく学校に行けたのに。

涙が溢れて止まらない。

お母さんが今日もお昼ご飯用意してくれていたのに、また期待を裏切ってしまう。怖い。


「僕じゃなくて弟が生きてれば、こんなことにならなかったのに」


ついに視界が真っ暗になり、その場に倒れ込む。

このまま死ねればいいのに。

そんなことを考えてしまう僕は弱い。

閲覧ありがとうございます。

しばらく更新をお待ちください。

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