第73章 アリシア子爵、陰謀に加担する④
翌日は、昼近くになって目を覚ました。
ゾウが寝れるような巨大で豪華なベッドには...
ロニアちゃんとアマラちゃんが、私に抱きつくようにして寝ていた。
道理で寝苦しかったわけだ。
そして―
二人の元輔祭たちは、一糸纏わぬ姿で寝ていた。
当然、私も昨夜着ていた黄色いドレスも下着も一切脱がされ、ハダカだった。
まあ、布団をとらなくても、みんなハダカってわかってたんだけどね。
女の子のすべすべした肌を感じたし、ほら、おムネとかオシリとか柔らかいじゃない?
エルフ族のロニアちゃんは、私並みのオッパイとオシリだけど、パンサーディオ族のアマラちゃんは、けっこう大きいオッパイと豊かなオシリの持ち主なの。
パンサーディオ族って、フェリノディオ族の近縁種族なので、フェリノディオ族同様、身体の骨がエルフなんかよりずっと多く、靭帯の柔軟性もすごく高いから体が柔らかいのよね。
昨日の疲れもすっかりとれた私は、さっそく、二人のかわいい元輔祭ちゃんたちにチューをしてのおムネをむにょむにょする。
チュ――っ
チュチュ――っ
ムニョムニョ
「あふ~ん...」
ムニョムニョムニョ
「ふにゃ~ん ゴロゴロゴロ...」
「アマラちゃん、あなた、なんでフェリノディオ族の娘みたいな声出すの?」
「ゴロゴロ... だってェ この方が可愛いでしょ?」
ふむ。たしかにかわいい。
二つの蝶々は、ロニアちゃんとアマラちゃんのお花畑で戯れる。
「ああん 室長さまぁ そこだめですぅ」
「ふにゃ~ん ゴロゴロ... 蜜を吸っちゃいや~ん」
蝶々は一変してハチさんになり、花畑で蜜を吸う。
しばらくお花畑で遊ぶと、今度はロニアちゃんとアマラちゃんが、二人がかりで私を襲う。
パンサーディオ族のアマラちゃんにしっかりと押さえこまれ、
アマラちゃん力強いから、後ろから羽交い締めにされ、足を絡ませられると何も出来なくなる。
ロニアちゃん一人なら何んとか出来るんだけど、アマラちゃんにそうされてはもうダメ。
ロニアちゃんに体中なでられ、もまれる。
そのうち、力が抜けてしまうと... アマラちゃんも室長攻撃に加わる。
「フゴ フゴ ふにゅ~ん... ああん ああん!」
アマラちゃんにチューをされ、ロニアちゃんに私のお花畑の蜜を吸われる。
............
............
............
たっぷりと目覚めのあとの朝の遊戯をしたあとで、三人でゾウが入れるような大きさのお風呂に入って、そこでまたひと時戯れる。
お風呂から出て、バスタオルを巻いたままで髪を乾かし、梳く。
「ぐぅうううう――――」
何だか、お腹が猛烈に減った。
クーキュルキュル……
「あら、わたしのお腹も!」
ロニアちゃんが恥ずかしそう。
ギュルギュルグゥ…
「腹減った――――!」
アマラちゃんは、素直でよろしい。
コンコン
ドアがノックされた。
「はい」
ドアが開き、ラビットディオのメイドさんが顔を出した。
「お食事をお持ちしてもよろしいでしょうか?」
「はい。お願いしますっ!お肉をたくさんお願いね!」
肉に飢えていた私は、思わず肉料理を注文してしまった。
「かしこまりました」
「え、お肉ってダメなんじゃないですか、室長さま?」
ロニアちゃんがビックリしている。
「そうよね。でも、あたしもお肉食べたいわ!でも、ダメなんだよね...」
アマラちゃんはパンサーディオ族なので私と同じ肉食系なんだよね。
私たちは、恐るおそるラビットディオのメイドさんを見た。
今にもタイガニディオス族かレオニディオ族族の警備員を呼んで来るのではないか、とみんなが思った。
「かしこまりました。お肉ですね?」
だけど、メイドさんはにこやかに確認して
パタン!
