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お願いだから大人しくして

視線が気になる

教室に入ってもいつもは空気だったのに最近は誰もがこちらを振り向く。いや、自意識過剰とかではなく、本当に視線が突き刺さっているのだ。僕ではなく、隣の悪魔に


「ちょっとその顔面どうにかならないの」

「擬態の事か。無理だなあれは窮屈で不快だ」


出来ないじゃなくてやらないというあたり性格が現れてる

擬態とは契約した悪魔が動物等何かしらの生き物に変身すること

小動物然り、幻獣然り、種類は様々で召喚主の傍にいることが多い。あとは影の中に居るとか多種多様だけどこの悪魔は何もしようとしない。

「まさか僕を引き立て役にその美形晒そうとしてんの?」

「馬鹿め。お前なぞ居なくたって俺は美しい」

あ、そうですか

このナルシは置いといて、どの悪魔もその契約主を守ろうとほかの悪魔に威嚇しているのも見える。装飾具とか付けてない様子だと真名を知っているのかな

なんていうか…


「悪魔って変だな」

「死に急ぎたいなら手伝うぞ」

「違う違うやめて長生きしたい。

そうじゃなくて、真名を知られた悪魔は召喚主を殺して無かったことにできるのになんで出来ないんだろうって」


そうすれば真名を知っている人は居なくなるんだから自由にできるんじゃないのかな


「真名を知るということは繋がりが深くなるということだからな」

「絆的な?」

「たわけ、俺が言ってるのはの繋がりだ

死ねと言われれば従わなければいけないだけでない。その真名を知る者と命が繋がる、契約主(そっち)が死ねばそれなりの代償が付いてくる。1種の呪いのようなものだ

自らそんなことをする馬鹿は居ないだろう」


思っていた以上に重いぞ真名


「悪魔にとってはデメリットしかないねそれ」

「だから真名を喋らないのだ。どんな状況であれ口を割ったら己の責任だ」



意外にシビアな事だと知り、ふとまた先程先生と結論づけた内容が頭に浮かぶ

「そんな大事な真名を簡単に喋った君は自殺願望強めってこと?だからすぐ死にそうな僕を見ても帰らなかったんだ。僕出来れば長生きしたいんだけど」

「俺が面白ければ死のうが生きようがそんなものどうでもいい。せいぜい死なないようにな契約者」

ハンッと鼻で笑い僕を物理的に見下す


誰かこの自己中の悪魔を交換してください




そうこう話していると午後最初の授業が始まる鐘が鳴った

最初の授業は魔法歴史学なので一気に憂鬱な気分になった



「…ではこの時代に大魔術師が使用されたという術具は何だね、アレク」

「え、」

「時間切れだこんなことも分からないのか。落ちこぼれの名が輝ききっているな」

クスクス、ははは、と周りが笑う

今から学ぶ術具なんて知らないし、いくら予習しても教科書に載っていないことを質問してくる


担当してる先生は成績優秀な人を贔屓することで有名なグレイグ先生だ

嫌な先生だけど僕が知らないだけなので何も言えない


「生命の杖だな。エルフの森にある生命樹の枝で造られた非常に魔力の通りが良い使い勝手のいい杖だ」

「なっ」



天井に足を着き、いつの間にか僕の教科書を取って読んでいる

頭に血が登らないのかな



「一体あの悪魔の契約主は誰だっ私の授業の邪魔をするな!」

「貴様が先程指名した奴の悪魔だが?」

それを知ったグレイグ先生は僕を見た


お願いだから余計なことはやらないで欲しい

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