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ネコ耳❤アリシアの魔王城日記  作者: 独瓈夢
二部アリシア子爵
66/316

第66章 アリシア子爵、期待に応える(後編)

《このままだと、ゾオルは十日も持たずに陥落する可能性は“大”と考えられます》

情報分析室の出した報告書を見た魔王軍参謀本部の動きが慌ただしくなった。


「魔王さまは、魔王軍を一週間以内に西ディアローム帝国へ送り込むつもりよ」


 午前5時、魔王城からマフトレーン(魔法式浮動列車)で情報総局に駆けつけて来たプリシルさまは、会議室に私とリエルさんとクマーラ王子、トマーラ王子、それに私といっしょに夜番をしたリニアさんとアマラさんをプリシルさまは、そう告げた。

 昼番のリエルさんは、まだお休み中だったのをたたき起こされて、プリシルさまと来られたけど、眠そうな顔はしてなかったし、不機嫌な顔もしてなかった。彼女も状況が切迫していることをよく理解していた。


「魔王さまは、軍の準備が整い次第、作戦を開始されるでしょう。魔王さまと参謀本部が本腰を入れれば、たぶん、トロール軍も東ディアローム軍も完膚なきまで叩きのめされるはずです...」


 私は、魔王さまが10年とかからずにミタン王国の無名の貴族から、マビンハミアン国とブレストピア国を征服し、テルースの世界でも有数の大国家を作り、魔王になられたということは知っていた。

 まあ、そのせいで私たちは亡命を余儀なくされ、その後数年間をヤーダマーの塔で過ごすことになったんだけど。まあ、それは過ぎた話だし、今は魔王さまを恨んでない。


 魔王さまが、その呼称の通り、とんでもない力と言うか、能力を持っているということは私でもわかる。でなければ、どこに四人の女性(アマンダさまたち四人のことだ)だけの助けで、10年とかからずに、こんな大偉業を成し遂げれる男がいるの?

 何万も何十万も兵を所有している皇帝や王にすらも出来ないことを、魔王さまは短期間で成し遂げたのよ。自らを魔王と称するだけはあると思うわ。


 私自身は、魔王さまは、エルフ種族の変異種(耳が短いエルフ)だと思っている。

魔王さまは、悪魔とかそういう恐ろしいバケモノではなく、ふつう(かなり変わった?)の短耳エルフなのだ。ただ、あの異常な女好きは、病的なところがあると思っているけど(汗)。



「ボードニアン王国とミタン王国は、それぞれ5万と3万の兵力を準備し、魔王軍の作戦と同調した支援作戦を開始することになっていますし、鬼人族国のモモコ大王さまは、メジアグロス海から自国に攻め入った20万のアングルスト軍を迎え撃つためにデュドル公爵軍を送り込んでいます。

 しかし、同じ鬼人族国(身内)であるボロツク公国へ送る軍については、モモコ大王さまは、魔王さまと協議中です。たぶん、魔王国からの派兵はなく、武器の支援だけになると思います。

 鬼人族国は、いつアングルスト軍およびベルミンジャン軍に本格的に攻め込まれるかも知れないので、西ディアローム帝国だけに支援軍を送ることはできないのですが、魔王さまが反撃作戦を開始すれば、魔王軍と共同で西ディアローム帝国救援の軍を送ることをすでに決めています」

プリシルさまが説明を続ける。


 トロールの強さは、その体格に比例するパワーにある。

1対1の戦いでトロールに勝てる者は少なく、獣人族のエレファンティオス(ゾウ人族)族戦士、アビノウルスディオス(シロクマ人族)戦士、プルルウルスディオス(ヒグマ人族)戦士らが、ようやく互角で戦えると言われるくらいなのだ。

 しかし、これらの獣人族戦士は、その数が少ないこともあって、ここぞと言う重要な局面でしか投入されない。それに比べてアングルスト帝国とベルミンジャン王国は、全兵が最強のトロール兵なのだから、その強さは比べものにならない。