ドアが閉めて行ってしまった。
「室長さま... わたしたち逮捕されるかも知れません...」
ロニアちゃんが、心配そうな顔で私を見る。
「困ったわ。つい、本能が出てしまって肉を注文してしまったわ」
「肉食厳禁の国でお肉を注文したら、どんな厳罰が課せられるのでしょうか?」
さすがのアマラちゃんも少し心配している。
ものの10分としないうちに、ふたたびコンコンとドアをノックする声。
来た。怖い顔つきをした獣人の警備員がドアの外に来ているに違いない。
ガバロス親衛隊、私たちを助けて!
もう、こうなれば、どうとでもなれだ。
最悪の事態になれば、ゲネンドル家の家宝の剣で血路を開き、逃げるまでだ。
ガバロス親衛隊も逃亡を助けてくれるだろう。
私は家宝の剣を手に持った。
ロニアちゃんとアマラちゃんは、おたがいに抱き合ってドアの方を見ている。
「どうぞ」
「失礼します」
ドアを開けて入って来たのは、ライオニディオスの警備兵でもなく、タイガニディオス族の死刑執行人でもなかった。
ワゴンを押して入って来たは、先ほどのラビットディオのメイドさんだった。そしてワゴンには何と料理がいっぱい載っていた!
料理にはクローシュがかぶされていて、何の料理が運ばれて来たのかわからない...
でも、何かすごくいい匂いが漂って来た。食欲をそそるあの匂い…
これって、焼いた肉の匂いじゃない?
これは紛れもなく肉料理だよ???
ラビットディオのメイドさんのあとから、カニスディオ族のメイドさんも料理が満載のワゴンを、そのあとからラポーゾディオ族のメイドさんが飲みものが入っている銀ポッドが乗ったワゴンを、そのあとからまた別のウサギ族メイドさんがワゴンを...
次から次に入ってきて、300平方メートル以上ある寝室のテーブルの上に次から次へと料理を並べ始めた。
私たちは、唖然としてテーブルの上に並べられる料理を見ていた。
ざっと見ただけで、ビアードの焼き肉、パトスロース、ガルの串焼き、ファイゾンの塩焼き、焼きサリレ、スモークサーモン、スクランブルエッグ、オムレツ、オニオングラタンエッグ、ピンタダの丸焼き、ハム、ソーセージ、ベーコン、いろいろなチーズ。
さらにポテトサラダ、野菜サラダ、パンケーキ、フレンチトースト、ワッフル、カニスープ、肉スープ、ポテトスープ、野菜スープ、白パン、クロワッサン、ブリオッシュ、デニッシュベストリー、クグロフなどがあり。飲みものはさまざまなフルーツジュースとヤギ乳。
「なに、これ?」
「たまごを混ぜて焼いたのは知っているけど、あとはほとんど知らない食べものばかり...」
ロニアちゃんとアマラちゃんも目を丸くしている。
「でも、足が数えきれないほどあるタコやイカとかとかないわね...」
「虫のあぶり焼きやサナギの天ぷらとかもないわ?」
「どうでもいいわ。お腹の皮が背中にくっついていそうだし、食べよう!」
「そうそう、熱いうちにいただきましょう!」
「く――っ、このガルの照り焼きの匂い!」
若い二人は、真っ先にお皿にご馳走を分けて、猛烈な食欲で食べ始めた。
それを見て、私もこれは夢ではないとわかって、お皿に料理をとり、食べはじめた。
「モグモグ... ムシャムシャ... おいひぃ!モグモグ...」
パトスロースは、こってりとした味でありながら、 口当たりはまろやか。 口の中で溶けるようなおいしさだ。
「バリバリ(骨を噛み砕く音) うまい!モグモグ...」
一方、ファイゾンはガル|《鶏》肉より濃い味で、肉質は|《鶏》肉より歯ごたえがあるけど、切れが良く食べやすい。ファイゾンの肉は、脂に特徴的な上品な甘みがある。
「ムシャムシャ... おいひぃ!うまい!モグモグ...」
ビアード肉は、野生のものとは思えないほどクセが無く、パトスロースとは対照的で脂肪が少なく、あっさりした美味しさだ。肉質は細かくブタ豚やウシ肉より柔らかくてても食べやすい。
ムシャムシャ... モグモグ...
ムシャムシャ... モグモグ...
一生懸命に、二日分の肉不足を解消して、あと五日分(ゾオルでの滞在予定日数)の蛋白質を懸命に補給していると...
コンコン
え、メイドさん、まだ何か持って来たの?
まだ、こんなに料理があるのに。
食べきれないよー!
