第98章 アリシア伯爵の領地改革-ギルド編②
「私はね、魔都でいろいろと領地改革の計画を考えたり、みんなと話し合ったり、融資を調達したりしているうちに、ゲネンドル伯爵領で人頭税の代わりになるものが頭に閃いたの」
そして、フローリナちゃんたちに、魔都でロニアちゃんたちと話し合ってまとめた計画を説明した。
①ギルドの加入金は一家につき銀貨4枚(分割払い可)。毎月のギルド費は一家あたり銀貨1枚~4枚とする。(農家のギルド費は銀貨1枚、市民/町民は銀貨4枚)
②ギルド加入対象は15歳以上の成人、もしくは独立して家族を持つ者。ギルドに加入した者の家族はギルド会員の特典を享受できる。
③加入者農民の地代は2割。加入しない者は4割。地代を払えない者は、領主の経営する事業で働いて税金を払う。
④ギルド会員には、優先的に植え付け用の穀物の種、穀物の種や飼育用ならび役畜用の牛馬、それに飼育用のヒツジ、ヤギ、ブタ、ニワトリ等家畜購入用の融資を受けれる。
(注:それらの耕種農業、畜産農業ができる土地や必要な働き手が一家にいるか事前調査が行われることがある)。
⑤ギルド会員とその家族は、病気になった場合は病院で無料で治療を受けることができるし、無料で薬を受け取ることが出来る。
⑥ギルド会員の家族の女性が妊娠した場合は、当妊婦の出産の1ヵ月前から出産後の2ヵ月後まで、ひと月に銀貨4枚の出産援助を受けることが出来る(注:産婦人科の医者による妊娠の確認が必要)。
⑦ギルドの福利厚生事業:
ギルドは、会員のための学校を開設する。
ギルドは、身寄りのない老人や、世話をする者がいな老人のために養護施設を運営する。
ギルドは、貧しい会員の葬式代を支払う。
ギルドは、聖日には祭りを催し、祭りに参加する領民が楽しめる娯楽を手配する。
「かなり大番振舞いのギルドみたいですけど、財政的にやって行けるんですか?」
「たぶん、それはだいじょうぶよ、マルレーヌちゃん。人頭税は、毎年1月から徴収し始めるけど、今年はオーマル・ゼーブランドが爵位を剥奪され、領地を失ったこともあり、徴収はそれほど進んでないはずよ。もし、すでに人頭税を払っている者は、人頭税支払い証明書を見せれば、今年のギルド入会費は免除よ」
「融資額、それだけで足りるんですか? それに、融資を出すための審査とか、融資を受けれるに値すると言うか融資返済能力があるかどうかを、耕種農業や畜産農業ができる土地を持っているいるかなど事前調査を行わうんでしょう? その調査員もかなりの数いるでしょうし、審査する者、調査する者とかの面接とかもやらなければならないんでしょう?」
「そうね。領地が広いから... ゼーブランド家の者を徴税官といっしょに地方の町長や村長を訪問させ、税制改革とギルドについて説明させようかしら?」
「2千近くある村や町を訪問させるんですか?」
「うっ...」
「ドコデモボードを遣えば、1日10の町村を訪問するとして、10人でやれば計算上は20日もあれば終わるんですけどね」
それまで黙って聞いていたマナリちゃんが、口を開いた。
彼女はハリジちゃんの部下でダスモニア・スラビーと呼ばれる魔術師で、ダスモニア・スラビーの者は、全員私と同じフェリノディオだ。
だけど、この娘ら、背がずっと小い種族で140センチそこそこしかない。
彼女はフローリナちゃんたちと残ってドコデモボードで領内を視察するために通り道を開けてくれたのだ。
「それはさすがに」
「だよね――、ドコデモボードは、魔王国の最高秘密だからね」
ロニアちゃんとアマラちゃんが、マナリちゃんの案に否定的だ。
それも当然だ。ドコデモボードは、私のように魔王さまから絶対信頼されている人間にしか個人的目的で使うことを許されていないのだ。
「ギルド入会案内を書いた立札を作って村や町の広場に立てるように指示した布告書を書いて、領内の全部の町長と村長宛てに送ればいいと思います」
ミルイーズちゃんが、最も簡単な解決法を提案した。
ふむ。さすが生まれた時から父親のオーマル・ゼーブランド伯爵が領主としていろいろとやっていた仕事を見て来ているだけある。やはり、領地を治めるには、領地の事を知っている人間が不可欠ね。
魔都に至急帰って布告書を書いて、あの、あれも魔王国の最高秘密の一つであるマシャコウキで写しを2千枚作ってもらって持って来よう!