 そのため、反撃作戦は用意周到に練らなければならない。

ヘタな作戦でも実施しようものなら、却ってこちらが壊滅的な損失を受けかねない。そうなれば、西ディアローム帝国救援どこではなくなる。勢いがついた両トロール国に攻め込まれることになりかねない。



  *  *  * 



 私は、屋敷の自室で、魔王軍参謀本部と鬼人族国のモモコ大王の交信を見ていた。

え、それはどう言うことかって? それは、私の屋敷の中での私専用の部屋は、応接室、私室、それに寝室からなっているのだけど、その私室を情報分析室の分室風にちょっと改造したの。


 それは、先にも書いたけど、西ディアローム帝国の状況が切迫しているために、情報分析室の職員を朝・昼・夜の三番制にして24時間対応できるようにしたのだけど、それだけでは緊急の場合に対応が遅くなるかも知れないと考え、プリシルさまに相談して、私の部屋に分室を設置することを提案し、承認してもらっていたの。


 そして、私の家の分室に、なんとマデンキ(魔法式遠隔伝達器)が設置されたってわけ。

いや、マデンキの自宅設置は、鬼人族国に帰ったブリュストン伯爵さまと恋人同士のお話をするためではない。

 うん、断じてそうではない。ま、出来たら誰にも見つからないようにお話するかも知れないけど... 

だから、この分室でほぼ不眠不休で、私と6人の元輔祭(ほさい)ちゃんたちは、仕事をしていたってわけ。


 元輔祭(ほさい)たちのうち、二人は情報分析室で決められた時間通りに働き、あと二人は寝室で休んで、残った二人は私といっしょにマデンキ(魔法式遠隔伝達器)の前に座って、情報分析室から参謀本部へ送られる報告書を見たり、西ディアローム帝国や鬼人族国、ボロツク公国や同盟国から参謀本部に送られてくる情報を見たりしていたというわけ。


 まあ、情報分析室で8時間、分室で8時間という重労働は、さすがに若い輔祭(ほさい)たちにもキツかったようで、中には睡眠不足のあまり、自分の部屋まで帰る元気もなく、(私に断って)私の巨大ベッドに寝る子もいた。


 結局、私の巨大ベッドがとても寝心地がいいことがわかって、そのうち、6人とも私の巨大ベッドで寝るようになってしまったのだけど(汗)。

 大きなベッドを連結できるようにしていてよかったわ。

なんか、こうなることを予想して大きなベッドを二つ備えていたみたい。


 真の目的は別だったんだけど... 

まあ、この際、しかたないじゃない。

 それに、目に入れても痛くないほど可愛い元輔祭(ほさい)()たちが巨大ベッドに、あどけない寝顔で寝ているのを見るのはシ・ア・ワ・セ。



 私は1時間ほどの仮眠を4時間おきにとるだけでマデンキ(魔法式遠隔伝達器)の前に張り付いていた。

たまに、私の仮眠時間と元輔祭(ほさい)ちゃんたちの休む時間が重なると... 

若い元輔祭(ほさい)たちと抱き合って寝たり(汗)。


 元輔祭(ほさい)ちゃんたちの中には、下着だけで寝る子もいたりして

実を言うと、何も着ないで寝るのが好きな子(ここだけのヒミツだけど、ミンタちゃんだ)もいて、

なぜか胸がドキドキして仮眠をとれず、悶々(モンモン)とした時もあった... 


 と言うのは少し大げさで、若い女の子同士(もち、私と元輔祭(ほさい)ちゃんたち)すべすべした肌を寄せあって寝ると言うのは、こう、何と言うか、すごく興奮しちゃうんだよね。

 いや、私はそっちの方の気はないよ?(ないと思うと訂正しておこう。汗)


 私は、男に荒々しく、たまにはイジメられて愛されるのが好きな、

 フツーのフェリノディオ族(ネコ人族)女子だ。

 イジメられるのが好きということは否めない。


 恥ずかしいし、痛いけど、心地よさを感じる。

 それってヘンタイだろうって?

