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イマジナリーフレンド  作者: 黒井木アイシャ
12/24

ばいばい ぐいんぴーち

レゴを受け取ってからというもの、ぴゆは熱心に落書き帳に乗り物のような絵を描いたり、その絵を元にレゴを組み立てたりと夢中になって遊んでいた。

嵐の日から魂が抜けてしまったように色々なことに対して関心を失っていたので、また前のように楽しめるものができて良かったと思う。


「そういやぴゆシップってなんなの?」

「んーと、人間の言葉でなんて言うんでちたっけねぇ〜

…未確認飛行物体?」

「ああ、UFOか」

「そぇ!ぴゆのぴゆシップはじいじぴゆからのおさがりでビンテージなんでちけどね」


晩ご飯はぴゆのリクエストのオムライス。

ケチャップを口元にべったりつけて、スプーンを指揮棒のように振り回しながらぴゆは得意げに笑う。

ウェットティッシュでケチャップを拭いてやりながら、テーブルに落ちたチキンライスの米粒も一緒に回収した。


「むぐむぐ…元々は地球旅行をする予定だったんでちよ。

…あ、ぐいんぴーちはいりまちぇん。

でもぴゆシップが途中で故障ちて…ハルちゃんちに落ちちゃったんでち」


チキンライスのグリンピースをスプーンで弾いて俺の皿に移動させるので、スプーンに乗せて卵で隠した上でぴゆに食べさせる。


「ビンテージだから?…はい、あーん」

「もぐもぐ…ビンテージのぴゆシップを好んで乗るぴゆもたくさんいるので…そこはぴゆの調整不足を認めざるを得まちぇんね」


ぴゆはグリンピースに全く気付いていない様子で咀嚼している。

今度からは取り除けないように料理しよう。


「そえかや、ぴゆシップが直るまでハルちゃんちにお世話になることになりまちた。

しーな家には何年お世話になったことやりゃ…

何とか飛べるくらいには直りまちたが、ぴーゆんアイランドに戻るにはまだまだでち。

でもこのいぇごがあれば!今のぴゆシップに足りないものが掴めそうなんでちよ」


ぴゆは嬉しそうにテーブルに乗せたレゴをスプーンの柄でカチカチと叩く。


「それにしても、今までよく人間に見つからなかったね」

「ぴっぴっぴ、ぴゆシップの光学迷彩は人間の科学力では到底感知できないでちょうねぇ。

ぴゆたち自身は隠れたりちなくても、ちょもちょも人間には見えないし声も聞こえないようでちよ。

光の反射の仕方が地球にある物質と違うとか、ぴゆたちの声の周波数が聞き取れないとか何とか……わすれちゃった。

ま、たまにぴゆたちを認識できる人間もいるようでちね」


なるほど、それがハルと俺なのか。


「むふー、ごっちょちゃま。

今日もうまでちたよ、シェフ!

ちゃて、今日のお皿洗いはぴゆがしまちよ」

「え、できるの?」

「ハルちゃんちでもやりまちたかや、任せてくだち」


ぴゆはよいちょと呟いて、小さい頃に俺が使っていた車の絵が描いてあるプラスチックのお皿とコップを持ち、よちよちとキッチンへ向かう。

落とさないか心配でついていったが、絶妙なバランス感覚で落とさずに済んでいた。

備え付けの棚の引き出しを下から順番に階段状に引っ張ると、ぴゆは器用にシンクに登った。


「ほやほや!早く洗わないとおこみがくっついちゃうでちょ!」


カンカンとスプーンでシンクを叩いてお皿を持ってくるように急かされる。

ぴゆが持ちきれなかったお皿を持ってキッチンに行くと、シンクで泡まみれになったぴゆがスポンジを抱えてお皿を洗っていた。


(まあこの後お風呂入るからいっか…)




その夜のぴゆは身体からジョイの匂いがした。

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