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ネコ耳❤アリシアの魔王城日記  作者: 独瓈夢
二部アリシア子爵
63/316

第63章 アリシア子爵、ビッグサイズベッドを試す(前編)

 トロール人、研修生、それに将軍たちのアリシア子爵邸見学がようやく終わった。


 いや、みんな屋敷の隅から隅まで見たわけではなく、一階をおおよそ見終わってから地下に行こうとした時に、庭から肉を焼く匂いが漂って来たを感じたのだ。


「おう!焼き肉のいい匂いがする!」

「クンクン... この匂いは焼き豚だ」

「クンクン 焼きコドルナの匂いもするわ!」

「お腹がグーグー鳴っている」

「見学はこれくらいにして、早く庭に行ってご馳走を食べよう!」


興味心より食欲。

トロール人たちが、われ先にと急いで階下に向かったので屋敷見学も終わりとなった。

やれやれだ。


トロール人たちといっしょに階段を下りていると、後ろの方からビースーちゃんとスティルヴィッシュ伯爵の会話が聴こえた。


「パパ、この家すごいね!」

「おう。エンギン辺境伯の屋敷が、これほど大きいとは知らなかった」

「でも、お家の方がもっと大きいわ!」

「まあな。わが邸宅とギャストン伯爵邸は、魔都でもっとも大きい屋敷の一つだからな!」

なーるほど。邸宅の大きさは、魔王さまの信頼度と魔王さまへの貢献度によるらしい。

「おまえも、情報分析室で子爵を見習ってしっかり仕事を覚え、将来、魔王さまに目を掛けてもらえる貴族にならなければならんぞ?」

「わかっているって!」


 スティルヴィッシュ伯爵さま、やはり魔王の信頼がもっとも大きい将軍の一人だけある。

魔王さまへのコネやツテだけでビースーちゃんを出世させようと考えてないらしい。


庭では、すでに焼肉パーティーが始まっていた。

「子爵さま、この度は夕食にご招待してくださり、ありがとうございました」

「アリシア子爵さまがご近所になられて良かったです!」

「エンギン辺境伯の屋敷にどんな方が来るのかと思っていましたが、子爵さまでよかったです」

「今日はご招待いただき、ありがとうございます!」

テーブルに座っていた人たちが、立って挨拶をする。


 ご近所の人たちだ。この住宅街で新顔である私は、ご近所の住人たちと良好な関係を築きたいと思って、お母さまといっしょにご近所を訪問して今日の夕食会に招待したのだ。

 利害を考えずに(よし)みを結ぶことはとても大事だ。真心と真心で関係を築けば、何かあった時に力になってくれる。


「おう、これはうまい!」

「よく味がついているし、表面はこんがりと焼けているが、食べるとうまい肉汁が口中に広がる!」

「サーモンのバター焼きもおいしいわ!」

「牛バラ肉もうまいぞ!」

「こんがりと焼けた腸詰が、すっごくおいしいわ!」

「この少し酸味のある黒パンに挟んで食べるとうまいぞ!」

トロール人たちがよろこんで食べている。


 ああ、よかった!

あのダユーネフの首都ナスガアル城から1時間ほどのところにある、レッべガアルの町の裏通りの『ユキヒョウ親父の酒場』で食べた腸詰のおいしさが強烈に記憶に残っていて、今日の夕食の主力料理の一つにしたのが好評みたい。


「この黒っぽい腸詰は、色はぱっとしないが、旨みが凝縮しいてうまい!」

「あ、これか? どれどれ... おっ、ニンニクとコショウが利いた濃厚な味でうまい!」


あれも『ユキヒョウ親父の酒場』で食べた腸詰の一種で、ブタの血と脂に香辛料を入れて作った“ジョウリッソ”と呼ばれる腸詰だ。ブタの血が原料だけど、血は火を通すと生臭くささが消えるのだ。

“ジョウリッソ”の調味料の利いた味は、酒ととてもよく合う。

なので、お酒好きには、たまらない肴にもなる。


 サラダは、セロリとトマトとタマネギのあっさりした味の食材と茹でたイモを「マヨネーズ」というソースで味付けしたやつ。「マヨネーズ」なんて名前のソース、魔王城に来るまで聞いたことも見たこともなかったけど、けっこうおいしい。


 みんな楽しく、賑やかに夕食会を楽しんでいた。

すると、突然、玄関の扉が内側から開いて、ガバロス親衛隊がどどどっと出て来た。


 来た!