「アリシア伯爵さま。あの風変わりな魔法陣研究者のジイさんの研究所が作ったと言う...」
「そうそう!あのエテル...の古代ムニャムニャをムニャムニャしたムニャムニャを使ったらいいですよ!」
ロニアちゃんとアマラちゃんも同じことを思いついたらしいが、部外者であるミルイーズちゃんがいるので、アマラちゃんはムニャムニャ語(?)を使って伝えようとする。
「ああ。マシャコウキね!」
「室長!?」
「あ~あ、言っちゃたよ!」
「いいのよ。ミルイーズちゃんは、私の個人秘書に昇格したんだから」
「えっ、個人秘書?」
「あ~っ、その地位、あたしも狙っていたのに!」
アマラちゃん、秘書の座を狙っていたの?
知らなかったわ。
「それで、何か名案はあるんですか、伯爵さま?」
「名案って、立札でギルド入会案内と税制改革の件は一件落着かない?」
「いえ、そうじゃないわ。設立するギルドの職員をいつ、どんな形で、どこで募集して採用するのかってことですよ!」
「それと、領地に連れて来るって言っていた軍隊って、どこの軍隊ですか?まさか魔王国軍を連れて来るつもとなのでは?」
だからぁ、そう一度に聞かないでよ、ミンタちゃんとペーミンちゃん!
「ギルド職員の採用方法はまだ決めてないわ...」
その時、ドアがゴンゴンと叩かれた。
「誰だ?」
リンド君が剣の束に手をかけて問う。
「ガア」
警備のガバロス親衛隊だ。
リンド君がドアを開ける。
「どうした?」
「ガア... メイド たチト 従僕たチガ、あんナ 怖いバケモノと イらレなイ言っテ 出テいク 言っテる!」
「ちょ、ちょっと待て。伯爵さまに話すから」
「聞いたわ、リンド君。執事のドッテンマイアさんに言って、きちんとお給料を払って暇をやるように言ってちょうだい」
働きたくないと言う者を置いておいてもロクなことはない。
メイドや従僕で働きたいという者はゴマンといるのだ。
「今、伯爵さまが言ったことを執事に伝えろ」
「ガア... 今、廊下デ 話し 聴こえタ ガバロス族ノ 連中デ 働キたガっテ いル者 たクさン いる!」
「えっ、ちょっと待って。執事に伝える役、リンド君がやって。そこのガバロスさん、入って!」
「ガア」
ガバロス親衛隊員が入るのとリンド君が
「ちぇっ、何でボクが使い走りしなきゃならないんだよ?」
とボヤキながら出て行くのが同時だった。
「えーっと、あなた、何と言うお名前?」
「キグナッケン 言いまス」
ガバロス族はコボルト族の一種族で、レウエンシア大公国とテアスジム王国の国境にある リュンケンミセリ山脈あたりに生息していたのだが、ある年ひどい旱魃になり、それまで山野で収穫できていた食料となる木の実や種はなくなり、植えていた作物も枯れてしまった。
山野に食べるものがなくなったことで、獲物としていた動物たちや鳥たちもその多くがガバロスたちによって狩られるか、飢え死にするかして数が激減し、生き残った動物もどこかへ移動してしまった。
ガバロスたちは、必死になって食べるものを探した。
手分けして、グループに分かれて、四方八方に食べるものを得るために遠くまで探しに行った。
レウエンシア国とテアスジム国の村や町にまでも何日もかけて歩いて行って食べるものを乞うたが、旱魃による影響は、テルースの世界の東北部一帯でも深刻で誰もガバロスなどになけなしの食料をやる者などなかった。
それに、ガバロスたちは、食料を買うためのお金を持っていなかったのだ。
山野で自然の中で暮らし、物々交換で欲しいものを手に入れていた彼らには通貨などは必要なかったのだ。
獲物や食べ物を探して、集落から何日もかかる場所を歩いていたあるグループが、それまで足を踏み入れたことのなかったハイラガズ山に足を踏み入れた。