「モグモグ... どうぞ!」
「おはよーう、アリシア子爵、ロニアさん、アマラさん!」
笑顔で入って来たのはプリシルさまだった。
「モゴ?」
茫然となる私。
まるでドリアンスロゥプ皇帝みたいな口調になった(汗)。
「アリシアちゃん、よく眠れたみたいね!」
すぐ後ろにはマイレィちゃん。
「すごい朝食ね? 昨日の晩餐会よりご馳走あるんじゃない?」
「私たちもご相伴にあずかっていいかしら?」
アイフィさまとミカエラさまも入って来た。
「モゴ モゴ モゴ?」
「クンクン... これだよ、肉食種族はこれを食べなければ生存が難しくなるんだよね!」
アレク、口からヨダレをたらしているよ?
「モゴ... グ ぐるじいーぃ!」
「あら、いけない。アリシアちゃん、また喉を詰まらせたみたい!」
「ロニアさん、アマラさん、早く水を飲ませてあげて!」
「はい!」
ロニアちゃんが、あわててコップに水を注ごうとした。
「失礼します、室長!」
アマラちゃんはそう言うと、私の背中に回ると私の脇の下から自分の両手を差し込んで、私の胸部と腹部の境で両手をしっかりと握と―
(あ、アマラちゃんのけっこう豊かな胸が感じられる)
「むん!」
気合とともに、胸部と上腹部を強く締めつけた。
「ゲホ――っ!」
ビアードの大きな肉片が口から飛び出した。
「ゲホゲホゲホ...」
「室長さま、お水を」
ゴクゴクゴク...
「ふ――う… 死ぬかと思った!」
「私たちの分まで食べようとするからよ!」
ミカエラさま、またチクリとする言葉を言う。
「え?私たちの分?」
「ええ。昨日、フローリナさんに頼んでおいたのよ。明日の朝食は肉料理でお願いします。子爵の部屋でいっしょに食べますからってね」
プリシルさまが、椅子に座りながら説明する。
「どう、二日ぶりの肉料理、おいしい?」
アイフィさまがお皿に料理をわけながら聞く。
「お、おいしいです。とても!でも、西ディアローム帝国では、肉は禁食じゃ...」
「だいじょうぶよ。ここは国賓のための宿舎で、一種の治外権法外区域になっているの。だから食事も国賓の国の習慣にしたがっていいようになっているのよ」
「チガイケンホウガイって、なあに、ママ?」
「ここに泊る国賓には、西ディアローム帝国の法律が適用されないってことよ、マイレィ」
「へぇ。だから、お肉がたくさんあるんだ!」
みんな、やはり肉が恋しかったと見え、肉料理を優先的に食べている。
だけど、ロニアちゃんとアマラちゃんは、あまり肉料理を食べていない。
アマラちゃんは食べているけど、ロニアちゃんは焼きサリレを食べているだけ。
「ところで、アマラさん、どこであんな応急処置を習ったの?」
「はい。神学校で習いました」
「神学校では、そんなことも教えるのね?」
「はい。神学校では、エタナールさまの教えを伝えることを学ぶだけでなく、民のためになることも学びます」
「そうなのですか。じゃあ、ロニアさんも出来るわけですね?」
「わたしは、すっかり動転してしまって...」
「まあ、誰でもそうなりますね」
「それはそうと、プリシルさま、今日はこれから総本山に向かうとなると、予定より4時間ほど資料を集める時間が少なくなりますね?」
「そうね。でも、晩餐会のあとの舞踏会で、明け方の3時過ぎまで魔王国のためにがんばったんですから、多少は資料を集める時間が少なくなっても仕方ありませんわ」
「はぁ...」
「ま、いいじゃないですか。あと五日もあるんですから、遅れた分はとりもどせますわ」
「そうよ、そうよ。アイフィさまの言う通り!心配しなくてもだいじょうぶ!」
マイレィちゃんも楽天的みたい。
「それはそうと、あのマシャクニアウキとか言う魔法具...」
「マシャコウキよ、アリシアちゃん」
「あのマシャコウキとかいう魔法具で光写した古代の石板や文書はどうするのですか?」
「あら、古代の石板や文書に書かれている“神聖アールヴ文字”を読み解いて、古代魔法のすべてとテルースの世界創造の謎を明かすのよ!」
「え...ええええええ―――――――っ!!!!」
食べログみたいなアリシアの料理紹介となりました(汗)。
最後のプリシル王妃の言葉、すごいこと言ってますね。