魔王さまのご登場だ。

ガバロス親衛隊は、すぐ要所に立ったり、通りに出たりして警戒を始めた。


みんなあっけにとられている。

アマンダさまを先頭に、プリシルさま、リリスさま、ハウェンさまたち以下、王妃たちをゾロゾロと従えて、魔王さまが玄関の扉の前の大理石の階段に現れた時、庭にいた者たちは一斉に立った。


「みんな、続けてください。私も焼き肉の匂いにつられて魔王城からやって来ただけですから」

魔王さまの冗談にみんなの緊張が解ける。

だけど、招待客の中には- とくに、ご近所さんとか、職員、研修生など- なぜ、魔王さまと王妃さまたちが、馬車で到着せずに屋敷の中から現れたのかわからずに、首をかしげている者もいる。


「魔王さま、先に着かれて、子爵さまのお屋敷の中にいらっしゃったのね」

「うん、そうだろうね。早く着かれてどこかでお休みになられていたのに違いない」

「でも、先ほど屋敷の中を見て回った時はお姿を見なかったわよ?」

「魔王さまの信頼の厚い室長のお家だから、魔王城と秘密の地下トンネルで繋がっているのかも?」

「あ、それありだね!」


 いやいや、みなさん想像たくましい。

実際は、ドコデモボードで移動して来られたんだけどね。

ドコデモボードは、正確な場所を設定すれば、どこへでも移動できる魔法装置なの。


 だから、魔王さまが望めば、私が()()()()()()()()()にでも来ることが出来るんだよ。

 まあ、魔王さま、そんな趣味はないみたいだけど。

なんせ、私といっしょに入浴したければ、魔王さまの部屋に私を呼べばいいだけだし、私のハダカを見たければ、これも彼の部屋で「着ているものを全部脱げ」と命令すればいいだけだから(汗)。


 魔王さまが、王妃さまたちといっしょに来られるということは前もって知らされていたので、魔王さまたち貴賓のためのテーブルを用意してあったので、そこにご案内する。

 魔王さまたちは、アマンダさまたちといっしょにテーブルに着席したけど、あとに続いていたアンジェリーヌ、ジョスリーヌ、ソフィエッタ、ミカエラたち王妃さまたちは、それぞれ両手にクロッシュで覆われた料理らしいものが乗ったトレーを抱えていた。


 え? 何を持って来られたんだろう?

何か料理らしいけど、ここにある料理だけでは物足りないから、魔王城からご馳走を持って来たのかな?

なんて、考えていると、王妃さまたちが―


「ああ、重かった!」

「こんなにたくさん持って来させるなんて!」

「メイドに運ばせたらいいのにね!」

なんて言いながら、次々とクロッシュをとりはじめた。


 王妃さまたちが持って来たのは... 

なんと、イタリア料理レストランで何度か食べたことのある、カルパッチョとか言う、生のヒレ肉や魚の身を薄切りにしたものに、エライアーオイルとソースなどの調味料をかけた高級料理だった。


「おお!」

「これは、何という料理だ?」

「すごくおいしそう!」

「魔王さまが、持って来てくださったのか?」

みんながワイワイ騒いでいる。


「みなさん、これはカルパッチョと言う料理です。アリシア子爵は、食べ応えのあるおいしい焼き肉料理や腸詰などを用意してくださっており、みなさんも大変ご満足しておられると思いますが、カルパッチョはアリシア子爵が用意された料理の合間に、口直しにでも食べていただければ幸いです」

プリシルさまが、みんなに説明をされた。


 ううむ。

夕食会の主催者である私の面目を潰すことなく、それでもみんなが舌鼓をうつ酒の肴的な料理を持って来させた魔王さまのご配慮- いや、これはプリシルさまのご提案かも知れない。

さすがだね... 


私もカルパッチョに舌鼓をうちながら、葡萄酒を飲んでみた。 

やはり、うまい!

カルパッチョは、牛肉、パトス(カモ)アトゥン(マグロ)サリレ()など何種類かあったけど、私はサリレ()のカルパッチョが葡萄酒によく合うと思った。


 テーブルも椅子もあるけど、かしこまった夕食会ではないので、みんな自由に歩き回り、葡萄酒のグラスを手におしゃべりしたり、輪になって串焼きの肉やこんがりと焼いた腸詰などをつまみながら、賑やかに話したりしていた。


 みんなが、夕食会を楽しんでいるのを見てホッと安心しながら、《ヴァレンテ・サムゾン・ストルンゴ》を飲んでいた。

《ヴァレンテ・サムゾン・ストルンゴ》は、強めの赤葡萄酒で、私が魔王国で独占販売しているレッべガアル産の葡萄酒の一つだ。


「なかなかいい夕食会ではないか!」


突然の声にビックリしてふり返ると、魔王さまだった。

って、魔王さまだってわかっていただけどね。

驚いたふりした方が、魔王さまもよろこぶだろうしね。


「あの大きなベッドは気に入った」


 えっ?