そしてハイラガズ山の中腹で奇妙な円盤を発見した。その奇妙な円盤をあれこれいじっていたら、急にその円盤が光りはじめ、山の崖にどこかの森の風景が現れたのだそうだ。
初めはみんな怖がって、そこから一目散に逃げたが―
好奇心から、しばらくしてまた近寄って行き、そこでその崖に急に現れた森の風景の中に、ビアードを見たのだ。
ビアードは体長2メートルほど、重さは150キロほどの動物で、草や木の葉などを食べる。
体の色はこげ茶色で、オスは1メートルにもなるツノを持っており、その肉が美味であることからガバロスたちも好む獲物だった。
ガバロスたちを見てフリーズしたように止まっているビアード。
ガバロスたちが、棚ぼたのように現れた獲物を逃すはずがなかった。狩りになれたガバロスの矢はビアードの急所に当たり、ビアードは倒れた。
久しぶりに肉を食べられるという気持ちが怖さに打ち勝って、ガバロスたちは崖に見える森の風景の中に飛びこんでいった。矢が通ってビアードに当たったのなら、自分たちも通れると考えたのだ。
それが、あとでドコデモボードと名付けられることになった、誰がいつ作ったかわからない古代の魔法具で、ガバロスたちは偶然にもドコデモボードをミタン国の北辺の人里離れた山の中に通じる通り道を開けたのだった。
ガバロスたちは、早速、狩ったばかりのビアードの血抜きをし、解体してから、枯れ枝を集め火をおこしててから、久しぶりの肉を全員で味わった。
結局、そのグループは、ほかにもう数頭のビアードやジャボウと14匹のレビット -耳の長いウサギみたいな小動物- と20羽のピンタダと呼ばれる体重2キロほどの野鳥を狩ることができた。
それを苦労して- あまりにも獲物の量が多かったので- 血抜き・解体をして、ガバロスの集落へ持ち帰った。
ガバロスの集落では大騒ぎになった。
族長のアーレリュンケンは即刻、大勢からなる遠征隊を送ることを決定した。百人のガバロスの男たちからなる遠征隊は、アーレリュンケンに率いられて出発した。
二日半にわたる強行軍のあとで、彼らはハイラガズ山の中腹の北側にある額ほどの平たい場所にある“神の盤”-ドコデモボードは最初そう呼ばれていた-の場所に着いた。
そして、ここを発見した最初のグループが報告したように、南側の斜面にどこかの森へ続く道が開いていた。
アーレリュンケンは、なぜ、そんな不思議な道がここに開いたのかはあとで調べることにして、早速、森へ渡った。そこはまさしく獲物の宝庫だった。半日でビアードを25頭、ジャボウ42頭、レビット60匹以上、ピンタダ200羽以上をしとめた。
その日の午後は保存処理で終わり、翌日の夜明け前に60匹のガバロスたちが“食料”を担いで故郷のリュンケンミセリ山脈にある集落に向かい、残りは狩りを続けることになった。
そして、アーレリュンケンの命令で、集落からは、新たに450匹のガバロスたちがハイラガズ山に向うことになった。
しかし、いくら獲物が豊富だと言っても、500匹近くのガバロスが一斉に狩りをはじめたら、どういう事になるかは誰にでもわかることだ。
連日の狩りが一ヶ月ほど続いたあと、その森一帯には獲物がいなくなってしまった。
そして、ガバロスは獲物を探して山の中を歩いているうちに、東に山を下りたところにエルフたちの村があり、そこにはかなりの作物や家畜があることを発見した。
それからは、ガバロスたちはエルフ村の略奪を始めた。
ガバロスたちは、奪った食料や家畜をどんどんと彼らの集落に運んだ。
そして、エルフ村の略奪が始まってから一週間ほど経ったころ、ある朝起きて見ると、ハイラガズ山への通り道は消えてしまっていた!?
