え、強い
あけましておめでとうございますm
「落ちこぼれの悪魔はマナーもなっていないド底辺だな。主人によくあっている」
「ははっおい契約者、腹の出たタヌキが何か喋っているぞ」
こっちを睨んでいるグレイグ先生にダンドリスが上から揶揄う
ちょっと、僕が被害に遭うんだから少し黙っててよ
「っこの奴隷悪魔風情が!!」
なにかの呪文を唱えた後、グレイグ先生の横に召喚されたのは全身炎に包まれた姿の悪魔だった
「おぉ、タヌキの契約した悪魔なんてどんな面白いやつだと思ったらさほど強くもない雑魚だな」
「私の悪魔は上級の炎の悪魔だ、貴様のような奴隷に堕ちた力のない悪魔とは格が違う!」
「ふーん、で、その上級がどうするんだ?」
「『●●●●』!」
言葉が出たのは分かるが文字として理解できなかった不思議な音がグレイグ先生から発せられる
真名は契約者以外にはこうやって聞こえるのかと思っていた所、炎の悪魔がこちらに襲いかかってきた
僕の周りの生徒たちは悲鳴をあげながら僕の周りから離れて我先にと教室から出ようと足を向けている
炎の悪魔の指先が僕に当たると思ったその瞬間、目の前までいた悪魔が一瞬で消えた
1拍置いてドゴンっ!!!という何かが破壊された音と共に地震のような揺れがおこる
消えた悪魔の代わりに僕の前にはダンドリスが優雅に立ってた。綺麗な革靴の下には頭が床に埋まった炎の悪魔が
パチパチ、と火は音を立てて全身燃えているのに上から踏んでいるダンドリスはまるで熱くないというように平然としている
「俺ではなく契約者に攻撃をしたのは賞賛を与えよう。そしてこの俺を怒らせようとしたのなら大成功だ」
にっこり笑いながら話しているのに誰しもが恐怖を抱いた
急に表情が抜け落ち、まるで汚物を見るような目で悪魔を見下ろす
「俺はとても機嫌が悪くなった」
そう言って頭が埋まっている悪魔の首根っこを掴んで持ち上げた。悪魔はうめき声のような声を発しているが、ダンドリスは完全に無視して大口を開ける
「こいつは俺の獲物だ」
「っ!『やめろダンドリス』!」
食べる、とわかったとき僕は真名でダンドリスを止めた。ピクリ、と一瞬止まったがまた動きが再開され…
バリバリバリ、ゴクン。
首根っこを掴んだグレイグ先生の悪魔の右腕をまるで肉食獣のように噛み付いて引きちぎり、それを蛇のように丸呑みした
まるで布が破れたような音が鳴り、血は出てないが黒い靄が悪魔の右肩の断面から出ているだけでそんなにグロくはなかった。が悪魔には相当応えていたみたいで、断末魔のような悲鳴が教室中に響く
マンドラゴラみたいで気分が悪くなる…
教室から出ていこうとしていた生徒の何人かが気絶してその場で崩れ落ちる様子を目端に捉えながらダンドリスを見る
もう用は済んだというようにその場で悪魔を捨て、悪魔はもがきながら床に浮かぶグレイグ先生の影に潜り込んだ
「ふん、主人と似合いの下品な味だ」
不快そうな顔で唇を舐めるダンドリスにグレイグ先生が震えながら叫ぶ
「き、きき、貴様一体私の悪魔に何を!」
「喰ったのが見えなかったのか?本当は全て喰ってしまいたかったが俺の契約者が止めたからな。右腕だけにしてやっただけ有難いと思え」
「同族を食べる悪魔だと!?そんな悪魔どの文献にも…────!!!!」
何かを思い出したように目を見開き、青くなってた顔がとうとう白くなって口をパクパク動かしていた。
そして震える手でダンドリスを指さす
「ま、さか…『王』…!?」
王?