魔王さま、貴賓室からすぐに庭に来たんじゃなかったの?

トロール、研修生、将軍たちのあとで屋敷を見学したの?(汗)


私に買いあたえた家をご覧になるのはいいんだけど... 

なんで、貴賓室の彫像がいいとか、ギャラリーの絵がいいとか言わずに、


私の部屋のベッドがいいっておっしゃっているのよ?

なんだか下心見え見えな感じがするんですけど... 


「さあ、では、あの大きなベッドの寝心地を試すとするか!」

「え...」

「私といつでも寝れるように、新しいベッドを買ったのであろう?」


 ……… 


いやいや、そうじゃ... 

やっぱり、そうだよね。

そうじゃなくても、愛人に買いあたえた家で、愛人を抱くのは当然だもんね... 


私は、操り人形のように、玄関へ向かう。

魔王さまは後ろに続く。

誰が見ていようが、見ていまいが、この際、どうでもいい。

私と魔王さまの関係は、今や魔王城では知らぬものはいないほどだ。


って...

玄関の扉を通る前に、何だか庭が急に静かになったのを感じたけど

みんなが、おしゃべりや食べるのを止めて、私と魔王さまが家の中に入るのを注目していたのかしら?


エントランスに入ると、魔王さまが扉を閉めた。

そのまま、二番目の扉を通り、二階へと上がる。

今日の私の服装は、夕食会の主催者なので動きやすいようにパンツスーツ姿だった。

淡いピンク色の上下に、フリル付きのシルクの白ブラウスで、靴もパンツスーツと同色の淡いピンク色。


「そんなモノを着ていては、パンツが見えんではないか」

後ろから上がって来る魔王さまの言葉に、思わず見えもしないパンツを隠すためにオシリを両手で覆いそうになった。


「ふうむ。エンギン辺境伯は、中々いい趣味を持っておったな...」


この屋敷は二棟から成り、通りに面した棟と裏側の棟が廊下で結ばれており、二階の廊下に飾られた絵画や置物などを見て魔王さまが感心していた。


私は何も言わずに、二階の右端にある寝室へ向かった。

寝室の前は少し広くなっていて、そこには立派な彫像が置かれていた。

ドアを開けると、ソファーが置かれている応接間があり、続いて6人ほどが座れるテーブルが置いてある部屋がある。個人的な客を自分の部屋で応対できるようになっているのだ。


三番目のドアを開けると寝室だった。

寝室には、お風呂とトイレが付いており、浴槽と便器などは新しいものと替えさせている。


「では、新しい風呂に入って、おたがい洗い合うとするか!」

ええっ、最初にお風呂?


魔王さまにハダカを見られると思うと、恥ずかしくて身体が熱くなるのがわかった。

ハダカを見られるのは初めてではないんだけど、私は乙女なのよ。

何度見られていても、ハダカはやはり恥ずかしい。


「何を恥ずかしがっておるのだ?さっさと脱ぎなさい!」

「は、はいっ」


魔王さまは、浴槽にお湯を満たしながら、私が服を脱ぐのを見ている。

私は真っ赤になりながら、上衣を脱ぎ、靴を脱ぎ、パンツを降ろす。

ついでブラウスのボタンを外し、脱ぐ。

こんもりとした胸を覆う白いブラジャーと白いショーツ姿になる。


「むっ... ネコ耳、ブリュストン伯爵に揉ませすぎてムネがまた大きくなったか?」

「そ、そうではありません!」


これは... 

そう、パッド入りブラなのだ。


私のおムネは、エルフであるお母さまの血を引いているため、残念ながらおムネが小さい。

妹のメロンオッパイとは比較にならないくらい小さい。

なので、最近はパッド入りブラを愛用するようになったのだ。

ブリュストン伯爵さまは、「そんなものしなくても、アリシアのオッパイは好きだよ」と言ってくれるけど、男性は女性の悩みを理解できない。

胸が小さい女性の悩みは、胸の小さい女性にしかわからないのだ。


ブラジャーを外すと... 


「なるほど。そんなものをつけていたのか」

魔王さま、納得した顔。


ショーツを脱ぐ。

スッポンポンになった。

恥ずかしいので、胸を腕で覆い、下も手で隠す。


魔王さまは、パッパと服を脱いだ。

筋骨隆々ではないが、均整の取れた体だ。

アソコは、もうすでに臨戦態勢になっている(汗)。


私に近寄ると、腰に手を回してぐっと引き寄せた。

ぎゅうう... 

魔王さまに強く抱きしめられた。


シ・ア・ワ・セ... 

幸福感でいっぱいになる。


抱きしめられながらチューをされる。

まるで私を吸いこんでしまいそうな激しいチューだった。

私は、もうとろけてしまいそうになった... 



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