アーレリュンケンもガバロスたちは混乱し、途方に暮れた。
だが、道はまた開くかも知れない。いや、必ず開くはずだと考えて、その時のために― そうなったら、また食料をリュンケンミセリ山脈のガバロス集落にもって行けるように略奪を続け、ふたたび通り道が開いた時に集落に持ち帰るために保存した。
魔王さまたちが、ミタン国王からもらったホルモールの別邸へ向かう途中で、そのエルフ村を通りかかって、ガバロスたちを退治するまで。
ガバロスたちを退治し、エルフ村を助けた魔王さまたちは、ガバロスたちが集落を作って暮らしていた山の中の集落まで行ってみた。
そこで魔王さまたちは“神の盤”を発見し、その後かなりの紆余曲折はあったが、“神の盤”は天才のエルフ錬金術師- 魔法陣研究家と言う者もいる- トゥンシー大先生のおかげでついに複製が作られ、ドコデモボードと名付けられ、魔王国の運命を大きく変える一つの要因となったのだ。
その時、魔王さまは、エルフ村を襲って被害をあたえたのを悔い改めたガバロスたちを、そのエルフ村の村長、それにミタン国王の名代としてのアンジェリーヌ王女さまとジョスリーヌ王女さま(いずれも当時の敬称)の了承を得てから、エルフ村から20キロほど離れた山奥にあったガバロスの棲みかの場所に集落を作ることにした。
最初は、旱魃による食料不足からリュンケンミセリ山脈からミタン国北方の山奥に避難して来たガバロス族だった。
当初は2千人ほどだったのが、アーレリュンケンたちが食料が豊富な場所へ移動したという噂は、リュンケンミセリ山脈あたり一帯に住むガバロス各部族にまたたく間に広がり、続々と移住して来て、なんと5万人という大人口のガバロスたちが暮らす大きな集落へと変貌していた。
ルークヘルム大集落と名付けられた大集落- いや、きちんとした町計画に基づいて立派に整備されているので、もはや町と言っても差しつかえない- だが、ルークヘルム町の発展には、ガバロスの女たちの貢献が大きかった。いや、彼女たちなしでは、このように見事な発展はなかったと言っても過言ではないだろう。
ガバロスの女たちの中でも、アーレリュンケンの妻であるラクジャナの力が大きかった。
ガバロス族は一夫多妻で、アーレリュンケンも8人ほど妻がいるのだが、ラクジャナは最初の妻なので妻たちの中ではもっとも権力がある。
アーレリュンケンが大族長であることから、必然的にラクジャナもガバロス種族の中での地位も最上級となり、なおかつ賢く聡明であることからルークヘルムの行政を仕切るようになった。
ラクジャナと各部族の族長の妻たちによる行政は、女性特有の整理好き、きれい好きといった性格もあいまって自治体の行政にはピッタリだった。
ラクジャナたちが、アーレリュンケンたちが一時的集落としていた、(襲撃の被害に遭っていた)エルフ村の西の山中に初めてやって来た時、あまりもの汚さ、不衛生さに腰を抜かすほどおどろいた。
ガバロスの男どもが棲家にしていた山中のその場所には、雑な作りの小屋やボロ布を張ったテント風のものが所せましと並んでいた。それはまあいいとして、男どもはいたるところをトイレにしていたのだ。
ラクジャナたちが来て、最初にやったことはトイレの設置だった。
ラクジャナたちは、度々魔王さまたちを訪ね、大集落を住みよい町にするための助言を請うた。金稼ぎや仕事のことはアーレリュンケンたち男にまかせて、ラクジャナたちはガバロス種族がこれから生きていくことになったミタン王国の北西の山中に、誰にも迷惑をかけない、住み心地のいい集落を作ろうと決心したのだ。
魔王さまたちは、前の世界での経験をふまえ、“都市プロジェクト”というものを教えた。
魔王さま自身は、詳しいことはわからなかったが、プリシルさまは前世において魔王の国の行政長官だったのだそうだ。
それにアマンダも参謀学を徹底的に学んでおり、都市にとって何が重要かを知悉していた- 彼女は、戦いで都市包囲戦などになると、戦略的に何をどうすれば都市は陥落しやすいかを知っていた。都市の機能の中で何が生命線というべきものかを優先順序で知っていたのだ。
「今は1万人くらいかも知れないけど、そのうちに人口が増えるかも知れないから、思い切った町の計画が必要だと思うわ!」
「そうよね。まず、住宅街区整備、商業区整備、町の景観整備、それに町の基本的施設- 特に道路整備、水路、下水処理、整備、景観維持とかを盛りこんで、誰が訪れても恥ずかしくない町づくりを目指しましょう!」