 いやいや、ヘンタイじゃないよ。

 女性って、強い男に征服されるのが好きって言うしね。


 まあ、私の趣味の問題はさておいて。

女の子のカラダって、本当に気持ちいいんだよね。

どこもここもふっくらしているし、おムネなんかは、とくに触りごたえがあるし、

ボタンに触わったり、おムネを揉んだりすると、かわいく反応するし。


とくに感度がいいのが、ロニアちゃん。

「あん...室長さま そんなところ摘まんだり、吸ったりしないでください。なんか、モヤモヤして来ます」

真っ赤になって困った表情をするのがかわいくて!

私の手は、彼女の花園にまで行って、おいたをするの。


「室長、ずるい。ロニアにだけしてないで、あたしにもやって!」

ロニアちゃんの親友のアマラちゃんが、かわいく口をとがらせるので、

彼女にも同じようにしてあげる。


「ああん... 室長さま... そこ... ダメ... で... す」

花園に、おいたをされたロニアちゃんが、喘ぐ。


「室長、私のお花畑も手入れをして!」

アマラちゃんは、ロニアちゃんと同じことをしてもらいたがる。



  *  *  * 



 寄り道が長くなかったけど、そういうわけで、私はプリシルさまがおっしゃられていたことがよく理解できていた。私だけでなく、リニアちゃんとアマラちゃんも。

 私は、自分の部屋に設置されたマデンキ(魔法式映像音声送信機)で、魔軍参謀本部内での動きを観ながら、昨夜の参謀本部でのモモコ大王と魔王さまのやり取りを想い出していた。



以下、その会話のやりとり再現。


モモコ大王「クソっ、あの図体がデカいだけの腑抜(ふぬ)けのトロールどもが、何をとち狂ったか、わが国に攻め込みおった!」

モモコ大王さまが、あのおきれいな顔を真っ赤にして怒っていた。

マデンキ(魔法式遠隔伝達器)の画面は、トゥンシー大先生によるとコウガシツ(高画質)とか言うものだから、モモコ大王のお顔の毛までがハッキリと映っている(汗)。


魔王さま「モモコ... それは予想していたことであろう?」

モモコ大王「む... そんなの当りまえだ! ラーシャアグロス王国の情報収集力は優秀だからな!」

魔王さま「今、東ディアローム帝国の南部に投入している軍をドコデモボードで移動してアングルスト軍を迎え撃てばいいではないか?」

モモコ大王「も、もちろん、すでにそれは考えている。だが、おまえは、魔王国の王であるのと同時に、私の夫でもある。だからだな...」


アマンダさま「アングルスト軍にラーシャアグロス王国の領内を100キロほど侵攻させて、それから彼らの戦線の後方にモモコの軍をドコデモボードで移動させて、前後から挟撃すればいいでしょう?」

モモコ大王「そ、そうだ。それを言いたかったのだ!」

魔王さま「とくかく、鬼人族国参謀本部で考えている作戦の大筋をこちらに送ってくれ。アマンダたち参謀に分析させ、最善の共同作戦を検討するから」


モモコ大王「おお、そうしてくれるか? 取り敢えず、トロールどもの進撃を食い止めるためにデュドル公爵の軍を送り込もうと考えている!」

魔王さま「さすが我が妻モモコ。いつも通り賢明だな!」

人生経験の豊富な魔王さまは、上手にモモコ大王を持ち上げられる。

モモコ大王「なーに、それほどでもないがな...」

とたんに相好を崩してニタリと締まりのない顔になって笑うモモコ大王さま。

女性はお世辞に弱いのよね... 


魔王さま「挟撃作戦が決まったら、こちらに来たらどうだ?久しぶりに大浴場でヨクジョウしあおう」

モモコ大王「おっ、それはいいな。大浴場でヨクジョウとは ハーハッハッハ!おまえらしいヘタなシャレだな? それにしても、おまえは、何十人妻を持つつもりだ? 最近は、あの、わが城で成人式舞踏会を開いたネコ耳にずいぶん執着していると聞いておるぞ?」


ゲッ、私のことを話している。

魔王城で起こっていることは、国家機密じゃなかったの?