「はぁ... じゅうたくせいび しょうぎょうくせいび 町のけいかんせいび...?」
「なんのことか、無学なワタシたちには、さっぱりわかりませんわ」
「でも、最後におっしゃった、誰が訪れても恥ずかしくない町、というのはわかりました!」
ラクジャナもほかのガバロスの女性指導者たちも、難しいことはわからなかったが、プリシルが言った最後の言葉に心を動かされた。
まず、一番目にアマンダたちがやらせたことは、町を作る場所の測量だった。
測量技師をプリシルさまたちが雇い、ラクジャナたちに測量の手ほどきをさせたのだ。
測量技師は、実際に測量をやりながらラクジャナたちに教えた。
集落の中心になるエリアの測量がすむと、今度は建築職人を呼んでメインストーリーにいくつかの建物を建築させた。これもラクジャナたちに職人の手伝いをさせながら習わせた。
測量も、家の建て方も、3ヵ月経ったとき、ラクジャナたちは持ち前の根気強さと自分たちの新しい町を作るという気概で測量も建築もおぼえてしまった。それからどんどん測量を進め、あたり一帯の地形が測量がすむと、測量地図をアマンダとプリシルに見てもらった。
「そうね。じゃあ、この主要道路のこのあたりに、大講堂か集会場。ここは競技場かな、それとも娯楽・遊戯施設?」
「病院とか保育所とか学校、図書館は住宅街区から近くて、公園か広場の近くがいいわね。それと緑地はたくさんなけりゃね!」
アマンダとプリシルがさかんに、何やら集落の中に建てるものや、公園とか緑とか言っている。
「あの... ガバロスも勉強とかしなければならないんでしょうか?」
ラクジャナの右腕のようなポジションのサエジャナが“そんなモノいるんですか?”みたいな目で聞いた。
ガバロス族の町ルークヘルム・プロジェクト
それから数年たった時―
町は、最初の不衛生で貧民窟のような雑然とした棲みかから、以前この場所にそんな棲みかがあったとは信じられないほど大きく様変わりしていた。
プリシルとアマンダが推進させた『ルークヘルム・プロジェクト』にしたがって、道路が網の目のように伸び、幅の広い主要道路にそって数階建ての新しい建物が並び、公園や緑の多い快適な町となっていた。
町の外側を流れる川は、ガバロス族の故郷であるリュンケンミセリ山脈にちなんでリュンケンミセリ川と名づけられ、その川の上流から水道水をとり、町の下水は下水処理できれいにして川へもどすようにしており、その過程で汚泥発酵肥料を作り、ルークヘルム町の郊外で広く行われている農業に使われ、農業生産性を上げていた。
ガバロスたちは、ミタン国に転住することを許可された時、生活費のためにエルフたちが嫌がる汚い仕事、危険な仕事、重労働の仕事を率先してして来たことから、今ではミタン国北部- ルークヘルムのあるところ- あたりでは、なくてはならない労働力となっており、若いガバロスの中には遠く王都まで出稼ぎに行く連中まで出て来るほどだった。
商店街には、ガバロスたちがあふれ、活気ある町となり、人口はすでに万人を上回るまでになっていた。
ルークヘルムは、まだ建設途上であるため、いたるところで建物が建築中で、ルークヘルムはまだまだ発展しそうだという。
そして、ルークヘルムで育った若いガバロスたちの中には、“どこか新天地を求めて冒険”をしたがっている者が多いのだとキグナッケンはアリシアたちに言った。
それは、父親の世代のガバロスたちが、遠い遠いリュンケンミセリ山脈から、一世一代の大冒険をしてミタン国へやって来て、口で言い表せないような苦労をした末に、立派なルークヘルムの町を作ったと、小さいころから耳にタコが出来るくらい聞かされて来たからだった。
ガバロス族
ヴァナグリー
ルークヘルムの話しが長くなりましたが、この話しについてもっと知りたい方は、”なろう”に掲載している小説『魔王の勇者オデッセイー 魔王はつまらないので異世界でハーレムを作ることにしました』 https://ncode.syosetu.com/n3597gy/ の#07ガバロス退治①の章で読むことができます。
ガバロス族はコボルトの一種です。
こんなバケモノが、こんな↓バケモノに乗って現れたら…
誰でも逃げ出しますよね?
メスの美人ガバロス?
ちなみにガバロスは雑食ですが、ヴァナグリーは魚を食べます。(と言う設定です)
ヴァナグリーは、古生代ペルム紀前期に生息していた絶滅両生類のエリオプス(Eryops)がモデルです。
少し怖い感じを出すために、怖い目と水かきをつけてみました。