鬼人族国のモモコ大王さままに筒抜けになっているとは(汗)。


魔王さま「私はモテるからな。モテル男は辛い」

モモコ大王「ふん!何をほざいておる? 私が明後日にはそちらに行った時は、おまえが痩せるほど尽くさせてやる!」

魔王さま「わかった。キョウセイザイをたっぷり飲んで待っておこう」


何だか大浴場ですごいシーンが起こりそうな予感じ。

その日は、生理ですとか言って大浴場に行かないようにしようか... 


モモコ大王「あ、それと忘れかけておったが、ボロツク公国の方も何とかできんか? ボロツク公国のグレディアン・シュテン大公は身内同然だからな」


モモコ大王さま、魔王さまの言った“大浴場でヨクジョウ”ということに甚だ関心を持って、肝心なことを言い忘れそうになっていたみたい。


魔王さま「案じることはない。ちゃんとボロツク公国のことも考えている」

モモコ大王「ほっ... さすが私が見込んだだけの男だけある!」


漫才のかけあいのような会話が終わる前に、西ディアローム帝国のキャルニボル大統領から支援を要請する割りこみ連絡が入った。


 魔王さまはチャンネルを変えて、大統領と通信を始めた。


「魔王殿、事態は深刻です。このままではゾオルは十日も持たずに陥落してしまいます」

「わかりました。魔王軍を一週間以内にそちらへ送り込みます。それまで耐えてください」

「かたじけない!ボードニアン王国とミタン王国にも支援を要請していますが、魔王軍の支援作戦と同調した支援を行うつもりだと答えて来ました。ともかく、支援作戦の詳細が決まったら至急連絡していただきたい。西ディアローム軍も協調作戦を実施しますから」

「おっしゃるまでもないことです」

「よろしく頼みます。今となっては魔王殿だけが頼りです」

「おまかせください」 


と言うような、魔王国の参謀本部で魔王さまと同盟国首脳との間で行われた極秘通信を私とロニア、アマラの三人は知っていた。


これで、鬼人族国、ボロツク公国、それに西ディアローム帝国への救援作戦は、魔王国軍を始めとする同盟国軍の連携作戦が立案され、実施されることで何んとかメドがつきそうだ。



 しかし― 


 それらの重要な戦略的決定がなされたあとで

 私は、とんでもないことを目にした。


 魔王軍の参謀たちが、参謀室の中央に置かれた作戦テーブルにもどって、同盟国軍の共同作戦をワイワイガヤガヤと検討し始め、マデンキ(魔法式遠隔伝達器)の前には、魔王さまと魔王妃さまたちだけが残っていたんだけど、私は何ともなしにマデンキ(魔法式遠隔伝達器)から送られて来る参謀本部の様子を何んともなしに見ていた。


 ロニアちゃんとアマラちゃんは、熱いコーヒーと何かお菓子を持って来ますと言って階下に降りて行って、ほかには誰もいなかった。


「そろそろファイナルオペレーションを実施するか...」

魔王さまが、小さな声でつぶやいたのが、鋭い聴覚を持つ私の耳に聴こえた。


 私と同じく、鋭い聴力能力をもつプリシルさまが聴きつけた。

 プリシルさまは、近くにいたアマンダさま、リリスさま、それにハウェンさまに何かを囁いたと思ったら、四人そろって魔王さまのそばに寄って来た。


「魔王さま... 始められますか? 前の世界で成し遂げることが出来なかったことを?」

「そろそろ時期ではないかと思ってね...」

「たしかに状況は極めて魔王国に有利です」

アマンダさまが参謀長として状況を判断する。


え... ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ってなに?


 魔王さまが、テルースの世界とは全然別の世界から来られたという話は聞いたことはあるけど、私はそんな話は信じてなかった。


 しかし、今、プリシルさまは、“ 前の世界で成し遂げることが出来なかったことを始められますか?”と魔王さまに聞いたのだ。


 空耳でも聞き間違いでも幻聴でもない。しっかりと聴いたのだ。



アリシア、おかしな趣味にめざめた?


それにしても、魔王の言ったファイナルオペレーションとは何か?

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